nabe語録-スペシャルティコーヒー専門ショップ サーカスコーヒー

京都北山にオープンしたスペシャルティコーヒーショップ「サーカスコーヒー」の熱い日常をご案内します!

コーヒー生豆の値段

2012年06月10日 21時28分25秒 | サステイナブルコーヒー
私は実は、コーヒー業界に入るまで
レギュラーコーヒーを自分で立てることなど
したことがなかったくらい、コーヒーに関心はありませんでした。
家でも普通にインスタントコーヒーに砂糖クリープ山盛りいれて飲んでました。

私がとあるきっかけでコーヒー業界に入ったのが
2001年ころだったと思います。
そんな私が新しく立ち上げるコーヒー焙煎工場の品質管理を任されることになり
本気で勉強しないといけない状況になりました。

まっさらなので、勉強してうちに本当に衝撃の日々でした。
味覚的な違い、歴史、経済、植物学、環境などなど・・・
石油の次に世界で流通している物量をほこるコーヒーのことが
私を含め一般の人には、ほとんど知られていないということ。

そして当時コーヒーの相場が歴史的な安値をつけた時期で
いわゆる「コーヒー危機」と言われる真っ只中でした。
衝撃的な言葉でもあり、すごく関心がありました。

コーヒーの生豆の値段ってどうやって決められているか、
そんなこと考えてもみなかったです。

コーヒーの世界の相場は、世界の生産量の約30%を占めるブラジルの生産状況によって
流れが決められていきます。またコーヒーの在庫量などいろいろな条件で
検討されていきます。
ですので、ブラジルから遠くはなれたたとえばタンザニアに生豆の値段も
その相場の動きによって方向性が決められてしまいます。

そしてそこに、直接コーヒー豆を扱わない人たちのファンド(投機)の資金が投入されます。


たとえば、ブラジルで霜がおりたという情報が流れると生産量の減産が予想され
コーヒー相場の高騰が予想されます。
そうすると、その相場で利益を得ようとする人たちのファンドの投資のお金が投入され
相場はますます高騰します。
すると、コーヒーがお金になるということでコーヒーを植えだす。
いっせいに植えだすのでそれが収穫されるころには
豊作となり、コーヒー相場が暴落する。そしてまた、コーヒーをやめてしまう。

こういった相場を繰り返し繰り返しの歴史です。

特に2000年付近は、そういった流れの上に
国際コーヒー機関という機関が
ある程度価格のブレをなくすよう
取り決めをして働きかけていました。
が、当時大きな消費国であるアメリカが脱退してしまい
その国際コーヒー機関がある意味骨抜きの状態に
なってしまったこともあります。

その暴落によって生産者の手にする収入は
生産に必要なコストを下回ってしまうような状況が続きました。

そうして生産者は、農園を放棄して町に出稼ぎにいったり
転作をしたり、ひどい場合には、お金になる違法的なものを生産したり
コーヒー生産者の生活が一段と厳しいものになりました。

そういった状況の中から、このままでは美味しいコーヒーが飲めなくなる
っということから、
持続可能なコーヒー栽培について本気で考える必要があると世界で
「サステイナブルコーヒー」というキーワードが生まれてきました。
この「サステイナブル」は
これからの日本のテーマでもあり、
私たちのライフスタイルの重要なキーワードでもあると思います。
その辺はまたの機会に。

最近の相場では、今度は歴史的な高騰相場が続いていました。
この高騰の背景には、今までの同じ流れとブラジルの経済発展の影響がありました。
今は少し落ち着いたようですが
このように、世界の経済情勢とも密接にかかわっています。

そのように、コーヒー生豆の今までの一般的な価格は、
生産者の品質向上における努力など関係のないところで
一方的に買い手側の思惑で価格がきめられてきた歴史があります。

今は、徐々に違う流れも出てきて
先日のフェアトレードワークショップで教えていただいた内容で
生産者がカップをするようになってきたそうです。
すなわち、自分たちのコーヒー味わいをチェックするようになり
品質向上への意識がしっかり出てきことだと感心しました。
それによって
自分たちの作ったコーヒーの価値を自分たちでチェックして
価格評価をできるようになっていくことでしょう。



そういった形でコーヒー生豆の価格の相場の動きがあります。
ご参考までに。


*あくまでもざっくりとした相場の流れです。
いろいろと条件等あると思いますがご了承下さい。
コーヒー業界の方であまりにも内容が・・・っと思われる方は
メールでもご連絡下さい。