このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
勝手に私のボーイフレンドを気取る大学のクラスメイトの男の子はひどいおっちょこちょいで、私はあまり評価していなかったのだが、先日、デパートの物産展へその土地の名菓を一緒に買いに行ったときのことだ。
週末でひどく混んでいて、どのブースでもレジで待たされた私はやや機嫌を損ねていた。
それが下りのエレベーターに乗り込んで間もなく、途中の階でドアが開いた。
ドアの前には不安そうな表情の老婆が立っていた。
「下へ行きますよ!」
開ボタンを押しながら、彼が間髪を入れず声を掛けた。
優しく、しかも、100万ドルの笑顔で。
老婆の顔はぱっと輝き、何度も頭を下げながら、乗り込んできた。
私はというと、その老婆と同じく、彼の行為にハートを射抜かれたようだった。
ひょっとして、これがいわゆるマジックタイムというものかも。
けれども、この日はそれで終わらなかった。
そのあと私たちはファミレスでそれぞれパスタを食べた。
すると彼は、ここはオレがおごるから、と言い出した。
私は私で、二人とも学生なのだから、割り勘でいいよ、と断った。
きみはガンコだな。あなたこそ見栄っ張りな。
レジの前で押し問答を続けていると、彼はポケットから取り出した財布を勢いあまってファンブル(お手玉)して床に落とし、硬貨やポイントカードが派手に散らばってしまった。
私は涙が出るほど笑いながら、しゃがみこんで硬貨を拾い集めた。もちろん、声を押し殺し、彼に背中を向けて。
この話は父にはしないでおこうと思った。
話したらきっと、その男の子と結婚するのがいい、一生笑って暮らせるよ、と言うだろう。
なにせ、ウチのお兄ちゃんとよく似たタイプだから。
あーあ、なぜ、私の周りにはこういう男の子ばかり集まるのだろう?