長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

夕べほどなく暮れ方の…

2022年11月30日 00時24分10秒 | お知らせ
 西暦2022年の11月は本日、30日をもって終焉となりますが、ご安心くださいませ。
 今日は、太陰太陽暦令和四年霜月七日。
 (明日はまだ師走じゃない…!!)
 雨が上がれば上弦の月が、暮れ方に南中して、なかぞらに皓々と輝きましょう。

 と、心の持ちよう一つで浮世離れして、今宵は憂き世のうさを晴らす、ゆらぎ成分が汪溢する邦楽の演奏会へお越しくださいませ。

 第12回 伝統長唄伝承の会
  日本橋公会堂(日本橋劇場) 日本橋蛎殻町1-31-1 日本橋区民センター4階
  暮れ方の午後5時開演
  入場料は自由席にて3000円

 番組 
  二世 杵屋勝三郎 作曲 時雨西行/しぐれさいぎょう
  三世 杵屋六四郎 作曲 阿国歌舞伎/おくにかぶき

  三世 杵屋勘五郎 作曲 橋弁慶/はしべんけい
 何と有難いことに、当代の勘五郎師のご指導を賜りまして、橋弁慶に徳桜も出演いたします。
 この度は、能と長唄による「橋弁慶」という企画曲で、
 観世流シテ方の川口晃平師のご出演を賜り、通常の演奏形式とは異なる新演出です。

 江戸は日本橋にて京の五条橋を髣髴とさせる試み、ぜひお越しくださいませ。
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西池袋おけいこ案内

2022年11月22日 08時34分34秒 | お知らせ
 能楽の初体験をなさった方々から興味深い感想を伺いました。
「笛の音程がはずれているのに、とても心に残って、また聞きたくなってしまった」
「鼓:つづみの音程が見る舞台ごとに違うのは何故か、とても不思議に思っていました…」

 それで、逆にビックリ、私の目からウロコが落ちました。
 そうか、西洋音楽の素養しかない方は、日本の伝統音楽を鑑賞するのに、洋楽の物差しでもって鑑賞なさるのだ!

 日本の学校教育では、私が小学生だった昭和40年代から既にドレミファ…の、12音階で奏でる音楽しか教えていませんが、20世紀の子どもたちの身の回りには日本の伝統、古典から根差した文化が多数、空気のように存在しておりました。
 21世紀の現在、純正、まじりっけなしの洋楽体験しかない環境で育った方々はそのように感じてしまうのか、と、ガリレオ・ガリレイが天動説をくつがえす論説を聴いた16世紀の教会の方々のように、眼が点になり、…そして、これは是非とも地動説を流布せねばなるまい…! 
 と、新たに、発想がマイノリティな領域に肩入れする向こう意気、血汐がよみがえってきたのです。

 三味線は絶対音ではなく、相対音で奏でる世界です…と、中学校の三味線の授業で忘れずにお伝えしています。
 また、左脳で論理的に整えられた音楽ではなく、右脳の情緒・感情を豊かにたもつ音色:おんしょくが特徴であるともお教えしております。
 コンピュータの機械的な音階では、人間の精神を和らげ、安らげることは不可能ではないかと、ずっと考えておりました。

 こころ深き季節…秋から冬へ身支度を調えるシーズン、ぜひ三味線の深い音色:ねいろで、スピリット、マインド、ソウル…をやわらげて頂きたいなぁ…と、とげとげしい世相に接するたび感じます。

 さて、7月に当ブログでもお伝えいたしましたワンコインで三味線を弾けるところ“しもきた三味線プレイス”ご好評によりまして、西池袋稽古場でも開催いたしますこととなりました。

 場所は、池袋西口から乱歩通りを西へ西へ直進、山手通りを目指します。北条氏にゆかりのミツウロコ紋も印象的な祥雲寺が右手に見えますればもうすぐ、伝統工芸士で三味線づくりの名手であるご店主のマニアックなお話も愉しい柏屋楽器店の稽古場です。

 お散歩がてらではなく、一刻も早く三味線に触りたい!!!と、気がせく方には営団地下鉄有楽町線・副都心線の要町駅からお越しくださいませ。目の前です。
 木曜日に開催しております。完全予約制です。電話03-3468-0330へご連絡くださいませ。

 【にしいけ三味線プレイス】の詳しいご利用法は、しもきた三味線プレイスのホームページをご覧くださいませ。

https://shami-place.com/

 ご来駕いただけましたら、今節めっきり少なくなった気の利いた和食屋さん情報もお伝えいたします…(o^―^o)

 【追記】
もちろん、普通に着実にお稽古なさりたい皆さま向けに、通常のお稽古も致します。
入門ご希望の皆さま、広く募っておりますので、ご連絡下さいませ。
電話:03-3468-0330 (三四郎は、オー三味おう、です)
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橘はじめて黄なるか

2022年11月18日 23時41分00秒 | 近況
 さて、令和4年の今季最後のふたりの幼虫たちは、立冬を過ぎても猶、20℃ほどもある気温に気をよくしてのびのびと育っていたのでありますが、







 西の空に寝待月が残る朝、 



 レモンの葉っぱに佇む一匹を残し、夕刻いそいそと蛹化へと逍遥の旅へ。



 残された最後のひとりは食いよいよ逞しく、





 火曜日、そぼ降る雨に濡れながら、枝上にじっと忍び居り、翌日は晴天となりましたのが、



 月暦廿二夜の残んの月を西に見て、観察者は暫し水辺へ。



















 水面の煌めきを眼に残して人界の徘徊から戻ると、夕暮れの檸檬樹はもぬけの殻、無人となって虚しく空に枝を伸ばしておりました。



 無事にどこかで蛹になって、来春青空へ飛び立てますように…
 翌朝。君去りしのちの傷心を、トンボが慰めに来てくれました。







 今年のレモンも佳い檸檬。


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凍蝶

2022年11月14日 17時41分19秒 | 直球でいこう
【いてちょう】
シジミチョウには成体で越冬する種類もあるという。
10月末に急に寒くなったある日の夕方、ベランダの手摺に安らいでいる蝶を発見、驚かさないよう、そっと写真を撮った。

翌日、そんなことは忘れて、植木に水を遣りにベランダに出たら、同じ場所で昨日の蜆蝶が端正な姿で居残っていた。
ぁぁぁ…チョウの墓場?と我がベランダの運命に気が差したが、いのどんシジミは、翅を広げて寛いでいたのでホッとした。

私の心の動揺が移ったのか、程なくしてハタハタと飛び立って行ったのが、晩秋のよく晴れた青空であった。

インターネットで見掛けたシジミチョウの図鑑に、命名の原因となる蜆貝の写真を載せていたものがあり、烏の濡れ羽色の漆黒の貝殻の外見と比較して、似てる???とのコメント。

…あのね、シジミをお付けの実にしてご覧なさいな、口を開けた貝殻が、ふた身に別れたところは、殻の内側が薄紫色で、シジミチョウにそっくりだから。

何だか食文化も生活習慣もことごとくが変わってしまった21世紀に於いて、日本語の語源を、躍起になって説明するのも…いえ、知らないとは此方も気が付かないので、分からないことがあったら気軽に訊いて下さいね、と、ここに記すものなり。
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十日夜を過ぎて

2022年11月04日 09時19分51秒 | ベランダ実記
おはようございます。
昨晩は十日夜(とおかんや)でありました。
旧暦の10月10日の夜で、豊穣なる秋の収穫をお祝いする祀りの日です。
"その日に山に帰る、田の神を送るために、餅を供える"と、ものの本にありましたから、季節の替り目が実感できる頃だったのでしょう。



明けて今朝、今季最後の鯨ちゃん2匹のうち最後の一匹がミドリくんに変身しておりました。





ご参考(?)までに昨日の様子↓




今年は6月から9月まで、おおよそ4か月も気温30度の日が続き、今日も20度近くまであるようですから、昆虫たちには有難い気候。



11月2日火曜日(十日夜イブ)に先に緑ちゃんに脱皮したミドリくん。
冬が来る前に、早う蛹になってたもぅ…





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