長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

レモンの国 国勢調査

2024年05月25日 23時20分31秒 | 趣味です。
自らの寸法に合う貝殻から貝殻へ宿を替わるヤドカリの如く、枝ぶりの大きい葉もよく繁ったレモンの木に転宅したミドリちゃんは…



三日も経つと、かくも見事に育っておりました。
本人の名誉のために…上記の写真は食後すぐの状態で、普段はもう少しシュッとしていたのです。



気持ちの良い風が吹いた木曜日の夜、姿が見えなくなったのでサナギになるため旅立ったと知りました。
よく育った青虫が行方をくらますと、理由が分かっていながら何となく寂しいもので、翌朝キョロキョロと周りを探すでもなく見まわしておりましたところ、ひょいと覗いた植木鉢置きテーブル天板の真下に…



前蛹化しておりました。再び一安心。
早いもので、二日後の今朝見たら、もう蛹に脱皮しておりました。



ベランダの模様替えをして、レモンの鉢それぞれがよく見えるようになったのですが、幼虫たちが葉陰に生息している様子を漠然と捉えているのも、個数を数えるたび違っていたり、何やらモヤモヤします。そこで…



レモンの国・国勢調査を挙行。
一番最初にレモンの国にやってきて、毎年豊かな実りをもたらしてくれたユーレカ種の一鉢をユーレカ本荘といたしまして、鉢毎に住民の状況を記入してみました。

1.ユーレカ本荘…青虫2,ゼブラ柄幼虫3
2.第一ビアフランカ荘…青虫3びき
3.第二ビアフランカ荘…青い実1,ゼブラ2ひき
4.ヴィラゆりかご…青虫1ぴき
5.マイヤー荘1.0…無人(退去してサナギへ)
6.マイヤー荘2.0…青虫1,ゼブラ1
7.ラフマイヤー南荘…青い実4,青虫2,ゼブラ1
8.ラフマイヤー北荘…ゼブラ1ぴき
9.ユーレカ別荘…無人
10.リスボン荘…ゼブラ2ひき
11.新ユーレカ荘…青虫3プラス1(調査中に脱皮し終齢幼虫へ),ゼブラ2

番号は当家にやって来た順。
番号で呼ぶのも味気なく、昔の歌舞伎座の座席番号に倣って「いろは…」と付けようかとも思いましたが、レモンの品種名をおうちに見立ててこのように。
ゆりかご荘はユーレカ本荘からの実生で派生した鉢でいくつかあるのですが、今回は住居者のあるもののみ計上。



写真は火曜日の夕方、ラフマイヤー南荘で繰り広げられた、終齢幼虫へ脱皮した嬉しさに蠢くアオムシくんの、道成寺の花子が山尽くし♪稲荷山~でのけぞる姿態か、はたまたエイリアンか…という衝撃の一瞬。



こちらは、ゆりかご荘から新ユーレカ荘に自発的に引っ越してきた三つ子の青虫。

…そんなわけで、2024年シーズン5月25日レモンの国国勢調査は、
青い実:5つ
青虫:13
ちびちゃん:12
サナギ:一体

という結果に。
酔狂にお付合い下さり有難うございます…(。-人-。)

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転宅

2024年05月19日 02時02分03秒 | 趣味です。
いつものことだが諸事情あって…ベランダの模様替えの必要に迫られた。
レモンの鉢の向きを換えたら、美しい可愛い蛾が。
拡げた翅にピースマークに似た笑顔があって、気持ちがほぐれた。

黄色いので毒蛾かも…と調べてみたら、シャクガの一種らしいことが判明。
…そういえば、レモンの枝に時々尺取り虫が生息していたらしいことは気が付いていた。
駆除から逃れて無事成虫になれたお祝いにもう一枚。



浮世絵の柱絵を意識したトリミングになっております( =^ω^)
さて、先日の風の強い日に終齢幼虫へと目出度く脱皮したアゲハチョウの幼虫が居たのだが、翌日、行くがた知れずになっていた。

自然の厳しさ無常さに些か意気消沈していたのだが、我が檸檬林には二番目の青虫くん候補が次に控えていた。
順序立ててご報告いたしますれば、
遡ること10日ほど前の5月7日。


そして5月11日撮影。


5月13日には随分大きくなって…


翌5月14日。


5月15日 少し体長が縮んでじっとしているので、そろそろ脱皮かも…


5月16日早朝は白地がますます緑色になって…


同日、終齢幼虫に脱皮。


新生アオムシくんは、自らの脱殻もキチンと完食致します。


さて、次なる観察者の役割は、彼に食事環境を提供することでありました。
彼が只今の棲み処は、実生のレモン3年目の苗木なのです。
アゲハチョウのお母さんは葉を見て木を見ない性癖なのか、当方のベランダにある七つ(年齢ではなく個数)ほどの実生のレモン小鉢は、毎年アゲハチョウの揺籃となっておりました。それがため小体なまま中々丈が伸びないのが不憫ではあるのですが、卵を産み付けやすいのかご用命が多く、揚羽蝶のお母さん方からは絶大な支持を得ているのでした。

昨シーズンまでレモンも幼虫も共倒れにならぬうち、ある程度まで育ったら、割箸を幼虫の体に添って掬うように挟み、本人が気が付かないうちにパッと大きいレモン樹へ引っ越しさせていたのですが、迚も気を使う微細な手際を要求される作業で、気疲れがしてしまうので、今夏は方針転換して、


レモンの小鉢を大鉢の根方に、枝が交差してかかるように配置し、本人の自由意思に任せました。


しめしめ、上手く移動してくれたようです。


翌日はまたとても風の強い日で、またまた青虫が見当たらなくなり、心配していたのですが…


18日の今日、葉陰で寛いでいる姿を見付けました。
どうやら新居は居心地がよさそうです。ひと安心。


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通り雨

2023年04月16日 16時36分28秒 | 趣味です。
今朝方、一昨日羽化した蝶が悪天で雨宿り三日目の朝を、いのどんと共に迎え、出掛けに様子を伺えば、もう一頭が羽化し、
昼過ぎに戻ればもう蛻の殻と思いきや、新たにもう一匹が羽化しており、
昼下りの諸事を済ませてベランダを覗けば、また一羽がふらふらしている、

https://youtube.com/shorts/jq9-RYtDUdw?feature=share

https://youtube.com/shorts/W2YnEPzXOWU?feature=share

もう、今日は何頭見送ることになるのか…とよく分からなくなっているところで、レモンの葉陰から二頭を陽光のもとに見送ると午後三時を過ぎていた。

今日はもう羽化ラッシュもお仕舞いであろうと、いのどんのご機嫌を見やり、床のあちこちを確かめて戸締りしようとするところへ、バケツの蔭でバタバタする者がいる。

羽化したてで翅がへなへなしており、放っておけば歪んでしまう。
慌てて指を伸べて、網戸に留まらせると、何となく傾いでいる。

レモンの枝振りの水平にぶら下がるのに良さそうなところへ、移し替えた。
どうやら曲がらずに翅が伸びる場所に居られそうである。

陽射しを遮る暗雲で天気は一転し、バラバラと音を立てて雨が降ってきた。
先ほど旅立った連中はどうしていることか、
遅れて羽化したのが、逆に運がよい彼は、ひょっとすると昨秋最後の一匹だった青虫の成虫かもしれない。



【追記】
暮れ六つを過ぎて夕闇の中を透かし見たところ、レモンの葉に乗って、ウィンドサーフィンに興じておりました。遊びをせんとや、生まれけむ。


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…そして、三つ目の朝が来た。

2022年06月10日 17時21分21秒 | 趣味です。
 …二つ目の朝は雨でしたが、曇天の今朝は雨が上がっておりました。
 さて、早々に余談。
 テレビドラマ版『子連れ狼』のテーマ曲は、圧倒的に橋幸夫の第3シリーズが有名ですが、私はバーブ佐竹の「ててご橋」がメチャクチャ好きで、よくくちずさんでおります。水原弘のカムイ外伝「忍びのテーマ」も物凄く好きですけれども。低温…もとい低音の魅力。

 このままこんなところで蛹になっちゃうのかなぁ…と思っておりました予定調和。
 朝いちばんに怖々…恐る恐る…いや寧ろ嬉々としてベランダの様子を窺うと…





 見れば見るほど不思議です。
 昨日はこんな感じだったのが☟





 どうしてこうなるのか、真実のところをお知りになりたい方は、ちょうど3年前の夏、揚羽蝶の前蛹からサナギに変態する動画を撮影してありましたので、こちらのYouTubeチャンネルをご覧くださいませ。



 何事も脱皮が重要なのですね…



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11人いる?

2022年06月03日 23時53分57秒 | 趣味です。
 五人囃子どころか、地謡座ができるのではないか、と気がついたのがこの木曜日、6月2日の朝のことで、緑の葉海に晦まされ厳密に数えたことも無かったのだが、あれれ、何となくここらへんが薄くなってきたような…と、彼らの旺盛な食欲に応えるべく気前よくその身を投げ出す緑の黒髪ならぬ檸檬樹の茂みを矯めつ眇めつ、心を落ち着けて緑の幼虫をよくよく数えてみたら、昨日まで緑野の七人と思っていたのが、八虫士いたのだった。
 加えることの、黒白の鯨団が三匹…しめて、11人いる……ではないか。



 嬉しくなって、今日もいるかしらと、ベランダを覗いたところが、緑のしゃちほこ、ちりれんげの形で寝ていたツワモノが居りました。
 自由だなぁ…
 ところで、つい4日前の5月31日に、「今日は土方歳三の誕生日」という文言がインターネット内に流れてきて、刑事コロンボの「さらば、提督」回だったか…明らかに犯人ではなかろうかと思われた、ロバート・ボーンが途中ゲームオーバーして、被害者だった提督の弟さんの「そんなバカな…」という台詞を想い出したほどに…ナニヲイットルノカネ。
 どうやら西暦年に換算しての今日は何の日ネタのようでしたが、およしなさいな。トシさん本人だって、えっつ、オレの???と驚くに違いないのだ。
  大体、江戸時代には、31日という概念はない。
 小の月は29日、大の月でも30日どまりである。
 本人の心情に思い至らず、勝手に決めつけるのって、どんなもんなんでしょうかねぇ。

 …というわけで、では、本当の土方さんの誕生日はいつだったのかというと、天保六年五月五日だったらしい。
 なんと、今日ですよ。月暦令和四年五月五日、端午の節句は本日、6月3日金曜日なのです。

 とはいえ、昭和の子どもには物心ついた時から、新選組はポピュラーで当たり前の存在過ぎて、改めてトシさんに恋心を抱く状況ではなかったので…そして昭和の50年代ぐらいまで、精神的強面のトシさんより薄命の沖田くんが圧倒的人気だったので、後年、友人に連れられて石田村の土方さん宅へお詣りしたこともあるし、壬生の屯所だって行ったし…取りたてて新選組ファンでなくとも、彼らの史跡をたずねて旅するのは昭和の青少年には当たり前(?)のことだったので…昭和の小中学生には鴨川つばめ「マカロニほうれん荘」だし、女子高生には和田慎二「あさぎ色の伝説」だし、そりゃーもう、キリがないので、ただでさえ取り留めのない本稿が更に茫洋として困ってしまうので、もう新選組のことは語りたくないのだが、

 もう20年以前、たしか早乙女貢だったと思うのだが、歴史エッセイの著作の中に、試衛館(しえいかん)ではなく誠衛館(せいえいかん)の誤りではなかろうか、というお説を拝見したことがあった。
 なるほど、そうかも知れない…と、漢字の意味を繙き、類推した展開だったので、今でも印象に残っているのだが、時代小説、時代劇、映画、芝居…etc.で口に馴染んだ固有名詞を今更改められるものであろうか、とも感じた。
 どなたか発掘して、新説・新選組異聞…的なことを纏めて下さると面白いのだが。

 そして、そして、実は、私がもう、ずうぅっと長い間、新撰組関連で最も気懸りだったのは、浅葱色の隊服の袖の意匠は、“だんだら模様”ではなく、“雁木模様”というのが正しい名称ではなかろうか、ということなのでありました。
 だんだら模様というのは、地との境界が曲線であらわされる柄だと思うのですけれどもね…

 一方、旧暦皐月のレモンの木上では…



 アクロバティック!



 いつも仲よし。
 そして、記憶を辿るに、昨シーズンのみどり丸たちと色合い、印象が違うことに気がつきました。
 2021年6月30日撮影の、碧丸。



 模様以外はすべて、この上もなく緑色です。
 いっぽう、2022年、今年の6月のミドリ君たちはというと、



 背は模様以外緑色ですが、模様がヘビメタっぽい…爬虫類の鱗様の白黒柄で、お腹側は白いのです。
 疑似お顔周りが褐色なので、カールおじさんのようでもあり…映画「若者たち」シリーズの橋本功にも似ている……

 けれども別種というわけでもなさそうで、これは個体のDNAの違いなのでしょうか。
 大体、ナミアゲハ、という名称がどうも気に入らない。
 並があるならジョウアゲハ、とか特上アゲハとかが居るわけでもなかろうに、ネーミングに愛情が感じられないではありませんか。なにかこう、投げやりな。手抜きな感じがして詰まらないではないかいなぁ。
 うちのは檸檬の樹で育ったから、レモンアゲハ、と、せめても呼びたい気がするのでありました。

 …と観察者の思惑はよそに、幼虫たちはそろそろ、蛹化に向けて旅立ちの季節。




※電導ヅタのお話が一言も出てこなくて申し訳ありません…
 初めて萩尾望都「11人いる!」がテレビドラマ化されたとき(キャスティングは確か宝塚関係だったかと)、熱烈な原作のファンだった中学生の私にはどうも馴染めず、激しい抗議のお手紙をNHK放送センターへ投函したのでした。

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風よ、伝えて。

2022年05月24日 23時41分03秒 | 趣味です。
演奏会のある週末を挟んで、数日ぶりに稽古場を開けると、新顔の蘭が独りでほころんでおりました。
彼(彼女?)は一昨年の暮れ、令和3年のお年賀に頂いた2年目の株でして、当家に居着いて初めての開花となったわけで、胡蝶蘭の他のメンバーの花時を三月も遅れてやって来た晩生(おくて)ながら、可憐な佇まいが奥床しく。



時計の秒針に懸念することなく、在処を忘れていた心の落ち付かせどころを、ようやっと暫し取り戻せて、緑の風と戯れんと、朝、レモン樹の葉陰をしけじけと眺めおりますれば…



影しか見えぬ外に張り出した葉上の幼虫二人、随分豊かに育って、今日も仲良く身を寄せているのが見えましたが、重みのため葉が下がっております。
折から、天気晴朗にして風強し……
葉先にいたちびちゃんは手前の枝に避難する機転もあろうに、年長(日長?)の両人がそのまま危うい葉に居続けようとは、呑気にも程があろうと言うもの。

風よ、あの二人に言ってやって、そのまま居ては突風に吹き落とされるよ、疾く奥の枝へ渡りたまえ、と。







今日は五人囃子のうち小編成の方々のみ見つけることができました。



檸檬の花時も過ぎ、子房が緑に変わる頃。
今宵は卯月二十三夜。
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檸檬ちゃんはおこりん坊

2022年03月31日 22時30分37秒 | 趣味です。
 残された、名前は未だ無い三頭の越冬サナギの様子が気になります。
 ベランダの三株の檸檬樹のうち、今年は背の低いユーレカ種の枝に、家紋に例えれば四ツ目結い状に、四つのレモンが実りました。
 彼らが、陰になり日向になり…と言うよりも、正に陰をつくって陽射しを調整し、風雨から足下のサナギを護っていたのです。

 そんな心意気に打たれ(単にアゲハチョウが彼を寄り親と定めたわけではありますが)、私も、レモンが爽やかな檸檬色に耀く様子を眺めつつも、筍が竹の子であるのを想い、立派な竹に育つまで、自分の家のひさしを削って見守る、そんな良寛さまの心持ちで、レモンの収穫はこの子が無事羽化するまで待っていようと、9月下旬からの半年余り、両者のすこやかなる成長を願っていたのでした。

 ヒデヨリ君が旅立った朝の朗らかなお天気が、どうしたことでしょう、午後になるとどんどん雲が翳ってきて、彼の行く手が案じられました。
 翌々日の3月30日、朝。花曇りと花冷えのダブルパンチではあるけれど、最低気温は10℃以上あります。



 外皮の下に翅の蛇の目の模様がうっすらと。
 …でもまだ寒いよね、と、蛹ちゃんに聞こえるように独り言を呟きました。

 曇りがちであるけれど、昨晩から妙に生暖かい令和3年度最後の日。
 31日昧爽、不思議な胸騒ぎに寝付けぬまま、



 油紙で包んだように、下の翅の模様がクッキリはっきりしてきて、これは羽化が近い、ひょっとするともう羽化してしまうのでは…虫がかぶるとはこういったことでもあったのかも…などと思いながら部屋に戻り所用にかまけておりました。


 思えば、この越冬サナギはそのかみ、ずいぶん怒りんぼうで在りました。
 ある初秋、檸檬の樹に水を遣ろうと植木鉢を見ると、地面の上で角を出して怒ったようにのたくっている終齢幼虫が居りました。



 枝からバサッと思い切りよく落ちて、蛹化のための放浪に出掛ける幼虫が多いのですが、思い掛けなく痛かったのでしょうか…
 「ああ、まったくいやんなっちゃう、なんでこんなことになってんのよう!!!」



 綺麗なレモンイエローのツノを出したまま、鬼と化してがむしゃらに網目を登ってゆきます。










 そして走馬灯のように、青虫時代のレモンちゃん(仮)と、青い檸檬の実の愉しい生活が脳裡に…










 さなぎ生活も、レモンちゃんたちは一緒でした。







 そんなことを考えて、何かと多忙な朝9時台、ハッとして、グッときて(?)バタバタっとベランダへ、ちょうど抜けサナギ、羽化途中の姿が…



 あれよあれよという間に抜け出てしまったので、こんな写真しか取れませんでした(しょぼん…(´・ω・`))









 さて、私もアゲハの養い親となりました経験上、羽化した後、天空に羽ばたくまで小休止がございますことは心得ておりました。風に負けぬよう、翅がしっかり伸びるまで…





 準備は整ったようです。
 レモンちゃんは三度(みたび)、大きく翅を上下させると、檸檬から飛び立ちました。
 道路を隔てたお向かいのマンションとの谷間を、ひらひらと旋回して去ってゆく影が、ベランダから見えました。

https://youtube.com/shorts/BgxUry_Ox3Q?feature=share




 朝日のあたる抜け殻…(♪ダンダダダダンダン、ジャンジャジャジャジャンジャン…)
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温室の夢

2021年11月22日 09時39分14秒 | 趣味です。
午前中と夜のお稽古の間がすっぽりと空いてしまったので、この間からとても気になりつつ放ったらかしにしてあった、蘭の植え替えをすることにした。
植え替え時期ではないのだが、雑草のようなものが生えてきたりして、稽古場に来る度、気が気ではなかったのだ。

この胡蝶蘭は、もう7年ぐらい前の、証券会館ホール(日本橋茅場町の証券会館内にありまして、昭和の頃は、兜町という土地柄もあって邦楽演奏会の本場でありました。今では広尾に在る山種美術館が山種証券のビル内にあった頃のお話です)にての一門会のお祝いに頂いたもので、私の素っ気ない無精な取扱いが功を奏してか、一鉢を三株に分けてから、毎年美しい白い花を咲かしてくれる。

稽古場には仕事に行くので、他に気を回す時間もなく、花影などあまり撮らないのだが、



今年の立春、2021年2月3日に、おや、今年も咲いてくれた(´^ω^) と写したのが上の写真。
添え木もせず、なすがまま、なるがまま、Let It Be、あるがまま(お隣町の東松原に、同名の定食屋さんがあって、気っ風のいいオカミサンが切り盛りしている。ここで遥か50年前女子高生だった私が嵌まっていたクトゥルー神話の開祖・ラヴクラフトを、大学で研究している学生さんに廻り会ったことがあって、本道ではないと昔は思われていた幻想怪奇小説を、学校で研究課題に出来るのだ…時代は変わったものだなぁ…と吃驚したことがあった)にしてあるので、
ガーデニングではなく気儘な趣味の園芸なのだ。
表題写真は、その1ヵ月ほど後の3月9日のものである。

それがここ2年ほどのコロナ禍で、稽古場に行くこともままならず、しまいには、エアープランツのような細長い草まで生えてきて…かといって其ればかり気にしている分けでもないので…意識の外のものの存在に心が向く時間が思い掛けなくやって来た、と言うことなのだ。



生前、よく、お花や植木を持ってきて下さった泉下のお弟子さんのおうちのお向かいがお花屋さんで、そこへ私が水苔を買いに走るのも奇妙な因縁だ…と思いながら(単にご町内だから、だったりもしますが(;^ω^)) ぬるま湯で苔を戻したり、ハサミを消毒したり、根を切ったりして、どうにか植え替え完了。
あぁ、さっぱりした‼️

生えていた雑草も棄てるには忍びないので、捨て置かれていた植木鉢に寄せ植えしてみました。



エアープランツかと思いきや、根が物凄く細長く蔓延っていたので、違う植物のよう。
カヤツリグサかも…とGoogle先生にご教授頂きました。
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お気に入りの場所

2021年10月16日 10時14分20秒 | 趣味です。
このところ、物言わぬ小さき者たちに和まされて生きております。
昨日、ここ二日ほどレモンの葉陰に留まってじっとしている、地肌が緑っぽくなったユヴェンチーノ…



今朝、起き抜けに見たら指定席に居りませんで…



別の葉陰で脱皮しておりました。
…そして直近の様子を伺って見ましたところ……



ふたたびお気に入りの場所に戻っておりました。
おもしろや…天然の王国、大自然の幼子たち。

※左下に遠く見えますのはサナギです。
果実も幼虫もサナギも、皆、レモンのきょうだい。

※表題写真は、食べながら寝てしまったミドリちゃん。


【ご報告】旧暦令和三年九月九日(今年は10月14日)重陽の節句を過ぎまして、現在所在が判明している越冬蛹2体、幼虫6匹(青5、鯨1)、卵6粒ほど。
養い親である檸檬樹に深く感謝申し上げる次第。
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二百十日のおちびちゃん

2021年09月05日 09時41分48秒 | 趣味です。
 今年の二百十日は…節分が一日ずれたのでお気づきの方もいらっしゃいましょうが、なんと8月31日だったので、私はひそかに風の又三郎が日本のどこかの小学校に転入しそびれるのではないかと、心配していた。
 その懸念は、8月最終週の月曜日からもう新学期を始める、という関東地方一地域のニュースを聞いて雲散霧消したのであるが。

 もう夏休みの宿題をしなくていい私には、8月末日は、世間のバカンスという夏の狂騒状態が鎮まりつつある嬉しい秋(とき)でもある。



 2021年のアゲハチョウたちのシーズンが過ぎて、わが秘密の花園…ベランダガーデニング苑のレモンの実り具合と葉の状態を、いくばくかの寂寥感をもってしけじけと眺めていた、そのとき。
 防鳥網の向こうまで元気に育っている若緑の葉先に、ふた粒の卵が生みつけてあることに気がついた。
 なんと、我が家にも二百十日の転入生がいたのであった。いつの間に…

 そう言えば、父の命日に裏通りからの帰路、揚羽蝶が一人、ひらひらと隣家の芙蓉に舞い遊んでいたのに出くわした。
 …うちにも来てね!! と、そのとき念波を送っていたのだが、彼の仕業であろうか。
 それとも、稽古に出かける昼間際の交差点で、往き来する車の波に揉まれそうではらはらしながら見ていた低空飛行の彼女であったか。

 ともあれ、これまで結構な数のアゲハの幼虫を育ててはきたが、卵を発見したのは初めてのことだったので…そして、秋口からの幼虫の揺籃となるのも初めてのことだったので…私の目はキラキラと輝いた。
 朝の胸躍る発見を残して、仕事に出かけたのであるが、2021年8月最後の日は夕方から風雨となった。
 卵はまだ大丈夫かしら…と心配して夜、闇の中で目を凝らしたら、既に孵化して二筋の黒い影が緑葉にクッキリとあった。



 翌朝、毎日の観察日記をつけるべく二頭の所在を探したところ、なんということでしょう…! すでにプチ鯨幕ようになっている幼虫がほかにもいたことに気がついた。



 いま再びのパラダイス・アゲハが、夏に別れを告げ心安らぐ秋を迎えんとしていた当家に出現したのだった。
 三日目に更に詳しく檸檬の葉陰を観察したところ、我が家には五大老ならぬ五小若がおわしますことが判明した。



 更にその翌日、ヤドリギではないか…との疑惑の枝に極々小さい茶色のカリントウ様の幼虫が4頭、育っていることに気がついた。
 彼の無実はめでたや、証明され、疑惑は払拭されたのである。



 そうこうしているうちに、新たに若葉が蚕食されてる部分に気がつき、目を凝らしてみると…急激な冷気に包まれつつある9月初旬、思いがけぬアゲハの十勇士の出来に、嬉しい悲鳴(このような常套句を使うことになろうとは…)、ドギマギしているわが胸の内。





 幼虫はうしろ姿が可愛い。
 寒冷に向かうこの季節に、彼らは無事成虫になれるのだろうか…サナギで越冬する話も聞いてはいるが。
 そんなわけで、にわかに降って湧いた、わが心の希望と焦燥。
 

 
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もっとjaponaisを!〈君影草の植替え〉

2019年06月19日 19時56分10秒 | 趣味です。
 日曜の朝にちらと園芸番組をのぞいてみたら、どうやら百日草の特集のようなのだけれど、主役の名前が私の知ってるのと違う。
 カタカナ三文字ぐらいの聴いたことのない名称なので、もう忘れてしまったが、日本語イコール漢字表記の名称があるものはできればそれで表現したほうが、一目瞭然で簡潔ではなかろうか。

 表音文字である、カタカナや、アルファベット系の言語は、一目で物事の意味と全体像を把握できる漢字に劣るところがある、と私は常々思っている。私のように深く物事を考えず直感で生きている人間には、命綱とも思えるツールなのである。
 そのような、極々優秀で奇特な表記方法を編み出した日本語というツールを持っているのに、もったいない。

 …と思っている人間の数が多分、2020年頃には逆転して少数派になっているのだろう…と実感する今日この頃。
 5月の第二週に、スズランの花を探して、私は近隣の花屋を5軒回った。
 五月一日に鈴蘭の花をプレゼントされた人は、幸せになれる…という西洋の言い伝えを想い出し、令和婚をしたお弟子さんにプレゼントしたかったからだが、
 …いや、実はもっと前に、出立する列車の時間調整のために売店をひやかしていた東京駅構内の花屋さんで、スズランの生花のかわいらしい花束を見つけて…ぉぉ!なんて美しくかわゆくめずらしい…!!五月生れのмさんに贈ってあげたいものである、毎年私の誕生日に唯一人贈り物してくださる律義な優しいお心遣りに応えられるものをいまだ見つけられないのだけれども、
 これはそんなささやかな我が感謝の気持ちを託すにぴったりのものではなかろうか…と思いながらも、これから旅立つ身としてはかなわず…という残念な思いをしたことがあったので、スズランの花の時季に時機の見極めをしていたのだが、
 どういうわけだか、それ以来、スズランの生花の花束を商っている花屋に巡り会えたことがなかった。
 
 吉祥寺の西側の駅ビル入り口にあった花屋さんは、この春閉店してしまっていた。
 量販のチェーン展開をしている花屋さんには置いてなさそうだし、比較的珍しいものを置いている水泳教室の隣の花屋さんを一軒目として、商店街の老舗などを尋ね歩き…
 …やっぱりもうないかなぁ、スズランといえば可憐さでもって初夏を彩るリリカルな花の代表格で、昭和のある時期には♪金銀パールプレゼント…という、万民が知っている(はず)のコマーシャルソングでもって、スズランの香り…という高貴で清廉な雰囲気からしても当時の時代の志向を感じさせる、国民的洗剤メーカーの宣伝があったのだ。
(そして昭和のお昼時は、奥様劇場などという、ソープオペラの全盛でした。)
 そしてまたスズランを冠する場所、スズラン通りと言ったら、どこの都市の目抜き通りの商店街にもあって、本の街・神田の神保町にも、そのむかし、東京堂書店、銭形平次最中、スーパー富士屋やスヰートポーヅ屋さんで忘れ得ぬ、有名なスズラン通りがあったし(街灯の柱がスズランのモチーフでしゃれていたのだ)、すずらんといやぁ…あーた……
 オーマイケセィラセラ、という萩尾望都のしゃれたラブコメもあったのだ。

 そういえば…フラワーアレンジメントをしている旧友が、あそこの花屋さんは近在では一番種類が豊富でお手頃価格であると、スーパーマーケットのSの花屋さんを推奨していた。
 なんと! 蛇の道は蛇、餅は餅屋、あったんですょ、スズランの鉢植えが。

 実は、その花屋さんを訪ったとき、もう鈴蘭を見つけることは半ばあきらめていて、スズランの付いた何かをプレゼントしようと(フローリスのシリーズにリリーオブザバレーという天花粉やらボディーソープがあったはずなんだけど…と思い立ってさらにお店を放浪する羽目になるのだったが…私の脳内の商品群の基本情報はすでに10年がとこ古い)、作戦変更に舵を切りつつあったときだったのですが……
 同じ白い花でももう店頭で咲き初めていた、くちなしの花の匂いにうっとりとして、一鉢500円という値段にも気をよくして、レジに持って行ったついでに(そもそもが何を探して花屋さんをハシゴして歩いたのかがもはや謎の購買状況になっておりますが)、お店の方に、スズランてもうありませんよね、遅いのかなぁ…と伺ってみたところが、
「あるけどさー、もう終わっちゃったのよ、この間まで咲いてたんだけどねー……」
 と、お店の蔭に隠すように置いてあった数個の鉢を指したのである。
 …あった!! しかしもう確かに可憐な花はしぼんで立ち枯れて、商品としては店先に出せない態であった。
「持ってく? 二つで500円でいいけど」

 これを育てれば、来年、見頃の花を逃がさずプレゼントできるかもしれない…という後付けの言い訳にもなるけれど、行き掛かり上、2つのすずらんの鉢主になった私は、そんなわけで、今朝、スズランの植え替えをした。

 写真だけは撮ってあっても、まだまとめられない風葉記シリーズに心が向いて気がせくのだが、戦のあと…という風情のレモン樹に、飛べない揚羽蝶をとまらせて、ウィンドサーフィンをさせながら、蝶によろこぶ母に手伝わせながら、せわしなくも、植木の世話という作業に、ひと時の心の安らぎを覚えながら。

【追記の追記 2021年12月31日】
記事中、「金銀パール、プレゼント」CМ、私の記憶の中ではニュービーズだったのですが、半世紀の時を経て、この度それが記憶違いと気づきました。遡ること今月7日、密かに贔屓にしている芸人さん・寒空はだか師匠のライブでの出来事。
吉祥寺はスターパインズカフェで、ジントニックを傾けながら開演を待っていたその場内音楽(客入れ)は、小林亜星CМ作品集。
流れてきた、聞き覚えのあるメロディ。商品名はブルーダイヤでした。
〽スズランの香り…は花王のニュービーズで違いないと思うのですが…。
ご記憶の皆さま、ご教示を賜れますれば幸甚なり。
ライオンか花王か、それが問題だ。

【追記】 

今日までに羽化した12頭目が羽化不全とやらで、左右の翅がいびつで飛べずにおりました。
不憫なのでガムシロップを薄めたものを吸わせたりして、そのままベランダに棲まわせております。


指を差し出すと、脚萎えで素早くは動けませんが、とまるので、
それから生まれ育ったレモンの木にとまらせると、風が気持ちよいのか翅をはばたかせたりしております。
その答えは、風だけさ……替え歌、♪風が吹いてるだけさー、だったり、
♪ただ風が吹いてたー、だったり。
やはり蝶は、風に吹かれるのが好きな様子。


20匹あまりの青虫に喰い尽くされ、しまいには尺取虫までいたりして、
こちらも不憫なレモン樹でしたが、戦い済んで日が暮れて…新芽若葉が芽生えてきました。


静かになった枝の、鳥除けの網の向こうに、ささがにの蜘蛛が営み。
網目は2.5センチ四方なので、とても小さいクモの赤ちゃんです。

 
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