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名塩御坊 教行寺

西宮市北部にある蓮如上人創建の寺 名塩御坊教行寺のブログ
〒669-1147 兵庫県西宮市名塩1丁目20番16号

お地蔵さんとバッタ

2019年10月23日 21時48分09秒 | 愚僧独言・「寺だより」掲載

10月の寺だよりに掲載しました。

 昔、あるところに片足を失ったバッタがいた。バッタは、なくした足を探し回ったがどうしても見つからない。そこで、村はずれに立っているお地蔵さんに尋ねてみた。「私の足がどこにあるか知りませんか」と。
 お地蔵さんは、「それならこの山を二つ越えた原っぱにあるぞ」と答えた。これを聞いたバッタは喜んで、お地蔵さんに言われたところまで歩いて行った。片足のバッタに山越えは大変だったが、それでもバッタは頑張った。
 お地蔵さんに教えられた原っぱにようやくたどり着いて、バッタは自分のなくした足を探し回ったが、どうしても見つからない。「くそお、地蔵にだまされた」バッタは腹を立てながらお地蔵さんの元へ帰ってきた。
 バッタはお地蔵さんに言った。「あんたの教えてくれたところまで、大変な思いをしながら行ってみたが、私の足は見つからなかったぞ」バッタが文句を言うとお地蔵さんが答えた。
「なくした足は見つからなかったかもしれないが、おまえは、片足で立派に山二つを越えて往復できたじゃないか。一度なくしたら、二度とは得られないものもある。それならば、なくしたものをいつまでも探し回るのではなく、ないものはないと覚悟を決めて生きていくしかないだろう。」

 今となっては、この話を、いつ、どのようにして知ったのかさえ定かではないし、話の詳細までは正確に覚えていない。ただ、「あるがままに物事を受け止める(如実知見=にょじつちけん)」という仏教の根本の教えに近いものがあるので、今も心に残っているのだろう。


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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (wabisuke)
2019-10-25 19:49:07
私のことかな
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Unknown (山すけ)
2019-10-26 15:55:36
あるがままに。Let it beやね。
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人は皆 (住職)
2019-10-29 20:55:37
誰でも、失ったものを捜してしまいます。私も、どこかでなくした自分の若さ(気力、体力など)を諦め切れていません。
しかし実際は、右胸にしこりができているので、生体検査を受けることに。もうねえ、ヒョウタンツギ状態です。
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Unknown (住職)
2019-10-29 20:58:01
そうですね。あるがままをあるがままに受け止めるということなのでしょう。
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