多聞さまのブログを拝見して思い浮かんだ利休道歌の一首
何にても置き付けかへる手離れは
恋しき人にわかるヽと知れ
この前の歌
何にても道具扱ふたびごとに
取る手は軽く置く手重かれ
では、道具を置いて手をはなすときは「置く手重かれ」と教えていますが、さらに「手離れは恋しき人にわかるると知れ」と言っています。水指などを持ち上げるときは ごく手軽にとり、置いた手を離すときは恋しい人に別れをつげるように、余情をもたせて離すのですね。お道具の扱いだけでなく、お茶事が終わりお客さまを送り出してひとり釜の前に座り、お茶を点てながら今日のお茶事について反省する、これが茶人の心得といわれていますが、これも恋しい人と別れる気持ちなんですね。恋心・ときめく心はお茶の心に通じるってわけ。
利休道歌につきましては旧ブログ「茶の湯のプロムナード」利休道歌の書庫をごらんくださいませ。