脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

「親族」は不可解である。

2008年04月29日 13時51分46秒 | 発達障害
小学校の低学年の頃、新幹線に乗って父の実家に初めて行ったとき、 父に「お兄さん」という人物が存在することに驚きと戸惑いを覚えた。 私にとって父とは、天からひとりで降ってきたような存在感だったのだ。 そのため、「父のきょうだい」という言葉の意味が分からなかった。 「きょうだい」というのは、自分や弟たちのことであり、 私は自分が「父のきょうだい」だと思っていたのである。 父が所有し、父のもとに帰属す . . . 本文を読む
コメント

世俗の習い

2008年04月27日 16時27分40秒 | 近況
昨夕は、母方の大叔父の通夜に、私と母と母の従妹のTさん三人で、 タクシーに乗り込み、セレモニーホールへ出かけた。 喪主は、大叔父の長男で70代のSさんである。 母が電話でSさんに「主人の代わりに、長男が葬儀に出ますので」 という旨、事前に伝えた処、Sさんは不愉快そうな様子だったらしい。 そのせいか、母は私に、通夜だけ参席するようにというので、 Sさんは何が気に入らないのか知らないが、私は告別式は . . . 本文を読む
コメント

心の歳月

2008年04月26日 12時12分11秒 | 近況
先刻、父は旅行カバンと見舞いの品を持って、帰郷の途についた。 玄関で、高齢ながらもがっしりとした父の後姿を認め、 一人で行かせても十分大丈夫だなと思い、私は安堵した。 気をつけて、行ってらっしゃい、と声をかけると、 父は、ウチの方は頼んだよ、と言って家を後にした。 父の古里は、東京から行くと名古屋の手前当たりにある。 農家の末っ子で、東京の下町に婿入りして50年になる。 故・義父とはソリが合わず . . . 本文を読む
コメント (1)

儀式嫌い

2008年04月25日 13時53分40秒 | 近況
今週の土・日に、父方の法事と母方の葬式が重なってしまった。 私の父は養子であり、東海地方に実家がある。 法事は父の長兄の三回忌であるが、実家近辺には高齢の姉がおり、 市民病院に入院中なので見舞いを兼ねて、帰郷する予定だった。 ところが、昨年末より末期状態であった隣区在住の、百歳を超える大伯父が、 二日前に他界し、葬儀の段となり、日程が重なってしまったのである。 父は、大伯父の一家には、我が家の祖 . . . 本文を読む
コメント

即興詩(080422)

2008年04月22日 23時20分05秒 | 言葉の雫
永遠の太陽   私の瞳の気球が   青空を転がす ポッカリ雲浮かぶ     古代の象が群れをなす 草原は緑に波打ち   土人たちは大地に歌う踊る  憂いなく、悩みなく、物もなし  それは遠い日    文字をもたない彼方の日々‥‥  . . . 本文を読む
コメント

ある面影

2008年04月21日 22時27分35秒 | 随想
私の夜の窓辺に   緑の風がそよいでいる  漆黒の闇夜は   彼女の黒髪とともに    サラサラと流れる  夜に舞う長い髪には   無数の星々が微彩にきらめく   ‥‥あなたは、いつから、      私の心に住んでいるの? 花のように、   ひっそり笑うと     深い霧の中へ     彼女は、消えた   . . . 本文を読む
コメント

私の四月に‥‥

2008年04月19日 14時14分42秒 | 随想
薄ら明るい曇り空の下で、 桜の木が緑の葉を繁らせ、 ふさふさと風に揺れている。 花の散った桜には、 人は誰も目を向けない。 桜の組み合す枝々の深くには、 羽を畳んだ一羽のヒヨドリが、 夢の中をまどろんでいる。 人間はもういいから、 今度、生まれるときには、 私は、鳥に生まれてきたい。 鳥は風の友達だ。 下界の人心の遠くを、 透明な風に吹かれて、 世界の果てまで飛んでみたい。 . . . 本文を読む
コメント

昔の同僚と会う。

2008年04月14日 16時09分25秒 | 近況
昨日の日曜日、雨模様の曇り空だったが、 以前に勤めていた職場で同僚だった女性と 午後の二時に、東京駅のホームで待ち合わせをした。 彼女と会うのは、実に丸12年ぶりである。 彼女の方が、先にホームに来ていたようであるが、 私は、その人が本人であることに気付かなかった。 声を掛けられて、その女性をまじまじと見た。 彼女は、細身にやつれていて、顔色に潤いが乏しく、 体全体が縮んでしまったかのように見 . . . 本文を読む
コメント

アイドルよ、永遠なれ!

2008年04月13日 11時24分47秒 | 雑談
最初に一言。 前々回の投稿で、70年代の日本ロックを「外道」を中心に回顧してたら、 一人で盛り上がってしまい、一方でアイドル系をくさしてしまった感が あります。同世代の方々のみならず、アイドルをこよなく愛する方々には、 配慮と礼節に欠けた文章になってしまい、冒頭にお詫びを申し上げます。 また、若い方々があの文章を読んだら、70年代というのは、ロック系VS アイドル系という対立図式があった時代かの . . . 本文を読む
コメント

時間の檻

2008年04月08日 18時55分50秒 | 随想
春なのに陽は遠のき、 過去の想いに雨が降る。 私から流れ去った、 膨大な時間の中の、 言葉で「意味」を捕らえられるものにしか、 人間に「過去」なんて存在しない。 過去なんて、所詮はただの水溜り。 晴れてくれば、蒸発してしまうもの。 動画にさえ撮られることのない、 飛び飛びで、ほんの短い場面記憶。 私を取り囲み、 私をずぶ濡れにした時間は、 大量に散った花びらとともに渦を巻き、 あっけもなく . . . 本文を読む
コメント