宗恵の「一期一会」

茶道教室の様子を中心に日々感じたことなどあれこれ綴ります。

japan:『漆の文化史』

2010-01-31 11:33:38 | 宗恵の本棚

漆の文化史 (岩波新書) 漆の文化史 (岩波新書)
価格:¥ 798(税込)
発売日:2009-12-18

 茶の湯の世界で漆塗りの製品は薄器や菓子器・懐石道具などなくてはならないものだが、現実の生活では漆器はあまり使われなくなったようだ。小文字で始まるjapanは漆器を意味する英語で、その技術は縄文時代にすでに確立されていた。自然科学的方法を組み合わせた漆器考古学の観点から、今までの工芸史とは違った漆器のお話は大変わかりやすい。著者の四柳嘉章さんは式内社・美麻奈比古神社の宮司さんでもある。茶席での話題にいかが?是非、ご一読を!

 もう十数年も前になるが、四柳さんに現在館長をなさっている輪島漆芸美術館善仁工房を案内していただいた。いくつもの工程を詳しく説明していただき、輪島塗のお値段はその工程を拝見して納得した。この能登半島を巡る旅に、今日命日の白雲考古の後輩Kくんも同行した。彼の思い出について書くことはこれで最後にしようと思う。輪島特有の湿度の高い蒸し暑い夏の日だった。

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ゆたかおこし

2010-01-29 13:35:51 | お菓子

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 昨年のクリスマス、急遽豊橋を訪れた際に駅ビルで求めた若松園の「ゆたかおこし」。おこし・・・というと「かたい」イメージだがこれはしっとりした食感の不思議なお菓子。お抹茶に良く合う。箱には

豊橋名物「ゆたかおこし」は明治34年豊川稲荷様に奉納して誕生いたしました。昭和3年天皇陛下御即位の年には豊橋市より名物として陛下に献上の栄を賜りました。「ゆたかおこし」は百年来の手作りで昔ながらの素朴でやさしい味わいの茶の湯菓子でございます。合成保存料、合成着色料等は無添加です。

文豪井上靖氏の自伝小説「しろばんば」には「若松園の事や豊川稲荷の事や、話はあとからあとから湧いて来て尽きなかった」と綴られています。

と書いてある。3月に豊橋を訪れる時にはお店に寄ってみようと思う。

 内田鋼一さんの鉄絵茶盌で一服。

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恋しき人にわかるヽと知れ

2010-01-28 21:24:47 | 宗恵の茶の湯日記

多聞さまのブログを拝見して思い浮かんだ利休道歌の一首

何にても置き付けかへる手離れは

             恋しき人にわかるヽと知れ

この前の歌

何にても道具扱ふたびごとに 

          取る手は軽く置く手重かれ

では、道具を置いて手をはなすときは「置く手重かれ」と教えていますが、さらに「手離れは恋しき人にわかるると知れ」と言っています。水指などを持ち上げるときは ごく手軽にとり、置いた手を離すときは恋しい人に別れをつげるように、余情をもたせて離すのですね。お道具の扱いだけでなく、お茶事が終わりお客さまを送り出してひとり釜の前に座り、お茶を点てながら今日のお茶事について反省する、これが茶人の心得といわれていますが、これも恋しい人と別れる気持ちなんですね。恋心・ときめく心はお茶の心に通じるってわけ。

利休道歌につきましては旧ブログ「茶の湯のプロムナード」利休道歌の書庫をごらんくださいませ。

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香菜里屋が消えた・・・

2010-01-26 16:12:06 | 宗恵の本棚

 以前にご紹介した『香菜里屋を知っていますか』http://blog.goo.ne.jp/nacchan2661/d/20081021の作者・北森鴻さんが亡くなった。

 東急田園都市線の三軒茶屋駅。駅から地上に上がり、世田谷通りを環状7号線に向かって歩くこと200メートルほどのところを左折して、あといくつかの路地を右へ左へ進むと、やがて小さな路地裏に、ぽってりと淡い光をたたえた等身大の提灯が見えてきます。それが目印なんです。アルコール度数の違う4種類のビールを常備していて、最も度数の高いものはロックスタイルで供されると聞きました。カウンターにはヨークシャーテリアの精緻な刺繍を施したワインレッドのエプロンを身につけたマスターが、いつも人懐こい笑顔を浮かべているそうで。「今日は**の良いものが手に入りましたが」と彼が語りかけると、ほとんどの客がそれを注文し、幸福なひと時に酔いしれるのです。

こんなお店があったらなぁ・・・と思いながら、お客さまが持ち込む謎をドキドキしながら解き明かすミステリー。シリーズになっていて楽しませていただいた。享年48歳。これからもどんなミステリーを書いてくれるのかな、と大変楽しみな作家だった。ご冥福をお祈りいたします。

☆香菜里屋シリーズ

  • 花の下にて春死なむ(講談社・1998年11月)
  • 桜宵(講談社・2003年4月)
  • 螢坂(講談社・2004年9月)
  • 香菜里屋を知っていますか(講談社・2007年11月)
  •  先程、某氏との秘密会議が終了した。4月が待ち遠しい。

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    さて・・・

    2010-01-25 17:02:39 | 宗恵のひとりごと

    昨日は白雲考古の同窓会。約2000名いる卒業生のうちおよそ400名が集まった。素敵な先輩・同期・後輩たちと再会して本当に楽しかった。大勢の中、お会いできなかった方も多々いらして残念な思いもした。大学生活はたった4年だが、その間に培ったものは計り知れない。我が家の「タコ部屋」に泊まりにきた学生たちも、今ではお子さんが大学生。光陰矢の如し。このブログの題でもある「一期一会」を感じた一日でもあった。

    さて、明日は新たな一歩を踏み出す大事な日になりそうだ・・・。

    コメント (2)
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