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流野精四郎&東澤昭が綴る読書と散歩、演劇、映画、アートに関する日々の雑記帳

五輪後の日常、とは言え

2021-08-14 | 日記
 朝から雨。九州地方及び広島では大雨特別警報が発出され、避難指示が相次ぐ。私の住んでいる地域では比較的穏やかな雨模様だが、当該地のことは気になる。友人が九州に住んでいて温順な気候だとは聞いているのだが心配である。
 今日は新聞と昼食を調達に近所のコンビニとスーパーに出かけただけだ。そそくさと店に入り、さっさと出てくる。もちろん誰とも口をきかず、スーパーでもセルフレジを使う。何だかなあと思いつつ、自分で身を守れと言われているしなあ、と思い直し外出のままならない日常を受け入れている自分を嘆く。

 昨夜はビデオでコーエン兄弟の映画「ファーゴ」を見た。最近、エリザベス・ストラウトの「オリーヴ・キタリッジふたたび」を読んだばかりで、「ファーゴ」に出ているフランシス・マクドーマンドがその前作にあたる「オリーヴ・キタリッジの生活」をドラマ化した作品に出ていると聞いて、急に彼女の出ている映画を見たくなったのだ。奇妙な味わいのブラック・ホラー・サスペンスコメディとでも言えばよいのか。面白く見たけれど、精神状態によっては後味が良くないと感じてしまうかも知れないな。

 文學界9月号に載っている武田砂鉄×能町みね子の対談「逃げ足オリンピックは終わらない」を読む。共感しながら読んだのだが、これが文芸誌に載っている意味を考えてしまった。
 朝から鬱々として寝てばかりいる。合間に溜めておいた新聞記事を少し読む。7月28日付の毎日新聞のオピニオン欄では、柳田邦夫と残間里江子両氏が東京五輪をテーマに論稿を寄せている。すでに2週間以上も前の記事だが、オリンピックが終わった今でも同感しかない。五輪があぶり出したわが国の病理は根深い。その他、新聞書評欄を読む。

 先ほど書いた九州・大分県に住む友人からLINEが来て、演劇鑑賞団体の市民劇場で富田靖子と松下洸平が出ている「母と暮らせば」を観てきたとのこと。羨ましい。彼は地方では観たい芝居が観られないとよく嘆いているのだが、私の何倍も生の舞台を観ているのだ。
 その友人が昨日同じく共通の友人から送られてきた詩集「この世の焚き火」の感想を書いてきた。私も詩集を繙いて読む。中に詩人である友人がかつて住んでいた家のことを書いた「あの家」という作品がある。結婚して移り住んだ場所で借りた家のことが書かれているのだが、家を中心とした自分史であり、家族の物語でもある。ドラマにもなり得るし、長めの小説にもなるようなテーマで胸に沁みる作品だ。
 まとまった読書をする気力がない。「更級日記」を少しずつ読み進める。


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