長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

八犬伝ふたたび

2018年06月21日 12時21分00秒 | お知らせ
 和暦が採用されてより幾たび目の戌年であるのでしょう。
 めぐりくる12年は短いようで、さて、先の戌年にはお目にかかれたのに、今年はもう二度と再び会えなくなってしまった人々の面影…時という不思議な、手に取りながらとどめることの出来ない、落ちて流れゆく砂のようなものに、ふと想いを馳せるひとときは、時間の流砂から逃れて洞穴に身を潜める心地こそすれ、それも一時。

 新しい年も半年を過ぎると干支関連企画は次年度のものに移りますが、愛犬家の皆さま、お待ちくださいませ。
 わんわんloveでない方も、お待ちあれ。
 まだ平成卅年は半分残っております。しかも平成と名のつく6月は、今月が最後。

 そんな平成30年最後の6月、最後の日曜日、24日に、我らが家元・杵屋徳衛のライブがございます。
 ワールドはワールドでも、とくえワールドでぇす。

 ロシアではなく、日本国は武蔵の国、東京都の北西部、武蔵野市。
 駅にいたしますればJR中央・総武線の三鷹駅下車、北口徒歩4分。
 和藝空間・六瓢庵、午後2時開演。とくえワールド2です。
 木戸銭は2200円となっております。

 こたびの目玉は、犬をテーマにした番組が二つ!!
 一つは『吉祥天女伝説』で、平成初年に舞踊劇のために書き下ろされた徳衛の創作曲です。
 今回は素での演奏になります。
 妖魔に襲われ、人身御供を強要された吉祥寺村の村民の危機を、早太郎という番犬が救うという、日本昔話テイストのストーリーですが、曲中、白羽の矢が立ち、鎮守の社まで櫃を運ぶ♪つづら折れなる~という辺りは、ラテン調でビートが効いたカッコイイテーマで、新作ならではの聞きごたえがあります。

 そして、もう一つは、皆様おなじみ八犬伝のうち、義実別れの段。父子の別れを楠公になぞらえた、明治時代の古典作品です。
 長唄で八犬伝と言えば、義太夫味にあふれたこの曲。お聞き逃しなきよう。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。
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唄稽古は菖蒲浴衣。

2018年06月13日 09時02分50秒 | お知らせ
 「…又五郎が落ち着く先は、きゅうしゅうさがら、九州相良…」
 と、表題を書いておりましたら、先ごろ逝去された竹本住大夫お師匠様のお声が頭の中を経廻りました。
 昭和のある時期から平成のつい昨年ぐらいまで、人形浄瑠璃文楽界では、“たゆう”という敬称・芸名に使用される漢字表記には別があって、固有名詞は「○○大夫」、普通名詞は「太夫」と書き分けがなされておりました。
 
 イギリス演劇界におけるシェークスピア物のタイトルの読み方・発音の違わせ方と、共通した感覚かと思います。
 
 早や卯月晦日となりました。

 母のリクエストに従い、雪中のタケノコ掘りならぬ、雨中の書取り帳を求めて書店をハシゴ…などという非日常の一方で、今週末は成城ホールにて世田谷区民文化祭がございます。

 ご案内を…と思いながら、演奏会のことは他のご出演社中の皆さまにお任せしまして(スミマセン…)、今週末の土曜日16日夕刻5時より下北沢稽古場にて、ご恒例、いずれもさまもご参加いただけます、毎月第3土曜日17時から月一回の杵徳家元唄稽古がございます。

 このシリーズは、三味線ではなく長唄の“うた”を月一回、稽古を重ねまして、長唄という音曲に親しんでいただくためのプロジェクトで、曲ごとに参加メンバーを募っております。

 今回はかの有名な「菖蒲浴衣」でございます。
 何というジャストなシーズン…!!!
 皆さまぜひ、この一年に一度しかない6月という季節に(しかも明日から旧暦五月!)お稽古はじめをなさってくださいませ。(詳しくはお問合せいただきたく、お願い申し上げます)
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
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