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猫のキキとヒゲおじさんのあんじゃあない毎日

『あんじゃあない』って、心配ない、大丈夫っていう群馬の言葉、いい歳こいたキキとおヒゲのどうってことない前橋の暮らしです

前橋の初市まつり、一年の家内安全をお願いしてきました。だるまの売り上げで幸せは計れないなって思いながら…

2017-01-10 05:53:17 | あんじゃあない毎日

前橋初市まつりの賑わいです。
ユキ子さんの稽古の都合もあって、昼食すませた午後1時半ごろまちに出かけたんです。写真は2時過ぎ、本町通りの歩道橋の上から見た風景です。
今年は、いつになく人出が多くて、93歳の伯母さんと一緒に歩くのはそれなりに大事でした。

 雨が心配だったんです。でも、夜明け前にはあがってくれて、赤城山は真白く雪化粧してました。風もなく、とっても穏やか、お出かけには好都合でした。

まずは八幡宮の仮宮にお参りです。参拝客の長い列ができていました。
「昔はね、前の年のうちからお客さんにお願いして初市の夜のお座敷を予約してもらったものなのよ」って伯母さんの話です。初市まつりは市神様の祭祀です。まちの人たちは一年の商売繁盛をお願いしたんです。

  ずいぶんと並んでやっとお参りできました。
仮宮に飾られているのは八幡宮の神輿です。隣に『相生の大獅子』も祀られてます。この大獅子は、以前の相生町(現在の表町の一部)が江戸時代に鍛治町なんて呼ばれていた職人さんのまちだった時代の祭礼の山車に載せられた獅子頭のレプリカなんです。江戸時代の前橋の祭りの名残なんですね。こちらにもお参りして…

伯母さんの正月は、三日は大蓮寺の初弁天、昨日が八幡さま、二つのお参りを欠かさないんです。

 お参りすませると、達磨を買います。買うお店は毎年同じになるようにしています。
値段の交渉はユキ子さんの仕事です。よく、「名入達磨を注文しといて買うと安いのよ」って奨めてくれる人がいますけど、それはしません。やっぱ、市の場で、見立てして、交渉してがいいです。縁起物ですから。

 招き猫屋です。18年前の初市の時、当時岡山にいた下の息子が「黒い招き猫頼む」って言ってきたんです。この店で、黒い招き猫を求めました。
その夜なんです。キキがわが家に入り込んできて、一緒に暮らし始めたんのは。
初市は、大事な私の相方をひき合わせてくれたまつりなんです。

 「こんなに混んでるの久しぶりじゃない」ってユキ子さん。そうなんです、時々立ち止まらないと前に進めなかったんです。

高崎市のだるま市についての1月6日の読売新聞の記事の抜粋です。
「高崎市のJR高崎駅西口駅前通りで1、2日に開催された「高崎だるま市」について、同市の富岡賢治市長は5日、会場の広さを今年の2倍にし、来年も開催する考えを明らかにした。
今年のだるま市には、県達磨(だるま)製造協同組合に加盟する約40店や飲食店などが出店し、2日間で約25万人が訪れた。
同市内では毎年1月、少林山達磨寺で「七草大祭だるま市」が行われているが、今回、加盟店のだるまの売り上げは、その約1・5倍で、出店の少なかった昨年と比べると約3倍だったという。(中略)
富岡市長は「高崎の新しい伝統を築ける確信が持てた。今年、好評だったことを受け、来年はさらに多くのだるま店が出てくれることを期待している」と話した。」

 実はこの記事を読んでいろいろ考えちゃっていたんです。それで、昨日の記事で亀田慎也さんの文を紹介したんです。
「達磨の売り上げが増えた」⇒「好評だった」⇒「新しい伝統を築ける確信」、富岡高崎市長の論理展開です。理屈になっているかもしれません。でも、スパーマーケットの特売の理屈と似てないかな、似てるよね、そっくりだいね。

  昨日も、このことを考えながら初市まつりの賑わいを歩いてました。
高崎市にとってはだるま製造業は大事な産業なのは分かります。でも、その売り上げと人出だけを物差しにして『伝統』は築けるんでしょうか。幸せはだるまの売り上げでは計れないと思います…
前橋の初市まつりは四百年の伝統の上にあります。だるま売りの店が出るようにいなるずっと前から、市神様の祭礼としての成立してたまつりです。
私の家族は昭和17年にこの町に越してきたんです。そして私が生まれて、物心ついたころには福島生まれの父に連れられて八幡さまの仮宮にお参りして、福だるまを求めて帰るというこのまちの習俗の中で暮らしていました。ただ、父はだるまを八幡さまに納めずに、小正月に庭先で燃やしてました。故郷のどんど焼きの記憶だったんだと思います。『だんご刺し』の話を聞かせてくれたのをよく覚えています。父は初市まつりの向こうに、故郷の祭りの風景を見てたんじゃないのかなと思います。

 私は前橋の初市まつりが産業の論理で計られるようになったら、きっと出て来なくなると思います。お付き合いをやめます。
文化は売上で計ることはできないはずです。ヒトの数でも計れないと信じています。

毎日の暮らしの中のどこかで、市神様や福だるまを感じる瞬間があるんですよね。だから来るんです。祈りますし、願いも掛けます…
それに、初市まつりがなかったら、キキと出会うこともなかったはずですから。

 

 千代田通りです。私が子どもの頃にはこの通りにも露店がずらっと並んでいました。
それもね、籠や笊なんかの竹製品の店、瀬戸物を商う店、桶やまげ物を売ってる店、農具の店、刃物屋さん、生活用品を商う店が並んでたんです。今はほとんどそういう店は出なくなりました。みんなの生活が変わってきているからだと思います。

 名残といっては失礼なんでしょうけど、刃物を商う店が一軒だけでてました。
「そうよね、服や布を売ってるお店もあったよね」、これはユキ子さんの記憶です。

初市まつりも変化しています。緩やかに、少しずつ変わってきています。でも、変わらない何かがあるんです。だから、93歳の伯母さんも毎年足を運んでいるんですよ。

 

  黒田人形店でキキにお土産を買いました。追羽根です。
ちょっとだけ遊んでくれました。一緒に暮らし始めたころは、初市まつりのお土産の追羽根に夢中になって遊んでくれてたんです。歳だいね…
でも、19歳の誕生日が迎えられたんです。前橋の市神様の引き合わせで私の相方になったキキが、です。

 

  夕食は朝のうちに仕込んでおいた煮込みおでんです。
冷えた身体に一番だろうと思ってたんですけど、あにはからんや、穏やかな日和で寒さは身に染みてませんでした。でも、味の沁みた三浦大根、おいしいですね。これで、姪の正月土産の大根も食べ納めました。

 

 

 

 直派若柳流の若柳糸駒ことユキ子でございます。ときどき登場いたしますんでよろしくご贔屓いただきますようお願い申し上げます。

73回目を迎えました今春の美登利会の舞台の様子はコチラです
お稽古場は前橋市城東町四丁目です。詳しくはコチラをご覧ください

 

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