自由広場

穿った独楽は廻る
遠心力は 今日も誰かを惹きこむ

ゴッドメディスン

2010-09-01 18:29:57 | やっぱりゲーム。
なぜかふと思い出したので、懐かしすぎるゲームを一本紹介。発売は・・・うそ~んなんと17年前。発売直後にプレイした記憶があるので、当時小4です。機種はゲームボーイ。復刻版も出ています。
ちょうど夏休みに突入するタイミングで世に送り出されたのですね。間違いなくこの作品は、けがれなき少年少女のために作られたゲームです。汚れきった大人が手に取ると涙が止まらなくなることこの上なし。ぼく夏やマザーの比じゃない。





当時は題名の意味も知らずに夢中で進めていましたが、直訳してみると神薬。特効薬とでも意訳するのでしょうか。題名の意味することを忘れてしまったくらいクリアして久しいですし、どうにか入手してもう一度やり直してみたいものです。


ジャンルはコテコテの王道RPG。見た目から、ドラクエやFFの亜流と思ってはいけません。ほんとそういう薄汚さとか一切ないんだよこのゲーム。

ストーリーも超シンプル。ただ、舌の根の乾かぬ内にFFやドラクエと比較して恐縮ですが、そういったファンタジーにどっぷり浸かるテイストには仕上がっておらず、「現実」と「虚構」を行ったり来たりするという、なかなかにリアルで重厚なテーマを持っております。ゲームはあくまでゲームなんだよという、大人がプレイしたら一種ボディーブローを食らったような気分になるのかもしれません。だから小学生向けなんだよね。決してガキっぽい作品という意味じゃない。

肝心のストーリーをうろ覚えですが少し紹介。
とあるゲーム開発会社にある夜雷が落ちる。不幸なことに発売を目前に控えていた新作ゲームのデータが全て消えてしまい、心待ちにしていた子供たちは消沈してしまう。
しかし実はデータは消えていなかった。現実世界とゲームの世界が繋がってしまい、魔物たちが日常を侵そうとしているのだった。三人の小学生ナオト・ケンスケ・ミキは、ゲームの主人公たちに力を与えられ、魔王を倒すべく現実とファンタジーを旅し成長していく。

うん、確かこんなんだった。まあこの手の物語に子供たちは虜ですよね。自分をゲーム内のキャラたちに置き換えることが容易にできますから。掴みはOKって感じですね。


しかしね、この作品の凄いところはそれだけじゃないのです。ここからベタ褒めのターンに入りますが、この記事を読んでやってみようかなと思い立った方がいらっしゃるなら、もしかするとここから下は読まれないほうがいいかもしれません。「期待させすぎは仇」というのが最近身に染みているものですから。軽い気持ちで手にとっていただきたいです。








さっきも書いたように、ゲームはあくまでゲームであって、子供だろうが大人だろうが現実に引っ張り帰されるときは必ず来るということを、ゴッドメディスンは暗に伝えていると思えます。もちろんガキのときは気づかなかったけれど。
ディズニーランドで一日中遊びとおした挙句、門を出て現実に戻ったときのあの虚しさみたいな。ぽっかりと空洞ができるイメージ。

電源を切れば、見たくなくてもリアルを目の当たりにする。各々が抱えている不安や悩みは、100%そこにある。楽なほうに逃げていても仕方がない、現実を見なくちゃ。
今更になりますが、なかなかゲームでは堪能できないテーマを学んだ気がします。そんなことをダイレクトに表現しているわけではないのですが、当時大人たちが「子供のときにやりたかった」と感想を漏らしていたそうですから、きっとそんな隠れたテーマに気づいてしまったのではないでしょうか。その辺りが、現実逃避を極限まで続けられるぼく夏なんかと違う点です。ってぼく夏やったことないんでこれは偏見ですが。


さらにもう一つ。これも今思えばなんですが、ゲームとしても相当作りこまれていたのではないかと。
当時はFFのⅢやⅣの時代だったと思うのですけれど、ステータスのインフレのようなものが発生していて、HPが四桁突入という驚愕のスケールに興奮を覚えたのを記憶しています。ドラクエは未だに999上限を貫いていますが、ダメージは四桁を見る機会も増えましたね。
同じころアニメではドラゴンボールがナメック星にやって来たくらいで、宇宙人たちのやるせないくらいの強さに、子供たちはクリリンのごとく完膚なきまでに打ちのめされました。そういう時代。



そんな中にあって、王道RPGのゴッドメディスンは、HPが行ってもせいぜい100ちょっとと、思い切った所業に踏み切っています。ダメージも二桁が上限だったはず。いまどきそんなデフレが許されるゲームなんてファイアーエムブレムくらいなもんですよ。

しかしそれがかえって洗練されたバランスを生み出していて、まだ二桁の足し引き程度しかままならない低学年の子たちでも臆することなく戦闘を楽しむことができるのです。

三人の主人公も役目がはっきりしていて、ナオトはバランス型で剣を振り回す小回り抜群の万能タイプ、ケンスケは体力が高く敵を力技でなぎ倒す戦士タイプ、ミキは体力に乏しいものの素早く弓でグループ攻撃などテクニカルな後方支援をしてくれるサポートタイプと、ファンタジーのいろはの「い」を徹底的に追い求めてくれているのです。無駄にキャラを増やさないことで個々のアイデンティティを深く掘り下げ、ストーリーに贅肉を与えません。


これらが絶妙なハーモニーを生み出しています。経験を積んでレベルをちゃんと上げなくては先へ進めないし、入手した武器や魔法を活かさないとボスは倒せません。まさにRPGの真髄であります。ただひたすらに面白い。



褒めすぎ、と思われるかもしれませんが、やったことのない方は是非この目で確かめてみてください。ベタ褒めも頷けるはずです。思い出補正が相当かかっている可能性もありますが、裏切らないだけの歯ごたえはあるはず。

散々言い散らかしてきましたが、RPG好きの人には理屈抜きでお勧めしたい一作。プレイ時間もあっさりとしているので手軽にやれます。ゲームボーイ引っ張り出すのが億劫なだけだ。



ただ、現在ではかなり入手困難かもしれません。まだ実家にあったっけなあ・・・。ブックオフあたりで見かけたら即買いしちゃいたいです。うは、まじでやりたくなってきた。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown ()
2012-11-05 16:27:25
しんせきからもらってやってみたらおもしろかった
返信する
いいなあ ()
2012-11-06 01:08:57
私も久々にやりたいなあ。
返信する

コメントを投稿