脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

母の三回忌に。

2020年09月06日 21時48分43秒 | 随想
九州地方に前例のない規模の台風が接近しているとかで、関東までも天気 が悪い。回忌法要の都度、お寺には果物のカゴ詰めと日本酒をお供えに納 めるのだけど、今回は雨を懸念して、前日にこれらとお墓の供花を持って お寺に出向き、ついでにお布施(5万円)を払った。 母が亡くなって丸2年。早いとも遅いとも何とも言えない。赤ちゃん返り をしたかのような、最晩年の母を想い起すと、何ともいとおしいような、 切ないよ . . . 本文を読む

温暖化を憂う。

2020年01月04日 18時41分27秒 | 随想
元旦の新聞の片隅に書かれていたが、大みそかの日、東京の最高気温 は16.5度。かなり暖かだったが、関東地方では、20度を超えた地域も あり、1896年の統計開始以初めてという。つまり、この120年の間、こん な気温・気候はあり得なかったということである。 私の賃貸2DKの部屋は、日当たりが非常に良く、昨年1度サッシの窓が 熱割れしたことがある。師走や正月でも晴れた日には、室温が25度に なる。昼 . . . 本文を読む

星が巡るだけ。

2013年06月02日 11時37分50秒 | 随想
今日の日曜、曇り空が晴れてきた。 一人居の部屋の空虚。 と、独想と‥ 風が、枝々をひそりと揺るがした。 陽射しも雲も、鳥も草陰の虫たちでさえ、 ただただ、自然であるのに、 人間だけが「頭の中」を生きている。 世界も歴史も、人間の観念で造られている。 それを想うと、この世の全てが、可笑しい! いや、少しは悲しく、それ故にいとおしくもある。 だから‥、人間は欲が深く、罪深い。 自由とは、欲から自 . . . 本文を読む

十月に‥。

2012年10月13日 12時48分59秒 | 随想
十月だ。十月の空は麗しい。旧暦では神無月というが、 神は何処かに行ってしまうのか? 夏の重苦しい暑さが抜けて、爽やかな気候のこの月が、 私は、一年で一番好きである。 陽射しは朗らかで優しく、年老いた者たちの瞳のようだ。 乾いた風が、日増しに透明に澄んでいく月だ。 十月の太陽と風の中でなら、そのまま永眠したくなる。 私の細胞のひとつひとつまで、降り注ぐ日の光に溶けて、 私は、陽だまりで、吹く風と . . . 本文を読む

空に‥。

2012年08月25日 23時12分27秒 | 随想
蒸し暑い夏の晩、 いつもの公園を歩く。 空には 真っ黒な雲がたなびき 三日月が輝いていた。 外灯の周りを コウモリが飛んでいる。 派手なジャージを着た若い女性は ケータイで声高に中国語を喋っていた。 あちらの男女の声は韓国語らしい。 隣のグラウンドで、ボールを蹴る若者たちが スペイン語のような言葉ではしゃいでいた。 いつの間にか、公園客も国際化か‥。 歩く。 次々と、縁もない、 見知らぬ人 . . . 本文を読む

夜と‥。

2012年08月18日 21時45分45秒 | 随想
夜、都立公園をウォーキングする。 昨日歩いていたら、大粒の雨が降り出した。 木陰に避難して、外灯に照らされた、 雨の線分を、ぼんやり眺めてたら、 なにか、‥とても悲しい風景に想えた。 今夜も公園を歩いた。 風が涼しく気持ちが良かった。 夜空に白い雲がむくむくしていた。 いつものセミの声は聞こえない。 ただ歩く。 自分の影といっしょに。 歩いていると、雑念が足の裏から抜けていく。 歩いていると、 . . . 本文を読む

全ては繰り返される。だが、同じ反復は一つもない。

2010年07月31日 09時31分06秒 | 随想
窓‥‥、ウカンムリに「公」の「心」とは‥‥。 空‥‥、「穴」の「工」事? 晴れた夏の空。 窓は明け放つ者たちと、瞳を分かち合う。 空に向かって、開け放たれた窓なら、 そのどれもが、美しい瞳をもつはずだ。 夏の空には、いつも、「何か」がある。 それは予感に満ちていて、心が躍るプレビュー。 朽ち果てた町工場の窓は、その瞳に、 老主は何度、この夏空を見上げたことか。 老工場は解体されて、 空を切 . . . 本文を読む

火熾し。

2010年06月26日 22時04分05秒 | 随想
昔読んだガストン・バシュラールの本に、火は人に特殊な夢想を 呼び起こすとあった。揺れる炎や流れる水は、眺める者を、 どうして内省的にさせるのだろう。 今日、家電量販店で1600円の安売り扇風機を買った。 風も、ときに人を内省的にするけれど、人工的な風や火には、 人は余り内省的にならない。これもどうしてだろうか? 画像は、当工場にある火熾し(ひおこし)である。 コークスで火を熾して、下から小型の . . . 本文を読む

読書な夜更けに‥。

2010年04月10日 00時30分20秒 | 随想
宇宙静寂の彼方の、 21世紀の闇夜に 桜花またたく。 砂の思弁は相も変わらず、 指の間から抜け落ちては時を刻み、 ヒトも街も私の遠くを四月と流れて‥‥。  読書のページが翻る。 「近代では神を殺しただけだったが、  いまでは青年たちが自ら宇宙や諸々の神と  一体化する全能感の‥‥  ‥‥変性意識体験と、人類救済という汎用の理想  をつけ加えれば、そのままオウムへの道です。  刑事さんはどう思 . . . 本文を読む

秋の陽射しに。

2009年10月11日 11時06分01秒 | 随想
秋晴れの日曜日。 庭のキンモクセイが満開の香りを放っている。 庭で洗濯物を干していると、道行く人たちが匂いに気づいてか、 目を我が家の中空に向けては通り過ぎてゆく。 初秋の陽射しにキンモクセイの色と香りは良く似合う。 私は、木刀を素振りする手がふと止まり・・・。 アスファルトが照り返す陽の輝きに目を奪われては、 気持ちが何か果てしないものの方へ吸い込まれていく。 何度、こんな陽射しの時間を、 . . . 本文を読む