長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

魁(さきがけ)

2012年02月02日 22時22分02秒 | お稽古
 百花に先駆けて、梅は寒中につぼみをほころばせる。
 それがため、梅は「花の兄」と呼ばれる。
 
 そして世を謳歌して咲き誇った花々が、散っていったそのあとに、菊は花開く。
 ゆえに、菊は「花の弟」といわれる。

 長唄に「君が代松竹梅」という佳曲がある。
 梅をうたった曲というと、まず長唄では「梅の栄」という名曲が挙げられるが、私は「君が代松竹梅」の梅尽くしの箇所が、特に好きである。
 はつ春らしい、しら梅のかぐわしい、匂うが如き清々しさに満ちている。

 同曲の結びの段の詞章を引く。
 ♪…千歳(ちとせ)の松の色変えぬ、実(げ)にまた梅は花の兄、
   南枝(なんし)はじめて開きそめ、薫りは世々に呉竹の……

 たとえ何があっても信義を変えぬ、確固たるものにワタシハナリタイ…と思う。
 
コメント
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