テレビは総選挙期間中の映像を流しながら、強大な権力を握った小泉自民党に対する今後の危惧を放送している。ところで、次から次へと眼前を流れる映像を見ているとあることに気がついた。それは、小泉さんと神崎さんが「クールビズ」ファッションであるのに、その他の党首（社民党・福島さんを除く）はネクタイ姿なのである。反対票を投じた議員の選挙区に華やかな女性刺客を送り込み、マスコミをして「刺客選挙」と言わしめた今回の選挙は実は小泉首相により計算し尽くされた「視覚」選挙ではなかったのか。クールビズを着こなした小泉首相は「改革派のリーダー」 と映るし、他方ネクタイ姿の党首たちは「守旧派」のボスたちといったイメージである。小泉劇場の監督は、主役小泉が際立って見えるようきめ細かな思考をめぐらしていたのである。
野村克也氏が好んで使う「勝ちに不思議あり、負けに不思議なし」という言葉がありますが、今回の総選挙に限り、五感を駆使した小泉自民の勝ちに「不思議」は見当たりません。ふだんから、芸術、スポーツに触れ感性を磨いておくことが如何に重要であるか改めて考えさせられます。