脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

「生産性」という亡霊。

2018年07月29日 11時49分08秒 | 雑談
自民党の女性議員が、LGBTの同性カップルは子供を産まないから
「生産性」がないと批判しているらしい。私も非婚を続けているので、
子のいない非・生産性の人間である。同様の批判は、独身や障碍者、
老人、子供なし夫婦から性的不能者まで当てはまるのだろう。

思い出すのは、2年前の夏、知的障害者施設「津久井やまゆり園」に刃
物を持って押し入り、入所者・職員20名以上もを殺傷した植松某のこ
とである。彼は20代の元・同施設職員だった。入所障害者を生きてい
る価値のない人間と決めつけ殺害に至った。彼は、逮捕されて以後も今
尚同様の主張を変えていない様子である。

LGBTであれ障害者であれ、独身や子なし夫婦であれ、生きている人
々や人生はそれぞれであり、どうして比較劣位を見つけ出して介入しよ
うとするのだろうか。それはイジメの心理に通ずるものすら感じる。
敢えて言えば、私は「生産性」なんて、人を推し量る標準であってはな
らないと思う。憲法が教えるように、全て人はその個人として尊重され
ねばならないからだ。

あまり正義漢ぶりたくはないが、本当にそう思っている。これが一番大
事な思想だと思う。冒頭の女性議員はどういう人間性だか知らないが、
売名でもしたいのかと訝しく感じた。自民党は独身者票やLGBT票は
要らないのだろうか。保守的な人々のこの種のセンスは、いつも理解に
苦しむ。

どうも夏とかお盆の頃になると、こういうおかしな事を言うお偉いさん
がニュースになる気もする。「生産性」というキーワードやその価値観
で、他人の人生に支配介入する流れは、私は少し飛躍かもしれないが、
スターリン主義だかナチズムを連想してしまう。

血と熱狂と独善の、20世紀過誤の歴史の、亡霊か。
幽霊話なら、夏限定でやめて欲しいが。







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