院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

豊橋市のレジ袋有料化を嗤う

2013-04-12 03:01:50 | 環境
 数年前、レジ袋を有料化する運動が行われたことがあった。レジ袋は石油を使って作られるから、CO2 削減や環境保護のためにレジ袋を使用しないようにしようという運動だった。だからマイバッグをもって買い物に行く人が増えた。

 その後、レジ袋は石油からいろんなものを作ったカスから作られると知られるようになった。それまでは捨てられていた石油のカスを、捨てずに再利用して作られたのがレジ袋で、レジ袋はかえってエコであることが分かった。こうしてレジ袋排斥運動は沙汰やみになった。

 レジ袋がエコであることを知らなかったのかと、環境省に詰め寄った人たちがいた。環境省は答えた。レジ袋を排斥しても環境改善には何の効果もないことは分かっていた、しかし環境保護の精神は大事にしたかったから、あえて何も言わなかった、だと。

 以上のことは、何年か前にこの欄に書いた。

 今月から豊橋市がレジ袋有料化を奨励し始めた。すべての店舗ではないが、スーパーなどが1~5円のレジ袋代を取るようになった。さっそくマイバッグを持つ人が出てきた。

 レジ袋がかえってエコであることは、すでに分かっている。それなのに、なぜ豊橋市はまたぞろレジ袋排斥運動を始めたのだろうか?

 豊橋市は530(ゴミゼロ)運動を日本で最初に始めた自治体で、そのことを誇りに思っている。だから、今度も率先してレジ袋を排斥し、もっとゴミを減らしましょうというのだ。

 この論理が理解できる人は、どれだけいるだろうか?レジ袋を排斥すると、どうしてゴミが減るのだろうか?だれか理を尽くして説明してほしい。これは論理の飛躍というより、ただの無茶苦茶である。レジ袋はゴミ袋として便利に使ってきたではないか。レジ袋をゴミ袋として使わせないようにすれば、ゴミを減らさざるをえなくなるとでも言うのだろうか?こんなアホなこと、市役所の誰が考えたのだろうか?

 かつてのレジ袋排斥運動の時でもそうだったが、レジ袋の有料化には別の大きな問題がある。それは、スーパーを不当に儲けさせるということだ。徴収したレジ袋代は、豊橋市に納められるのではなく、スーパーの懐に入る。たった一円の値下げにいつも苦労しているスーパーとしては、こんなにありがたいことはないだろう。

 豊橋市役所の職員には知り合いが何人もいる。みなさん大変賢く、とてもこんなバカなことを考える人はいない。市議会議員が考えたのだろうか?だとしたら、その議員の名前を知りたい。

追記(2013-04-23)
 その後、「豊橋市ごみ減量の推進に関する提言」を読んだ。どうも、レジ袋そのものをゴミと考えているようだ。豊橋市で年間にゴミとして排出されるレジ袋は640トンとある。しかし、母集団すなわちゴミ全体の量を意図的なのかどうか書いていない。だから、ゴミとなるレジ袋がゴミ全体の何%なのか分からない。
 また、640トンを豊橋市の世帯数で割ると、おおよそ7キロになる。一世帯当たりゴミ袋を年間7キロも捨てているだろうか?わざと過大に見積もっている疑いがある。
 さらに640トンの内訳はレジ袋4900万枚と書いてある。レジ袋一枚当たり13グラムになる計算だ。この「提言」の記述がいかにいい加減かが分かる。

追記(2014-04-04)
いま参照できる「提言」は書きかえられている。まえの「提言」にはカラーの図表はなかった。発生するとされるレジ袋のトン数と枚数も水増し(?)して書かれている。
豊橋市で1年間に発生するレジ袋のゴミが640万トン→830万トンと書き変えられている。
同じく、枚数が4900万枚→6300万枚となっている。
わずか一年間にこれだけ増えたというのだろうか?