「ブルースはロックの親父やけん(会場爆笑)、、リズム&ブルースは叔父さんや。」
マコちゃん(鮎川誠)の独特のMCは外見とのギャップもあって、いつも観客をなごませた。
あれはシーナが産休中のライブだったから、1983年のことだ。下北沢の本多劇場で開催された下北沢音楽祭での一コマだ。
ギター、ベース、ドラムスのトリオで持ち歌を数曲演奏した後、京都出身のウエストロード・ブルース・バンドのボーカルで、当時はR&B色の強いブルー・ヘブンを率いていたホトケこと永井隆をゲストに、マディ・ウォータースの「マニッシュ・ボーイ」やリトル・リチャードの「ルシール」を披露した。ホトケはそれまでもシナロケのステージに招かれることがあったが、彼もマコちゃんも、好きなブルースを信頼できる相手とセッションできて、観ているほうが幸せになるほど、毎回楽しそうだった。
「今日6月9日はロックの日やろ?明日10日はブルースの日や。」
翌日、ブルースのフェスティバルが日比谷公会堂で開催されるとの告知だったが、行った記憶がないは、苦学生だった僕は土日に多摩動物公園のバイトが入っていたか何かで断念したのだろう。