漆の文化史 (岩波新書)
価格:¥ 798(税込)
発売日:2009-12-18
茶の湯の世界で漆塗りの製品は薄器や菓子器・懐石道具などなくてはならないものだが、現実の生活では漆器はあまり使われなくなったようだ。小文字で始まるjapanは漆器を意味する英語で、その技術は縄文時代にすでに確立されていた。自然科学的方法を組み合わせた漆器考古学の観点から、今までの工芸史とは違った漆器のお話は大変わかりやすい。著者の四柳嘉章さんは式内社・美麻奈比古神社の宮司さんでもある。茶席での話題にいかが?是非、ご一読を!
もう十数年も前になるが、四柳さんに現在館長をなさっている輪島漆芸美術館や善仁工房を案内していただいた。いくつもの工程を詳しく説明していただき、輪島塗のお値段はその工程を拝見して納得した。この能登半島を巡る旅に、今日命日の白雲考古の後輩Kくんも同行した。彼の思い出について書くことはこれで最後にしようと思う。輪島特有の湿度の高い蒸し暑い夏の日だった。