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ソーシャル・ネットワーク

2011-08-09 16:49:40 | たまには映画。
アメリカで2010年公開。フェイスブックの創始者マーク・ザッカーバーグやその取り巻きを中心に描いた、SNSの先駆が世界を震撼するまでの、混濁した轍を描いた一作。デビッド・フィンチャー監督作品なので安心して観ていられますが、足を投げ出して観ていると展開の速さに置いてけぼりをくらいます。作中のエドゥアルドみたいに。


2010年の映画の中では、最高峰評価にある有名な作品だと思うので、全体的な感想などは触れる気ゼロ。一見してドロッとしていて地味な印象のフローなのに、デビッドマジックが発動するとここまで魅せつけてくれるものかと、そこばかりに感服しっぱなし。スピード感のある中にもじっくり見据えるシーンも満載、ボートレースのシーンあたりはたいへん象徴的で、時間や人物が交錯しまくいっていた物語が、ここを境に一気に曲がり角へと直面したことを示唆しているようでした。

個人的に好きなシーンは学長登場の下り。「パクられたのが悔しいなら、また何か新しいことやって見返してやれ」と、端的にいえばそんな感じ(と自分は感じました)の学長様のありがたいお言葉に痺れました。こんなおっさんになりたいもんだ。


他にも挙げたいシーンはきりがないのですが、何しろ字幕を追うのが必死で頭の整理がいまだに追いつかず、リスニングで済ませられない自分を嘆くばかり。もう2度か3度は観なおしたいですね。

ちなみに僕はSNSというものに一度たりとも触ったことがないので、フェイスブックがどれほど経済的にも文化的にもセンセーショナルだったのかは、いまいち計りきれません。フェイスブック創始者たちを知って、ただ「この人たちの頭、パねぇ!」と感じただけ。映画を観てSNSをやってみようとか、そういう気にはなりませんね。しっかし世の中の全ての市場ってのは、やっぱエロいことに端を発しているのは、間違いないっすね。不純な動機なくして利潤なし、ですか。恒久の理だ。


デビッド・フィンチャー作品の中では、スピード感なら「ファイトクラブ」、効果は「ゾディアック」に近いでしょうか。終わり方は「ゲーム」に並んで好き。「ベンジャミン・バトン」のノリで観るとコテンパンに打ちのめされそうです。ほんま緩急自在やで、デビッドはんは。

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