坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

モディリアーニの傑作彫刻がアート市場を沸かせる

2010年07月27日 | アート全般
「おさげ髪」などの肖像画で知られるアメデオ・モディリアーニ(1884~1920)。彫刻家を志していたモディリアーニは多くの彫像も手掛け、自伝的映画「モンパルナスの灯」でもアパートから気に入らない彫刻作品を川に投げ込んでいたシーンを思い浮かべます。
現存する彫刻は27点あり、その1点のこの「頭部」はライムストーンでつくられています。掲載作品は、女性像の頭部の傑作と知られる石彫のレプリカです。実際は鋭角的な鋭い彫が浮き彫りにされています。この作品が5月のニューヨークのクリスティーズのピカソ作品の100億落札のニュースに続いて、6月のクリスティーズ・パリで48億円で落札されるという好景気のニュースが続きました。リーマン・ショックから1年半、それを乗り越えたような世界美術市場の活況を伝えます。