
友人のAさんを訪ねました。彼は、カワトンボが暮らす美しい水路のある農村集落で暮らしてます。小さな果樹園で、あれこれ果物を作りながら。そう、こないだ天津桃を送ってくれた高崎の友人なんです。
6年ほど前のことなんす。大病を患って長期入院、退院してきたときには、介護保険制度の要介護度は『4』、車椅子に乗り、日常生活ほぼ全般を介護なしで行うことが困難な状態だったんです。毎年、今ごろに訪ねることにしてるんですけど、すっかり元気を取り戻してくれているみたい、うれしいです。
昨日は、伯母さんも一緒に出掛けました。
朝、出かける支度をしてたら、富士見町のSさんが訪ねてきました。「これ俺がつくったジャガイモ、北あかりなんだけど。それから、ナスとキュウリは農林大学校の…」、ありがたいです。何か用事があったらしくて、玄関先に置くとすぐに帰って行きました。
そこへ電話です。とても丁寧な電話、でも、私は先方の話をおしまいまで聴くことができませんでした。途中で話しの先を断って、こちらからあらためてコンタクトをとるとの約束をして切りました。ずっと、この電話で伝えられたことを考え続けることになってしまいました。せっかくAさんに会いに行ったのに…
Aさんの暮らす集落の道です。きれいな水が流れる水路があります。水路脇には、いわゆる『転落防止柵』はついてません。水路壁もコンクリートで固められてなくて、昔のママの石積なんです。なんとも懐かしい風景なんです。
私が子どもの頃の前橋のまちの馬場川もこういう柵のない水路でした。酔った私の父はが、川に落ちたことがありました。
川底を覗くと、梅花藻です。花を探したのですが、咲いてませんでした。そいで、カワトンボに出会ったんです。
この水路を流れる水の系統の用水の一部は、高崎市の水道水源の一つになっているんだそうです。ほんとうにきれいな水です。
Aさんの話では、転落防止柵がないのも、地元の皆さんの要望に基づくものなんだそうです。
一年ぶりでしたから、あれこれ、とりとめもないのですけど、話が途切れることはありませんでした。Aさんと知り合ったのは30代の前半、子どもが小さかった頃には、毎年末、彼の家の餅つきに参加させてもらっていました。子どもたちが高校に入るまで続いた年中行事でした。
土蔵の壁に、たくさんのタマネギが吊るされてました。
二人で果樹園をぶらぶらしました。白桃、天津桃、プラム、栗…
他にも、プルーンとか、柿とか、いろいろな果樹が、1本か2本ずつ植えられた小さな果樹園です。でもね、果樹1本あると、家族では食べきれないほど採れるんです。
「あれ、無人販売所つくったの」
「そう、買いに来てくれる人がいるもんだから…」
「それにしても、手入れが行き届くようになったから、さばききれないんじゃないの??」
「うん、さばききんないから、JA高崎の直売に少しだけど出してるよ」
「毎日?」
「うん、果物の収穫期は毎日だいね、5時起きして…」
向こうに見える丘陵は、安中市との境の丘陵です。果樹園の先の田んぼの稲はよく育ってます。
「ずいぶん元気になってね…」
「テニスができるようになったよ」
Aさんは、若いころ軟式テニスの群馬県のチャンピオンになったこともあるスポーツマンなんです。
「百姓が、オレを助けてくれたんだって思ってる。5年かかったけど…」
このあたり水田は、冬の麦作をしないんです。だから、田植えも早いんです。
前橋郊外の二毛作の田んぼに比べると稲の生育が全く違います。
果樹園にはキンカンの花も咲いてました。良い香りです。
元気になってくれて良かったです。
帰り際、Aさんのパートナーのみどりさんが、作業小屋の脇の鉢植えの花を見せてくれました。
「これ、ニラの花なんですよ、きれいでしょう、紫色してるの…」
そうなんです、普通、ニラの花ってたいがいがシロなんですけど、紫の花のニラもあるんです。春に咲く「ハナニラ」とは違います。食べる、野菜のニラです。
白桃だの、直売に出せない傷のある桃だの、トウモロコシだの、いろいろお土産をいただきました。
「秋になったら、自転車で来るよ」
「柿のころがいいよ、おいしいの出来るから…」
朝の電話のこと考えながらになっちゃいましたけど、会えてよかった…
帰り道、伯母さんがどっかでお昼食べてこうよ」って。で、どっかないかなと探してたら、高崎問屋町のはずれで『香味亭』って洋食屋さんを見っけました。ポークチャップでしょ、オムライスでしょ…、家族でお店をやってるみたいでした。
家に戻って見たら、『洋食香味亭のブログ』ってのが見っかりました。
家に戻って、いただいてきた傷アリの桃をシロップで煮ました。「ジャムにすればいいよ」って言われたんですけど、この方が伯母さんとユキ子さんが食べやすそうですから。
夕食には、お土産のトウモロコシの醤油炒めを作りました。それと、キンシウリと金時草(水前寺菜)の酢の物、うなぎの柳川鍋、味噌仕立ての冷たいとろろ汁、それに冷ややっこ少々です。
能登の伝統野菜といわれるキンシウリと加賀野菜の金時草、相性いいだろなってやってみたら、良かったです。それと、今日が土用の丑の日ですけど、一日繰り上げて、ウナギのかば焼き1尾を三人で食べることにして、柳川鍋になったんです。
<おヒゲさ、寝つけなかったみたい、夜も一人で考え事してて、ちょっと心配…、なんだろうな…>
大丈夫です、大したことではないんです、たまにゃ考えごともするんです、あんじゃあないんです…
直派若柳流の若柳糸駒ことユキ子でございます。
師匠は祖母の初代若柳吉駒、今は伯母の二代目吉駒の下で修業しております。来春の美登利会は75回目の節目を迎えます。4月8日に開催いたしますので、引き続きよろしくお引き立ていただきますようお願い申し上げます。
今春の第74回美登利会の舞台の様子はコチラでご覧になれますす。
お稽古場は前橋市城東町四丁目です。詳しくはコチラをご覧ください。
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