九州地方に前例のない規模の台風が接近しているとかで、関東までも天気
が悪い。回忌法要の都度、お寺には果物のカゴ詰めと日本酒をお供えに納
めるのだけど、今回は雨を懸念して、前日にこれらとお墓の供花を持って
お寺に出向き、ついでにお布施(5万円)を払った。
母が亡くなって丸2年。早いとも遅いとも何とも言えない。赤ちゃん返り
をしたかのような、最晩年の母を想い起すと、何ともいとおしいような、
切ないよ . . . 本文を読む
元旦の新聞の片隅に書かれていたが、大みそかの日、東京の最高気温
は16.5度。かなり暖かだったが、関東地方では、20度を超えた地域も
あり、1896年の統計開始以初めてという。つまり、この120年の間、こん
な気温・気候はあり得なかったということである。
私の賃貸2DKの部屋は、日当たりが非常に良く、昨年1度サッシの窓が
熱割れしたことがある。師走や正月でも晴れた日には、室温が25度に
なる。昼 . . . 本文を読む
今日の日曜、曇り空が晴れてきた。
一人居の部屋の空虚。
と、独想と‥
風が、枝々をひそりと揺るがした。
陽射しも雲も、鳥も草陰の虫たちでさえ、
ただただ、自然であるのに、
人間だけが「頭の中」を生きている。
世界も歴史も、人間の観念で造られている。
それを想うと、この世の全てが、可笑しい!
いや、少しは悲しく、それ故にいとおしくもある。
だから‥、人間は欲が深く、罪深い。
自由とは、欲から自 . . . 本文を読む
十月だ。十月の空は麗しい。旧暦では神無月というが、
神は何処かに行ってしまうのか?
夏の重苦しい暑さが抜けて、爽やかな気候のこの月が、
私は、一年で一番好きである。
陽射しは朗らかで優しく、年老いた者たちの瞳のようだ。
乾いた風が、日増しに透明に澄んでいく月だ。
十月の太陽と風の中でなら、そのまま永眠したくなる。
私の細胞のひとつひとつまで、降り注ぐ日の光に溶けて、
私は、陽だまりで、吹く風と . . . 本文を読む
蒸し暑い夏の晩、
いつもの公園を歩く。
空には
真っ黒な雲がたなびき
三日月が輝いていた。
外灯の周りを
コウモリが飛んでいる。
派手なジャージを着た若い女性は
ケータイで声高に中国語を喋っていた。
あちらの男女の声は韓国語らしい。
隣のグラウンドで、ボールを蹴る若者たちが
スペイン語のような言葉ではしゃいでいた。
いつの間にか、公園客も国際化か‥。
歩く。
次々と、縁もない、
見知らぬ人 . . . 本文を読む
夜、都立公園をウォーキングする。
昨日歩いていたら、大粒の雨が降り出した。
木陰に避難して、外灯に照らされた、
雨の線分を、ぼんやり眺めてたら、
なにか、‥とても悲しい風景に想えた。
今夜も公園を歩いた。
風が涼しく気持ちが良かった。
夜空に白い雲がむくむくしていた。
いつものセミの声は聞こえない。
ただ歩く。
自分の影といっしょに。
歩いていると、雑念が足の裏から抜けていく。
歩いていると、 . . . 本文を読む
窓‥‥、ウカンムリに「公」の「心」とは‥‥。
空‥‥、「穴」の「工」事?
晴れた夏の空。
窓は明け放つ者たちと、瞳を分かち合う。
空に向かって、開け放たれた窓なら、
そのどれもが、美しい瞳をもつはずだ。
夏の空には、いつも、「何か」がある。
それは予感に満ちていて、心が躍るプレビュー。
朽ち果てた町工場の窓は、その瞳に、
老主は何度、この夏空を見上げたことか。
老工場は解体されて、
空を切 . . . 本文を読む
昔読んだガストン・バシュラールの本に、火は人に特殊な夢想を
呼び起こすとあった。揺れる炎や流れる水は、眺める者を、
どうして内省的にさせるのだろう。
今日、家電量販店で1600円の安売り扇風機を買った。
風も、ときに人を内省的にするけれど、人工的な風や火には、
人は余り内省的にならない。これもどうしてだろうか?
画像は、当工場にある火熾し(ひおこし)である。
コークスで火を熾して、下から小型の . . . 本文を読む
宇宙静寂の彼方の、
21世紀の闇夜に
桜花またたく。
砂の思弁は相も変わらず、
指の間から抜け落ちては時を刻み、
ヒトも街も私の遠くを四月と流れて‥‥。
読書のページが翻る。
「近代では神を殺しただけだったが、
いまでは青年たちが自ら宇宙や諸々の神と
一体化する全能感の‥‥
‥‥変性意識体験と、人類救済という汎用の理想
をつけ加えれば、そのままオウムへの道です。
刑事さんはどう思 . . . 本文を読む
秋晴れの日曜日。
庭のキンモクセイが満開の香りを放っている。
庭で洗濯物を干していると、道行く人たちが匂いに気づいてか、
目を我が家の中空に向けては通り過ぎてゆく。
初秋の陽射しにキンモクセイの色と香りは良く似合う。
私は、木刀を素振りする手がふと止まり・・・。
アスファルトが照り返す陽の輝きに目を奪われては、
気持ちが何か果てしないものの方へ吸い込まれていく。
何度、こんな陽射しの時間を、 . . . 本文を読む