日曜の朝にちらと園芸番組をのぞいてみたら、どうやら百日草の特集のようなのだけれど、主役の名前が私の知ってるのと違う。
カタカナ三文字ぐらいの聴いたことのない名称なので、もう忘れてしまったが、日本語イコール漢字表記の名称があるものはできればそれで表現したほうが、一目瞭然で簡潔ではなかろうか。
表音文字である、カタカナや、アルファベット系の言語は、一目で物事の意味と全体像を把握できる漢字に劣るところがある、と私は常々思っている。私のように深く物事を考えず直感で生きている人間には、命綱とも思えるツールなのである。
そのような、極々優秀で奇特な表記方法を編み出した日本語というツールを持っているのに、もったいない。
…と思っている人間の数が多分、2020年頃には逆転して少数派になっているのだろう…と実感する今日この頃。
5月の第二週に、スズランの花を探して、私は近隣の花屋を5軒回った。
五月一日に鈴蘭の花をプレゼントされた人は、幸せになれる…という西洋の言い伝えを想い出し、令和婚をしたお弟子さんにプレゼントしたかったからだが、
…いや、実はもっと前に、出立する列車の時間調整のために売店をひやかしていた東京駅構内の花屋さんで、スズランの生花のかわいらしい花束を見つけて…ぉぉ!なんて美しくかわゆくめずらしい…!!五月生れのмさんに贈ってあげたいものである、毎年私の誕生日に唯一人贈り物してくださる律義な優しいお心遣りに応えられるものをいまだ見つけられないのだけれども、
これはそんなささやかな我が感謝の気持ちを託すにぴったりのものではなかろうか…と思いながらも、これから旅立つ身としてはかなわず…という残念な思いをしたことがあったので、スズランの花の時季に時機の見極めをしていたのだが、
どういうわけだか、それ以来、スズランの生花の花束を商っている花屋に巡り会えたことがなかった。
吉祥寺の西側の駅ビル入り口にあった花屋さんは、この春閉店してしまっていた。
量販のチェーン展開をしている花屋さんには置いてなさそうだし、比較的珍しいものを置いている水泳教室の隣の花屋さんを一軒目として、商店街の老舗などを尋ね歩き…
…やっぱりもうないかなぁ、スズランといえば可憐さでもって初夏を彩るリリカルな花の代表格で、昭和のある時期には♪金銀パールプレゼント…という、万民が知っている(はず)のコマーシャルソングでもって、スズランの香り…という高貴で清廉な雰囲気からしても当時の時代の志向を感じさせる、国民的洗剤メーカーの宣伝があったのだ。
(そして昭和のお昼時は、奥様劇場などという、ソープオペラの全盛でした。)
そしてまたスズランを冠する場所、スズラン通りと言ったら、どこの都市の目抜き通りの商店街にもあって、本の街・神田の神保町にも、そのむかし、東京堂書店、銭形平次最中、スーパー富士屋やスヰートポーヅ屋さんで忘れ得ぬ、有名なスズラン通りがあったし(街灯の柱がスズランのモチーフでしゃれていたのだ)、すずらんといやぁ…あーた……
オーマイケセィラセラ、という萩尾望都のしゃれたラブコメもあったのだ。
そういえば…フラワーアレンジメントをしている旧友が、あそこの花屋さんは近在では一番種類が豊富でお手頃価格であると、スーパーマーケットのSの花屋さんを推奨していた。
なんと! 蛇の道は蛇、餅は餅屋、あったんですょ、スズランの鉢植えが。
実は、その花屋さんを訪ったとき、もう鈴蘭を見つけることは半ばあきらめていて、スズランの付いた何かをプレゼントしようと(フローリスのシリーズにリリーオブザバレーという天花粉やらボディーソープがあったはずなんだけど…と思い立ってさらにお店を放浪する羽目になるのだったが…私の脳内の商品群の基本情報はすでに10年がとこ古い)、作戦変更に舵を切りつつあったときだったのですが……
同じ白い花でももう店頭で咲き初めていた、くちなしの花の匂いにうっとりとして、一鉢500円という値段にも気をよくして、レジに持って行ったついでに(そもそもが何を探して花屋さんをハシゴして歩いたのかがもはや謎の購買状況になっておりますが)、お店の方に、スズランてもうありませんよね、遅いのかなぁ…と伺ってみたところが、
「あるけどさー、もう終わっちゃったのよ、この間まで咲いてたんだけどねー……」
と、お店の蔭に隠すように置いてあった数個の鉢を指したのである。
…あった!! しかしもう確かに可憐な花はしぼんで立ち枯れて、商品としては店先に出せない態であった。
「持ってく? 二つで500円でいいけど」
これを育てれば、来年、見頃の花を逃がさずプレゼントできるかもしれない…という後付けの言い訳にもなるけれど、行き掛かり上、2つのすずらんの鉢主になった私は、そんなわけで、今朝、スズランの植え替えをした。
写真だけは撮ってあっても、まだまとめられない風葉記シリーズに心が向いて気がせくのだが、戦のあと…という風情のレモン樹に、飛べない揚羽蝶をとまらせて、ウィンドサーフィンをさせながら、蝶によろこぶ母に手伝わせながら、せわしなくも、植木の世話という作業に、ひと時の心の安らぎを覚えながら。
【追記の追記 2021年12月31日】
記事中、「金銀パール、プレゼント」CМ、私の記憶の中ではニュービーズだったのですが、半世紀の時を経て、この度それが記憶違いと気づきました。遡ること今月7日、密かに贔屓にしている芸人さん・寒空はだか師匠のライブでの出来事。
吉祥寺はスターパインズカフェで、ジントニックを傾けながら開演を待っていたその場内音楽(客入れ)は、小林亜星CМ作品集。
流れてきた、聞き覚えのあるメロディ。商品名はブルーダイヤでした。
〽スズランの香り…は花王のニュービーズで違いないと思うのですが…。
ご記憶の皆さま、ご教示を賜れますれば幸甚なり。
ライオンか花王か、それが問題だ。
【追記】
今日までに羽化した12頭目が羽化不全とやらで、左右の翅がいびつで飛べずにおりました。
不憫なのでガムシロップを薄めたものを吸わせたりして、そのままベランダに棲まわせております。
指を差し出すと、脚萎えで素早くは動けませんが、とまるので、
それから生まれ育ったレモンの木にとまらせると、風が気持ちよいのか翅をはばたかせたりしております。
その答えは、風だけさ……替え歌、♪風が吹いてるだけさー、だったり、
♪ただ風が吹いてたー、だったり。
やはり蝶は、風に吹かれるのが好きな様子。
20匹あまりの青虫に喰い尽くされ、しまいには尺取虫までいたりして、
こちらも不憫なレモン樹でしたが、戦い済んで日が暮れて…新芽若葉が芽生えてきました。
静かになった枝の、鳥除けの網の向こうに、ささがにの蜘蛛が営み。
網目は2.5センチ四方なので、とても小さいクモの赤ちゃんです。
カタカナ三文字ぐらいの聴いたことのない名称なので、もう忘れてしまったが、日本語イコール漢字表記の名称があるものはできればそれで表現したほうが、一目瞭然で簡潔ではなかろうか。
表音文字である、カタカナや、アルファベット系の言語は、一目で物事の意味と全体像を把握できる漢字に劣るところがある、と私は常々思っている。私のように深く物事を考えず直感で生きている人間には、命綱とも思えるツールなのである。
そのような、極々優秀で奇特な表記方法を編み出した日本語というツールを持っているのに、もったいない。
…と思っている人間の数が多分、2020年頃には逆転して少数派になっているのだろう…と実感する今日この頃。
5月の第二週に、スズランの花を探して、私は近隣の花屋を5軒回った。
五月一日に鈴蘭の花をプレゼントされた人は、幸せになれる…という西洋の言い伝えを想い出し、令和婚をしたお弟子さんにプレゼントしたかったからだが、
…いや、実はもっと前に、出立する列車の時間調整のために売店をひやかしていた東京駅構内の花屋さんで、スズランの生花のかわいらしい花束を見つけて…ぉぉ!なんて美しくかわゆくめずらしい…!!五月生れのмさんに贈ってあげたいものである、毎年私の誕生日に唯一人贈り物してくださる律義な優しいお心遣りに応えられるものをいまだ見つけられないのだけれども、
これはそんなささやかな我が感謝の気持ちを託すにぴったりのものではなかろうか…と思いながらも、これから旅立つ身としてはかなわず…という残念な思いをしたことがあったので、スズランの花の時季に時機の見極めをしていたのだが、
どういうわけだか、それ以来、スズランの生花の花束を商っている花屋に巡り会えたことがなかった。
吉祥寺の西側の駅ビル入り口にあった花屋さんは、この春閉店してしまっていた。
量販のチェーン展開をしている花屋さんには置いてなさそうだし、比較的珍しいものを置いている水泳教室の隣の花屋さんを一軒目として、商店街の老舗などを尋ね歩き…
…やっぱりもうないかなぁ、スズランといえば可憐さでもって初夏を彩るリリカルな花の代表格で、昭和のある時期には♪金銀パールプレゼント…という、万民が知っている(はず)のコマーシャルソングでもって、スズランの香り…という高貴で清廉な雰囲気からしても当時の時代の志向を感じさせる、国民的洗剤メーカーの宣伝があったのだ。
(そして昭和のお昼時は、奥様劇場などという、ソープオペラの全盛でした。)
そしてまたスズランを冠する場所、スズラン通りと言ったら、どこの都市の目抜き通りの商店街にもあって、本の街・神田の神保町にも、そのむかし、東京堂書店、銭形平次最中、スーパー富士屋やスヰートポーヅ屋さんで忘れ得ぬ、有名なスズラン通りがあったし(街灯の柱がスズランのモチーフでしゃれていたのだ)、すずらんといやぁ…あーた……
オーマイケセィラセラ、という萩尾望都のしゃれたラブコメもあったのだ。
そういえば…フラワーアレンジメントをしている旧友が、あそこの花屋さんは近在では一番種類が豊富でお手頃価格であると、スーパーマーケットのSの花屋さんを推奨していた。
なんと! 蛇の道は蛇、餅は餅屋、あったんですょ、スズランの鉢植えが。
実は、その花屋さんを訪ったとき、もう鈴蘭を見つけることは半ばあきらめていて、スズランの付いた何かをプレゼントしようと(フローリスのシリーズにリリーオブザバレーという天花粉やらボディーソープがあったはずなんだけど…と思い立ってさらにお店を放浪する羽目になるのだったが…私の脳内の商品群の基本情報はすでに10年がとこ古い)、作戦変更に舵を切りつつあったときだったのですが……
同じ白い花でももう店頭で咲き初めていた、くちなしの花の匂いにうっとりとして、一鉢500円という値段にも気をよくして、レジに持って行ったついでに(そもそもが何を探して花屋さんをハシゴして歩いたのかがもはや謎の購買状況になっておりますが)、お店の方に、スズランてもうありませんよね、遅いのかなぁ…と伺ってみたところが、
「あるけどさー、もう終わっちゃったのよ、この間まで咲いてたんだけどねー……」
と、お店の蔭に隠すように置いてあった数個の鉢を指したのである。
…あった!! しかしもう確かに可憐な花はしぼんで立ち枯れて、商品としては店先に出せない態であった。
「持ってく? 二つで500円でいいけど」
これを育てれば、来年、見頃の花を逃がさずプレゼントできるかもしれない…という後付けの言い訳にもなるけれど、行き掛かり上、2つのすずらんの鉢主になった私は、そんなわけで、今朝、スズランの植え替えをした。
写真だけは撮ってあっても、まだまとめられない風葉記シリーズに心が向いて気がせくのだが、戦のあと…という風情のレモン樹に、飛べない揚羽蝶をとまらせて、ウィンドサーフィンをさせながら、蝶によろこぶ母に手伝わせながら、せわしなくも、植木の世話という作業に、ひと時の心の安らぎを覚えながら。
【追記の追記 2021年12月31日】
記事中、「金銀パール、プレゼント」CМ、私の記憶の中ではニュービーズだったのですが、半世紀の時を経て、この度それが記憶違いと気づきました。遡ること今月7日、密かに贔屓にしている芸人さん・寒空はだか師匠のライブでの出来事。
吉祥寺はスターパインズカフェで、ジントニックを傾けながら開演を待っていたその場内音楽(客入れ)は、小林亜星CМ作品集。
流れてきた、聞き覚えのあるメロディ。商品名はブルーダイヤでした。
〽スズランの香り…は花王のニュービーズで違いないと思うのですが…。
ご記憶の皆さま、ご教示を賜れますれば幸甚なり。
ライオンか花王か、それが問題だ。
【追記】
今日までに羽化した12頭目が羽化不全とやらで、左右の翅がいびつで飛べずにおりました。
不憫なのでガムシロップを薄めたものを吸わせたりして、そのままベランダに棲まわせております。
指を差し出すと、脚萎えで素早くは動けませんが、とまるので、
それから生まれ育ったレモンの木にとまらせると、風が気持ちよいのか翅をはばたかせたりしております。
その答えは、風だけさ……替え歌、♪風が吹いてるだけさー、だったり、
♪ただ風が吹いてたー、だったり。
やはり蝶は、風に吹かれるのが好きな様子。
20匹あまりの青虫に喰い尽くされ、しまいには尺取虫までいたりして、
こちらも不憫なレモン樹でしたが、戦い済んで日が暮れて…新芽若葉が芽生えてきました。
静かになった枝の、鳥除けの網の向こうに、ささがにの蜘蛛が営み。
網目は2.5センチ四方なので、とても小さいクモの赤ちゃんです。