
先日公開された宇宙戦艦ヤマト2199第五章PVにて、個人的に最も気になったワードは『救済』という言葉でした。
“彼女”の言葉を信じる限り、ビーメラ星は嘗てイスカンダルの『救済』対象となり、現在に至っているようです。
ビーメラ星の状況がPVを見る限りでは文明国として『終ってる』っぽいところに、何やらひどく象徴的なものを感じてしまいます。
イスカンダルの『救済』は決して万能ではないし、悪い意味での劇薬となり得る・・・・・・みたいな。

奇しくも第三話『木星圏脱出』で沖田艦長が呟いていました。イスカンダルからもたらされた次元波動エンジンは『禁断のメギドの火』であり、それを用いることは『試し』であると。
確かに、イスカンダルが地球に対して行ったことは、数世代を遥かに超越したオーバーテクノロジーを無償提供し、その使用可否はもちろん、どう使用するかまで地球人に委ねるというものでした。
仮に地球人が『救済』そのものの真贋を疑わなかったとしても、使い方に関してはイスカンダルが示した方法を取らない可能性もあります。
第五章で発生が示唆されている『叛乱』もその一つの可能性です。
『救済』によって波動エンジンを実用化しても、イスカンダルには向わず、単にどこか別の星に避難する為の『足』としてしか使用しないかもしれません。
もしくはその波動エンジンを用いた戦闘艦でひたすら侵略者の撃滅を希求するかもしれません。
技術というものは、時間の経過と共に一段一段ステップアップしていくもので、その進展に伴って使用倫理(感情のコントロールと言うべきか)も徐々に形成されていきます。
しかし、ある日突然、遥か未来に位置する技術がもたらされたとすれば、手にした技術に倫理や感情が追随できず、暴走してしまう可能性は決して低くはありません。
イスカンダルからの『救済』にはそうした危険性があり、『試し』に失敗して結果的に身を滅ぼしてしまったのがビーメラ星なのかなぁ・・・・・・とか思ったり。

仮に『オーバーテクノロジー(より優れた文明)による滅亡からの“救済”』がイスカンダル主義の正体だったとします。
但し、この“救済”は決して強制的なものではなく、最終的な選択はあくまで救済対象に委ねられています。
しかし、この“選択”こそが諸刃の剣であり、救済対象の未熟さ故に自滅してしまう可能性もある、、、というよりも、むしろその可能性の方が高そうに思えます。
ここで一つ興味があるのが、ガミラスがイスカンダルの救済対象となったことがあるのかどうかですね。
もしガミラスがイスカンダルの救済対象となったことがあり、『試し』に成功した結果として現在の繁栄を手にしたのなら、あるいは自分たちこそイスカンダルの代理者である主張したりしているのかもしれません。
『“より優れた文明”による“強制的な”救済』
劣等文明、劣等民族に優れた技術と選択権を与えても、結局は身を滅ぼすだけなら、優等民族である我々が強制的に未来へと導いてやる・・・・・・みたいな。
もしそれがデスラー・ドクトリンの正体なら、イスカンダルとガミラス、どちらの『救済』の方が生存率が高いでしょうね。
まず間違いなく、純粋な生存率であればガミラスによる救済の方が高いでしょう。
大変皮肉なことですが、『自分で考えて選択する』という行為はそれだけ重いものだということがこの先のストーリーで語られたりするのかも?
3月11日12:30追記
オリジナル版では、イスカンダルが地球を助けてくれた理由って憐憫みたいな感情面以外、特に語られなかった気がするんですけど、2199ではどうなんでしょうね?
地球への救済については『いやー、ウチの名前(イスカンダル主義)をかたってるお隣さん(ガミラス)が御迷惑をかけまして』てな動機もあったりすると思うのですが。
それとは別に、『遥か昔』から『救済』を『使命』としているイスカンダルの動機は???
何やら『贖罪』めいたものを感じるのですが・・・・・・どうなんでしょう?うーん。

以上、ツラツラと思いつくまま書いてみましたが、殆ど根拠のない勝手な妄想ですので念のためw
因みにシャルバート王家はアクエリアス王家(仮)の子孫と妄想しています。
すげーーー、一気に世界が繋がったw
実際のところは最終章を観終わるまでまで分らないとは思いますが、思いもがけない繋がりはこれからも隠し玉として出てきそうな気はしますね(^o^)
映画(アニメ)と漫画が足りない描写を補い合うように展開されているのであれば、イスカンダルの加護はワープのように、宇宙全体に影響する事象に対してのみ有効とも考えられますね。
ところで、
地球は自ら引き金を引いたとはいえ、「外圧」による末期的状況下にあります。
この状況下での真の「救済」とはガミラスとの交渉の席を設けることではないでしょうか。
また、本当に「救済」が『相手の救済』であれば、ここまでの末期的状況下になる前に手はあったはずです。
…厭な見方ですが、
イスカンダルの『救済』とは
「末期的状況下にある『イスカンダルの』救済」
である可能性すらあります。
「末期的状況下においても一定以上の知性を保ち、イスカンダルの民に迎えるに足るか選別している」という意味で。
ビーメラ星のように失敗した星ばかりで、なりふり構っていられなくなったからこそ地球のような技術水準の低い星にも『救済』を実施したとか。
漫画版での、「女神さまも意地が悪い」というセリフが現実にならねばよいのですが…。
最も、地球側も色々と企んではいるようですけど…ここまでの技術格差の上では、釈迦の掌ならぬ「女神の掌の上で踊らされているだけ」な可能性があるのが怖いです…。
…えらく怖くなりました。
「ヤマト」の名の意味は、「戦艦大和」にとどまらず、歴史及び神話的にも大変重いと実感いたしました。
反対勢力のもみ上げの方が政権奪取の為に暗殺を企てるって感じでしょうか?
こんにちは~♪
> 真の「救済」とはガミラスとの交渉の席を設けること
確かにそうですね。
苦労して汚染された地球を浄化しても、圧倒的な軍事力を誇るガミラスの侵攻をどうにかしない限り、結局のところ地球人類は滅亡の運命を免れないですから。
ただ、ここまで一方的展開の戦争を交渉のテーブルにまで持ち込むのも至難でしょうし・・・・・・うーん、難しいところですね。
> 「末期的状況下にある『イスカンダルの』救済」
この可能性は全く思いつかなかったなぁ・・・・・・。
でも、単なる慈善としてやってますと言われるより、遥かに蓋然性は高い気がします。
> デスラードクトリン=イスカンダル主義の後継者
オリジナル版のガミラスは、母星の寿命が尽きかけているという理由で対外侵略に走った訳ですが、2199では今のところそうした事情は見られませんね。
単なる覇権主義としてであれば、イスカンダル主義は国民に対する大義名分という位置付けのような気がします。