80歳を過ぎた母親が僕の個人事務所へ来て、今日はテレビで久しぶりに「風と共に去りぬ」を全編観た、昔の映画はドラマがあっていいわよね、やっぱり(レット・バトラー船長役の主演男優)クラーク・ゲーブルは衣裳の燕尾服や丈の長いジャケットもよく似合って素敵だわ、と力説して行った。
ちなみに、母のそのほかのお気に入り映画はOL時代に観たという「深く静かに潜航せよ」、やはりゲーブルとバート・ランカスターが主演した潜水艦が題材の映画だ。
僕はそうだね、ドラマがあるね、ジェラルド・オハラ(スカーレット・オハラの父)もいいよね、と相槌を打った。
でも、バトラー船長が最高に素敵なのは、最愛の一人娘にボニー・ブルーと名づけたことだと思うよ。
北軍との戦争に否定的だった彼があえて旧南軍国旗の別称ボニー・ブルー・フラッグにちなんだその心意気というか、祖国への思い。これにはスカーレットならずとも、胸打たれる。
いつか何かに名づける時、僕もそうありたいと強く思ったものだ。