宗恵の「一期一会」

茶道教室の様子を中心に日々感じたことなどあれこれ綴ります。

恋しき人にわかるヽと知れ

2010-01-28 21:24:47 | 宗恵の茶の湯日記

多聞さまのブログを拝見して思い浮かんだ利休道歌の一首

何にても置き付けかへる手離れは

             恋しき人にわかるヽと知れ

この前の歌

何にても道具扱ふたびごとに 

          取る手は軽く置く手重かれ

では、道具を置いて手をはなすときは「置く手重かれ」と教えていますが、さらに「手離れは恋しき人にわかるると知れ」と言っています。水指などを持ち上げるときは ごく手軽にとり、置いた手を離すときは恋しい人に別れをつげるように、余情をもたせて離すのですね。お道具の扱いだけでなく、お茶事が終わりお客さまを送り出してひとり釜の前に座り、お茶を点てながら今日のお茶事について反省する、これが茶人の心得といわれていますが、これも恋しい人と別れる気持ちなんですね。恋心・ときめく心はお茶の心に通じるってわけ。

利休道歌につきましては旧ブログ「茶の湯のプロムナード」利休道歌の書庫をごらんくださいませ。