脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

水の哀しみ。

2018年02月12日 17時47分51秒 | 雑談
祝日の休み、春めいた陽射しに誘われて、隅田川縁の都立公園へ散歩に行く。
二月の今時分は、花粉症のくしゃみが出始める頃合いだが、今年は雪が多く
降ったせいで、花粉が地面に落ちてしまい、花粉の飛散が少ないのではと思
う。でも雪解けが進むと、一挙に花粉が飛んでくるのかもしれない。

画像は東京下町を蛇行して流れる隅田川の、某川べりの馬頭観音史跡。
その昔、この当たり一帯は川の水が氾濫する湿地帯であった。人家も点在し
村々があったが、農耕馬が死ぬと皮を剥いで川べりに捨てたものらしい。
馬頭観音は、そんな馬(多分、牛も一緒)たちを供養するものであった。

東京の下町、川べりのエリアは、昔は不浄な場所でもあったのだろう。
江戸二大刑場のひとつ、小塚原刑場も隅田川から近いし、遊郭の吉原も水利
のすぐ傍にあった。この世とあの世の境に「水」が流れ、人の死や弔いと
性の歓楽が同居していたのである。

川の水を眺めていると、どしてか憂鬱になることがある。関東大震災でも東
京大空襲でも、川には大勢の死体が流れ着き、土手で大量の遺骸が燃やされ
た。水の流れには、やるせない人の世の無常が映るものなのか。
何だか大袈裟な話になってしまったが、川とか水のそばは、掘り起こせば必
ず悲しい人間の歴史にぶつかるようだ。

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