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長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

長唄の発声・歌唱法ワークショップがあります。

2023年06月09日 21時15分20秒 | お知らせ
関東地方は梅雨入りしたようでございます。
空も晴れぬが、心も晴れぬお年頃の皆さまに、ひととき、浮世を離れ日本の伝統文化に触れていただければ、ほのかに明るいともしびが胸のうちに灯るかも知れません…

というわけで、
JR中央・総武線 及び 京王井の頭線 吉祥寺駅 北口徒歩3分の
コピス吉祥寺A館7階
(以前は伊勢丹百貨店 吉祥寺店でした。往年のTVドラマ「俺たちの旅」オープニングテーマで、中村雅俊と秋野太作、田中健が水浴びする池はこの前庭に在りました)
吉祥寺美術館 音楽室にて

6月17日 土曜日 夜19時より受付まして、20時ぐらいまで、
長唄の発声・歌唱法のワークショップがございます。
参加費は無料です。どなたでもご参加頂けます。
講師は生まれも育ちも生粋の吉祥寺ネイティブ、長唄杵徳会家元・杵屋徳衛です。

この季節にぴったりの"いたこ=潮来出島"(カタカナじゃないほうですょ…)
雨に濡れながらひそやかに咲く、水辺のあやめ草に恋心をそこはかとなく唄い込んだ素敵な曲を体験します。
 ♪いたこでじまの マコモのかげで アヤメ咲くとは しおらしや…

当月歌舞伎座で当代市川中車丈が熱演中の「ども又=傾城反魂香/けいせい はんごんこう」は、琵琶湖畔の土産物・大津絵がテーマになったお芝居です。
その大津絵の画題の一つが"藤娘”というキャラクターで、
昭和時代にⅥ尾上菊五郎が新演出で藤音頭入りの歌舞伎舞踊「藤娘」を再編し、人気曲に仕上げたのは有名なお話ですが、
そのはるか以前の、安政元年(1854=日米和親条約、締結さる)に落語でお馴染みの初代ではないほうの中村仲蔵が、
今回みなさまに唄って頂く「潮来」入りの趣向で上演して以来、
いたこ入りで踊る形態の藤娘もございます。しみじみして佳いものです。

ご参加下さった皆さまに、当日の教材の、特製「潮来/いたこ」杵徳譜の楽譜をプレゼントいたします。
定員は15名様で、予め前日の金曜日までに、
電話0334680330か、メールou.kinetoku@gmail.com
へ、ご予約をお願い致します。

とある古典芸能従事者の方が、体験レッスンをなさったとき、
メールでご予約があったので待っていたところ、いらっしゃらないので、ご連絡したら、
「予約はしたけれど行くとは言っていません」との、ご返事を頂いたとか。
なぞかけのような世の中になって参りました。

きっかけは軽い気持ちでありながらも、前向きなご参加をお待ちしております。
限られた時間でも、豊饒なひと時が皆さまにもたらされますように…
嬉しくお待ちしております。

【追伸】
同企画は7月15日(土)にもございます。
まったく同じ内容です。ご参加受付しております。
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明日の演奏会@吉祥寺

2023年06月03日 12時29分38秒 | お知らせ
新暦なれど6月2日の悪天候にて、昨日被災された皆さまに御見舞い申し上げます。

さて今日は旧暦四月十五日、夕暮れには美しい月も昇りましょうほどに、先ずは表題写真のご説明。
一年間双葉のままだった檸檬の実生がありまして、どうなるのかなぁ…と気にしておりましたところ、このほど目出度く脇芽が生えて参りました。
令和の一年寝太郎噺とでも申しましょうか、気長に暮らすと佳いことがあるものです。

ご案内が遅くなりましたが、明日4日(日)は、吉祥寺駅南口 徒歩2分の 武蔵野公会堂にて、
武蔵野邦楽連盟による、“邦楽 春の会”が開催されます。

開場は12時半、開演は13時。終演は16時の予定です。
古来よりの日本の伝統文化である長唄、箏曲、現代邦楽の演奏をお楽しみ頂けます。
入場は無料、お出入りは自由です。



ご来場をお待ちしております。
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さなぎの季節

2023年05月21日 10時14分32秒 | ベランダ実記
新年度からの公事、私事に紛れ、旧暦の三月尽(今年は新暦5月19日でした)も瞬く間に過ぎ、迚ても気に懸かっていることも出来ぬまま、
今春、最初の幼虫たち10匹君中、最後の一匹が今朝がた青虫になり、三日ほど前に前蛹化した最初の1ぴきが先ほど、無事サナギに脱皮しました。



朝9時頃↑



↑10時過ぎ。あっという間の早業です。

レモンの樹の枝でそのまま蛹化するのが、今季の傾向らしく、



↑今朝がた前蛹化したもう一匹。
いつもならモグモグと、一心不乱に蚕食する忙しない他の青虫も何となく姿が見えず、
陽射しは日中の暑さを予感させるものの、シーンとした檸檬の日曜日のAM風景でした。

新しい卵もそろそろ孵化しそうです。


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野辺は緑

2023年04月28日 03時04分14秒 | 折々の情景
この一週間は諸事につき、写真を撮る心のゆとりとてなかった。
越冬さなぎのほぼ総てが、透明な抜け殻となり、ベランダのそこかしこに残されている。
やっと環境整理ができる…と安堵に伴う若干の寂寥感が…しかし、責務を果たして空に同じく晴れ晴れとする。

昨年収穫したレモンの種から実生の苗が育って、少しずつ寸を伸ばしている葉っぱに、此方を食べられては大変…と、先週まで気をつけてハーブから精製された防虫剤を撒いていたのに、すっかり手薄になっていたところへ、今朝の発見。

早くもアゲハチョウのお母さんに新たな命を託された者としては…善処するしかあるまい。
孵化したらお隣の鉢の、大きい樹の葉っぱに移住させるとして、さてはて息をつく間も無く、再び生き物の動向に気をめぐらせる季節が到来したのだった。



出先の所用が済み、久し振りに日比谷公園を散策する。
チューリップの花弁が散った花壇で、巣立ったばかりの小雀たちが、ちょこちょこと何かしら啄んでいる。
♪スズメがね、お庭でちょこちょこかくれんぼ…と、幼い頃、母が童謡のレコードをかけてよく聴かせてくれた、眞理ヨシコの歌声が耳に浮かぶ。

かつては灌木で鬱蒼としていた園内は、虎ノ門に日参していた30年前とは随分雰囲気が変わって、下草が整備され、樹下には雑草然としたネモフィラなどの植栽がなされ、むしろ貧相である。
噴水広場の芝生に、かつては見事なバラ園があったはずだが…。
園庭の手入れの予算を減らしては文化国家とは言えまい。

平成ヒトケタ時代、調べものというよりは、日中の息抜きのため周辺のビジネスマンや学生で溢れかえっていた日比谷図書館も、日比谷図書文化館と名を変え、ひそやかに存在していた。
日常が人々の活気で溢れていたあの時代から、何がどう変わって現在の日本になってしまったのか…人も疎らな虎ノ門のバス停に佇み、私は考える。




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けさの昆虫

2023年04月20日 08時21分46秒 | 折々の情景
オードミュゲの爽やかな匂いに誘われ、羽化したばかりなのか、名も知らぬ蠅とおぼしき昆虫が一匹。
スズランには毒が有るらしいけれど、大丈夫でしょうか…
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通り雨

2023年04月16日 16時36分28秒 | 趣味です。
今朝方、一昨日羽化した蝶が悪天で雨宿り三日目の朝を、いのどんと共に迎え、出掛けに様子を伺えば、もう一頭が羽化し、
昼過ぎに戻ればもう蛻の殻と思いきや、新たにもう一匹が羽化しており、
昼下りの諸事を済ませてベランダを覗けば、また一羽がふらふらしている、

https://youtube.com/shorts/jq9-RYtDUdw?feature=share

https://youtube.com/shorts/W2YnEPzXOWU?feature=share

もう、今日は何頭見送ることになるのか…とよく分からなくなっているところで、レモンの葉陰から二頭を陽光のもとに見送ると午後三時を過ぎていた。

今日はもう羽化ラッシュもお仕舞いであろうと、いのどんのご機嫌を見やり、床のあちこちを確かめて戸締りしようとするところへ、バケツの蔭でバタバタする者がいる。

羽化したてで翅がへなへなしており、放っておけば歪んでしまう。
慌てて指を伸べて、網戸に留まらせると、何となく傾いでいる。

レモンの枝振りの水平にぶら下がるのに良さそうなところへ、移し替えた。
どうやら曲がらずに翅が伸びる場所に居られそうである。

陽射しを遮る暗雲で天気は一転し、バラバラと音を立てて雨が降ってきた。
先ほど旅立った連中はどうしていることか、
遅れて羽化したのが、逆に運がよい彼は、ひょっとすると昨秋最後の一匹だった青虫の成虫かもしれない。



【追記】
暮れ六つを過ぎて夕闇の中を透かし見たところ、レモンの葉に乗って、ウィンドサーフィンに興じておりました。遊びをせんとや、生まれけむ。


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つゆのひぬま

2023年04月14日 10時41分01秒 | ベランダ実記
 このところ一日の最低気温が10℃を超えているので、そろそろ本格的な昆虫たちの季節が到来したのでは…

 ♪気は早やモミジ…(長唄「越後獅子」の一節)ならぬ新緑の、気がせくので今朝も5時半に目が覚めてしまいました。



 下のほうから釣り鐘が姿を見せ…つまり、鈴蘭が徐々に花開いておりますのに目を止めると、なんと!
 葉先に朝露がこぼれていて、尚いっそう可憐。

  〽つゆのひぬまの スズランの…(改作…(;^ω^))
 文楽で以前はよく通しで上演していた生写朝顔日記の歌、そしてまた、上村松園画伯の深雪の絵を想い出しながら。



 写真だけは撮って纏める間もないまま、当家では昨日7番目の越冬サナギが巣立っていった模様。
 (すっきりした脱け殻が、ベランダに遺されておりました)
 今週の火曜日に三頭ほど羽化したのですが、一頭は何故か翅が伸びず羽化不全に。





 ロールスロイスの女神さまのように翅がたなびいております。
 レモンの花がようよう咲いたので、ポカリスエットよりは…と、蜜が吸えるか心配。






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そは誰人の子なるぞや…

2023年04月06日 09時09分35秒 | ベランダ実記
おはようございます。
昨日は清明でした。
今日が入学式の皆さまは、おめでとうございます。
昨晩早く寝てしまい、ふと、何とはなしの胸騒ぎに目が覚めました朝七時半。



スズランの花芽は雨後の筍のよう。
毎日どんどん伸びます。
ふと網戸側に目をやると、アゲハチョウが強風にあおられハタハタしておりました。
こは、如何に…Σ(・ω・ノ)ノ



把握しております十数匹の越冬サナギの所在を確かめますと、皆スヤスヤと春眠中。
さては、どこかで密かに蛹になって、この春、いち早く無事羽化したか…と思うと感慨深いものです。

ちょこちょこ歩むうしろ紐
♪さても優しき童べと 顔しけじけと打ち眺め

♪そは、たれびとの子なるぞや…

…切禿(きりかむろ:長唄に二種類ある『土蜘/つちぐも』のもう一つの方の曲)の一節。

♪月の澄む 軒端にかかる ササガニの…

本日は、旧暦令和五年、閏の二月十六日。
夕暮れて望月が出るとかや。

風雲急を告げる春の嵐の到来か、薄曇りの朝陽のなかで旅立つ健気な蝶が一匹。
皆さま、今日もお気をつけてお過ごしくださいませ。
檸檬の花も咲きそうです。



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5年目の快哉

2023年04月04日 10時32分02秒 | ベランダ実記
令和婚を祝すために探していた鈴蘭の鉢植えの運命を、密かに案じて下さった方はいらっしゃいますでしょうか、

↓昨年度末、3月29日(水)のスズラン近影。



今年の新芽は何やら恰幅がよいなぁ…と思っておりましたら、
三日見ぬ間の四月馬鹿の朝、おや、随分瑞々しく育った…と、写真を撮る間も無く過ごして、昨日4月3日(月)近影↓



今年もノボタケで元気に育ちそうだなぁ…と嬉しく思っておりましたが、お水遣りの今朝……‼️
何と、花芽らしきものが顔を覗かせておりますょ(*>∀<*)

5年目の奇跡でしょうか、
よく育ったものであります。
無事に花開きますように…

【追伸】
今季の越冬サナギはお寝坊さんです。
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あなたに、似た人

2023年03月26日 23時11分58秒 | お知らせ
 早や、…あれは三年前♪ のこととなりましたが、
こちらのブログでもご紹介以来(20/09/27付)、思い掛けなくたくさんの方々にご観覧たまわりました、
【アートにエールを!東京プロジェクト】動画の専用サイト(https://cheerforart.jp/)が、
今年度末、3月31日をもって閉鎖されることとなりました。

 申請から制作まで短期間のことで、撮影や演奏の至らぬことなど見返すたび…汗顔の至りでしたが、
横山實先生の素晴らしいコレクションをじっくり眺めさせていただける嬉しい機会ともなり、
映像の断片を一曲にまとめ上げて素敵に編集して下さった、鈴木翔媛くんにも深く感謝する次第です。
 ご覧になって下さった皆さまにも、厚く御礼申し上げます。
 ありがとうございます。

 さて、実は“長唄絵合せ/リモート編『風流船揃』”の画像の中に、私は、懐かしいお顔をお見掛けしておりました。
 渓斎英泉「両国橋夕照」の、屋形船にて祇園守(ぎおんまもり)の紋覗きの扇子を、鷹揚と広げた、おじさま。

https://cheerforart.jp/detail/6833

 口角を少し下に捻じ曲げた皮肉な感じの表情をつくったお顔立ちが、役者絵でよく見かける四代目・中村歌右衛門によく似ています。
 祇園守も成駒屋のトレードマークですし、これは……!!
 絵の中に、当時の人気役者の似顔絵を仕込んだのか、本人ではなく、物真似をする芸人の設定で描いたのか、
 いずれにせよ、絵師・英泉の洒落ごころの所産に違いはないと思われて、二人の接点を生存年から探ってみました。

 四世歌右衛門:寛政十(1798)年~嘉永五(1852)年
 渓斎英泉  :寛政三(1791)年~嘉永元(1848)年
 ほぼ同時代に生きたお二方。
 何らかの交流があったことは間違いないのでは…と、公開直後の2020年秋、英泉の伝記などを入手し、歌舞伎年代記などとも閲し比較研究してみよう…と思っていたのですが、思ったままで……時は流れた~♪

 ご興味、また、お時間がありましたら、ご確認くださいませ。
 舟揃い、二上りの7分30秒あたりから、成駒屋かも? のイケオジ様アップは8分20秒あたりにございます。

 はるか時を超えて、絵のなかの、“あなたに似た人”に、めぐり合えた嬉しさに。


 (気になりながら伺えぬまま会期が本日、終了してしまった太田記念美術館「広重おじさん図譜」展のオジコレ投票結果も気になりますが…)

写真の説明:もう20年以前、横山實先生のコレクション展が高輪プリンスホテルで開催されました折のスナップ。
      伊東深水の、六世中村歌右衛門as京鹿子娘道成寺・白拍子花子と一緒に撮影して下さいました。

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キッズ伝統芸能体験 発表会のお知らせ

2023年03月21日 23時00分00秒 | お知らせ
 年々、お年とともに気が早くなる染井吉野どのは、なんと今年は新暦の浅野内匠頭の祥月命日に咲いてしまった。

   風誘う 花よりもなほ 我はまた 
     春の名残りを如何にとやせん…

 辞世の句、そして田村右京太夫のお庭先、桜の花びらがはらはらと…忠臣蔵の時代劇映画での人口に膾炙した1シーン。
 旧暦では如月の二十三夜で、西行法師には廻り合わせがいま一つの令和5年でありました。

 …なんてことを想い乍ら、このところの日曜日はアーツカウンシル東京主催の、キッズ伝統芸能体験 東村山クラスに伺っておりました。

 昨年11月から、小学2年生から6年生までの受講生の皆さんが一生懸命、はじめての三味線にチャレンジして、ついにいよいよ、来週は発表会です。
 コロナ禍も一段落して、今年度は広く一般の皆さまもご観覧できる運びとなりました。

 3月29日水曜日 長唄の部 夕刻午後5時開場 5時半開演
 三宅坂:国立劇場大劇場にて
 23日まで以下のサイトから、どなたでもお申込みいただけますので、ぜひ、子どもたちの熱演の場にお越しくださいませ。

https://www.geidankyo.or.jp/kids-dento/post/news/2022_kanranboshu/

 長年親しんで参りました国立劇場も建て替えで、本年秋にいったん閉場となります。 
 思い起こせば、私が歌舞伎の仮名手本忠臣蔵の通し狂言を初めて観たのは、昭和61年、国立劇場が開場二十周年の記念興行でした。あれから随分いろいろなことがあって…
 国立劇場の前庭の桜も、今年が限り。
 春の名残りをいかにとやせん…

 教室帰りに、花小金井から武蔵小金井、多磨霊園と、鉄道とバスを乗り継ぎ、桜狩の旅に。
 公園の桜はまだ二、三分咲き、是政橋を渡ると、彼方に空色の流れのリボンが見えて、多摩川の土手の桜もまだまだ、先がたのしみなお彼岸でした。













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檸檬樹の下にて

2023年03月08日 23時23分29秒 | 折々の情景










 二月も末から、日中は20℃を超える日があったりして、思い思いの場所で越冬しているサナギたちの動向が気懸りで、植木の手入れをするつもりで枯葉を捥いでいる手がうっかり羽化した蝶の翅を摘まんでしまった夢を見た。











 こう気候がよいと木の芽も莟も…蛹虫だって気が早い。
 檸檬の摘果をどうしたものか迷っていたところ、ビアブランカ種の枝に新芽が出てきた。
 一方のユーレカ種には新芽がない。実を為す重労働に腐心する余り、新葉を育む余力がない為かもしれない。



 令和5年が明けて怒濤の如き2箇月が往き…明日本番の演奏会が過ぎればもうあと一つ。
 とても気になっていた、昨シーズンのレモンの種から芽吹いて、寄せ植えになっていたままの苗を、一鉢ごとに独立させん…と植え替えたついでに、令和4年度産の檸檬を収穫することにした。



 如月の望月が西の地平に沈んだ朝、ワームムーンの月の色を宿したレモンたちを思い切りよく。
 昨年は4つほどだったのが今年は8つ穫れました。
 ありがとう。



 S町の悉皆屋さんへ手入れものを届ける道すがら、今年初めての黄蝶に出逢った。
 羽化してほどなくだったのか、いつにも増してふらふらフワフワとアスファルトの横丁を漂っていった。

【見出しの写真】
レモンの大きさ比較の為に本を、と、傍らに偶々出ていた円地文子編・作品社刊『日本の名随筆6 庭』を置く…いや待て、文庫本でなくては分かりづらいでしょう、で、
和井内会のメンバー松坂健さん著・盛林堂ミステリアス文庫『海外ミステリ作家スケッチノート』。
2冊だけだと寂しいので、いち早く求めた甲斐荘楠音(かいのしょう・ただおと)の展覧会の図録を加えて。京都国立近代美術館で現在、開催されていて、東京にも巡回するらしいのだけれど、待ちかねて。
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居待ち

2023年02月09日 07時25分20秒 | 折々の情景
枝ばかりの木立に吹く風も、春の気配を見せて嬉しい、このところの空の色。
西に昨晩からの居待ち月が、顔を残しておりました。
旧暦睦月十八日の月が地平に傾きつつある、立春を過ぎた木曜日の朝。
おはようございます。
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さらば、寅歳。

2023年01月21日 23時55分20秒 | 稽古の横道
 武蔵野邦楽合奏団主催の「浮世絵とたのしむ和の音色・舞踊」公演は、大盛況のうちにお開きとなりました。
 ご来場くださった皆さま、舞台を支えて下さった皆さま、お気にかけて下さった皆さま、総ての方々、廻りあわせの森羅万象に感謝しつつ、まだ残る諸事を顧みつつ…一先ず御礼申し上げます。

 嬉しい余韻をいだきつつ、週明けに三味線体験授業へ赴きますれば、またうれしいめぐり合わせが。
 コロナ禍の影響もありましょうか、知らない人が居ると教室へ入ってこられない生徒さんが、廊下で私どもの授業の様子をうかがっているうちに、いつの間にか教室へ入ってきて、一緒に三味線を弾いていたり、
 聴覚過敏で、日頃はヘッドフォンをつけている生徒さんが、何も着けずに三味線にチャレンジして、我らが家元・杵屋徳衛の、長唄の唄い方、演奏の仕方で奏でた「さくらさくら」に目を輝かせて、すごい! と絶賛下さったり、

 悲しく暗いニュースに覆われた西暦2023年頭の日本国を思うたび胸が痛みますけれども、…ぁぁ、人生はそう悪いことばかりでもなかったなぁ、と、初春らしい清やかな風の匂いに、新たな年の到来を感じます。

 寅年に生まれた徳川家康が遺した「御遺状百箇条/ごゆいじょうひゃっかじょう」に、

  謡歌音曲は羽林の所業にあらざれども
  時として鬱情をのべ 太平を賀するの和楽なり
  年月序節に及んで また 廃すべからざる事

 という一文があるそうな。

 文化・芸術が人間に与えたもう効能を、ゆめゆめお忘れめさるな、かたがたよ。

 さて、今日は旧暦の令和四年十二月卅日。
 本当の本当に、大晦日です。

 次の寅年に、また廻り逢えるか分かりませんが、(12年は短いようで長いようで…)今度会ったらまたよろしくね。
 おやすみなさいませ。

 明ければ〝癸卯/みずのとう″の歳です。



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九代目團十郎の一軸

2023年01月12日 22時22分01秒 | 美しきもの
 いよいよ開催まで二日となりました、“浮世絵とたのしむ和の音色・舞踊”鑑賞会。

 今回は浮世絵のほかに、横山先生が、このたびの十三代目市川團十郎の襲名を記念しまして、大変めずらしい、市川三升(十代目團十郎)・賛、鳥居忠雅・画の、九代目團十郎の掛け軸を出展して下さいます。

 まさかり髷、柿色に三升定紋の裃に黒紋付という、瑞々しい色彩も美しい、成田屋の正装の出立ちで、舞台挨拶の絵姿。

 第二次世界大戦後間もない、1951(昭和26)年の夏に制作されました、謎の一軸。
 浮世絵探偵・横山先生の緻密な捜査・研究の末、導き出されました浮世絵の謎解き、ぜひ皆さま、ご自身の目でお確かめくださいませ。

 ご来場お待ちしております。
 
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