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(有)村田牧場通信

(有)村田牧場から情報を発信するブログ

クラブ提供馬2頭(現1歳世代)の近況

2020年03月01日 | クラブ募集馬
この週末のJRAの競馬は、新型コロナウィルスの影響で無観客開催となりましたが、当場生産馬からはメルテッドハニーとセツメンノトビウオが出走しました。

マーガレットS(阪神芝1200、リステッド)に出走したメルテッドハニーは、最低人気ながら上がり3Fが2番目に早い末脚を見せて2着に食い込みました。

差し競馬をさせたかったようですが、松山騎手の好騎乗もあり、リステッドレースというレベルの高い舞台ながら見事な差し脚を見せたメルテッドハニー。

次走も期待できそうなレースでした。

セツメンノトビウオのほうは、中山3歳1勝クラス(芝1600)に出走しました。

3番人気で迎えたレースでは、道中4番手あたりにつけながら先頭集団を追いかけます。

最後の直線では先頭に追い付こうと頑張っていましたが、結果は3着でした。

3カ月休養明けで臨んだ今回のレースでは、プラス20kgの馬体重でしたが、これは成長分と見てとれる雰囲気でした。

一度叩かれた次走では、さらに良い競馬が期待できそうです。

そのセツメンノトビウオの半妹で、ローレルクラブに提供しているダンシングハートの2019について近況を報告いたします。







【体高】148cm 【胸囲】163cm 【管囲】19.2cm 【馬体重】351kg ※2月29日現在

前回の近況をお伝えしたときより、数字上も順調に成長していると言えます。

体高はこの時期の牝馬としては十分だと思いますが、馬体重は体高に比べるとそれほど重くないほうです。

セツメンノトビウオもそうでしたが、このきょうだいは母ダンシングハートの素軽さを受け継ぐところがあり、本馬の馬体にもそういう面が窺えます。

ただ、体高のほうはある程度上がっていきそうな雰囲気で、これは明らかに父ダンカークの影響と言えるでしょう。

当場におけるダンカーク産駒は、オーパキャマラード(現2勝)につづき2頭目ですが、オーパキャマラードもかなり体高がある一方で素軽さを感じさせる馬体です。

一概には言えませんが、「ダンカーク産駒は重たく見せるより素軽く見せるほうが走る」という見方があるようで、その意味では本馬の馬体は後者のカテゴリーに該当します。

今後も平均的な馬体重ながらも体高はある、という成長をしていきそうな気配です。



次に、ターファイトクラブに提供しているラヴァーズレーンの2019についての近況です。







【体高】152cm 【胸囲】169cm 【管囲】20.2cm 【馬体重】395kg ※2月29日現在

彼女はいま現在、当場における最も馬格に恵まれている一頭だと言えます。

母ラヴァーズレーンは1歳時の頃は他馬に比べて小柄な馬体で、競走馬になってから馬格に恵まれるようになった馬です。

ただ、彼女の産駒は平均して幼駒時から馬格に恵まれている面があり、本馬もやはり立派な馬体の持ち主です。

一方で、父ホッコータルマエも馬格に恵まれた種牡馬なので、本馬に関してはどちらの血が強く出ても立派な馬体になっていくでしょう。

相変わらずどっしりとした馬体をしていて、放牧地では他馬とともに運動して、馬房で舎飼いしている時間帯はしっかり寝るという、オンとオフがはっきりしているタイプの馬です。



例年の冬とは異なり、暖冬の影響で今年の冬はあまり雪が降っていません。

そのため、凍った地面が剥き出しになっている時期が長いことなどが影響して、一時期は放牧地での運動量が少し減っていたように思います。

冬期の昼夜放牧をしている他の牧場さんたちと話すことがあるのですが、やはり同じような印象を持っていました。

ただ、一時期はこちらが期待するほど成長を見せていなかった馬たちも、ここにきて順調な成長を見せるようになってきています。

上記のクラブ提供馬2頭は順調な成長を見せていますが、それでも個々の成長曲線にはしっかりと気を配る必要があると感じています。



現2歳世代のクラブ提供馬3頭の馬名が決定!

2020年02月17日 | クラブ募集馬
当場からローレル・ターファイト各クラブに提供している現2歳世代の募集馬3頭の馬名が決定したとのことなので、紹介させていただきます。


(ローレルクラブ提供馬)
ハーランズルビーの2018…「フロムディスタンス」 From Distance 「離れた場所から」どこにいても声援が集まるように

(ターファイトクラブ提供馬)
メジェルダの2018…「メディーヴァル」 Medieval 「中世の、古風な」母名、母父名の響きより連想

ゼフィランサスの2018…「ドゥラモンディー」 Drummondii ゼフィランサスの一種の白い大輪花。母名及び父名の響きから連想


3頭とも満口にしていただいたなかで、多くの方々から馬名候補をいただきました。

馬名選考については私も携わりましたが、素敵な名前が多くて、皆さんの一つ一つの馬名候補に想いが詰まっていると感じました。

今後、このブログ上では上記の馬名を用いさせていただきます。

馬名採用された会員の方々へ。

改めて素敵な馬名を命名していただきありがとうございました。

命名してくださった会員の方々はもちろん、出資会員の皆さんの想いも乗せながらデビューに向けて3頭とも頑張っています。

今後とも彼らの応援をよろしくお願いします!



ローレルクラブ提供馬のベルキューズ号が4歳以上2勝クラスを快勝!

2020年01月13日 | クラブ募集馬
1月13日、中山第8R4歳以上2勝クラス(ダ1800)に当場生産馬でローレルクラブに提供しているベルキューズ号が出走しました。





2番人気で迎えたベルキューズは、C・ルメール騎手を鞍上に好位で追走しながら最終コーナーを迎えます。

直線では一騎打ちの形になりましたが、最後は2着馬を交わし切って見事優勝してくれました。

出資会員の皆さま優勝おめでとうございます。

当場生産馬は、昨年JRAで19勝してくれましたが、今年は本馬が初勝ちとなりました。

今日に関しては、鞍上のルメール騎手がうまく乗ってくれた面も大きいと思います。

確かな末脚がある馬ですが、スタート直後のコーナーを迎えるあたりで無理なく好位につけるあたりは、さすがにリーディングジョッキーと思わせてくれる好判断だったと思います。

厩舎サイドの話しでは、まだ伸びしろがありそうとも聞いています。

一度休養に入ることになるかもしれませんが、出資会員の皆さまには今後も彼女の活躍に期待していただきたいと思います。




クラブ提供馬(明け1歳)の近況

2020年01月07日 | クラブ募集馬
当ブログをご覧の皆さま。

今年もよろしくお願いいたします。

今回はローレル、ターファイト両クラブに提供している明け1歳馬の近況についてご報告いたします。

まずは、ローレルクラブに提供しているダンシングハートの2019の近況をお伝えします。





【体高】146cm 【胸囲】157cm 【管囲】19.0cm 【馬体重】333kg ※12月31日現在

顔が小さいタイプで、あまり大きく映らないタイプかもしれませんが、生まれて当初より平均以上の馬格で成長してきている馬です。

12月31日時点の体高や馬体重も当場の平均を上回っていて、現時点での1歳牝馬としては十分と言える数字です。

当場でダンカーク産駒を扱うのは、ターファイトクラブ提供馬のオーパキャマラード(現2勝)に次いで2頭目となります。

ダンシングハートの2019は、オーパキャマラードほどではないものの牝馬としては十分の馬格で、張りがありながらも重たくはないという点ではオーパキャマラードと似ています。

普段はおとなしい一方でどこかピリッとした面があり、これは当場にいた頃のオーパキャマラードにも見られた気性なので、父ダンカーク譲りのものかもしれません。

離乳後は現在の冬期を含めて昼夜放牧を続けていますが、一度も熱発などの病気もせず、順調に成長しています。

昨年は、半兄セツメンノトビウオが2歳のうちに勝ち上がってくれましたが、この馬も昼夜放牧を通じてしっかりと基礎体力を付けさせながら、早期デビューを狙えるような丈夫な馬体に成長させたいと思っています。

なお、本馬の血統・配合については過去に記事を書いているので、こちらからご参照ください。




次に、ターファイトクラブに提供しているラヴァーズレーンの2019の近況です。





【体高】148cm 【胸囲】168cm 【管囲】19.6cm 【馬体重】378kg ※12月31日時点

当場の明け1歳馬のなかでも、特に馬格に恵まれた馬体をしています。

母が19歳時に産んだ仔ですが、普段から必要なサプリメントを給餌したり整歯するなど、高齢による出産がマイナスにならないように心掛けてきた結果、非常に立派な仔が生まれてくれました。

父ホッコータルマエについては、昨年のセールでも高評価を受ける産駒が多くいましたが、この馬も好馬体と言える馬体をしています。

気性面が非常にどっしりとした馬で、モガミヒメ牝系らしく気の強い面を見せることもあるものの、基本的には扱いやすい気性をしています。

父がホッコータルマエで、母がダート1800前後を得意としていたこと、さらに気性面でカリカリした面がなくどっしりとしている点などを考えると、ある程度距離をこなすタイプに成長しそうな印象です。

血統的に考えても主戦場はダートということになりそうですし、馬体の厚みからもダート適性が高いと感じています。

こちらも冬期を含めて昼夜放牧中ですが、熱発やケガもなく順調ですし、成長過程に癖がない馬なのでこのままの雰囲気で成長していきそうな気配です。

なお、本馬の血統・配合については過去に記事を書いているので、こちらからご参照ください。



【血統・配合】ラヴァーズレーンの2019(牝 父ホッコータルマエ ターファイトクラブ提供馬)

2019年11月22日 | クラブ募集馬
今回は、ターファイトクラブ当歳馬募集にて当場から提供しているラヴァーズレーンの2019について紹介します。








10月上旬に開催されたターファイトクラブ秋のツアーでは、北海道市場にて皆さんにご視察いただきました。

離乳済みの状況でツアーに参加した本馬は、10月中旬には繁殖本場から1歳分場へ移動。

当初からどっしりとした気性をしていたので、環境の変化にもすぐに順応しました。

牝馬ながら馬格に恵まれていて、当場の当歳馬のなかでは一回り大きな馬になるでしょう。

母ラヴァーズレーンが19歳時に産んだ本馬ですが、母が高齢とはいえ整歯や飼養管理などをこれまで徹底してきているので、高齢馬による産駒の馬体的短所は見られません。

具体的には骨量も牝馬として十分ですし、飼い葉の吸収効率も良く馬体に張りがあり、馬体の内面の強さも窺わせます。

このまま順調に行けば、本馬の半姉で同じターファイトクラブでお世話になったスルターナ(牝、父キングヘイロー)に見劣りしないレベルにまで成長しそうな気配です。


父のホッコータルマエは、このブログで初めて扱います。

現1歳が初年度産駒であり、1歳馬セールに上場されていた産駒たちを見ましたが、ホッコータルマエ産駒は馬っぷりが良く見栄えがするのが特長です。

本馬の馬体の出来は明らかに良いと言えるレベルにありますが、セール上場馬を見ていると、本馬も含めてホッコータルマエ産駒は全体的に出来が良いと言えるかもしれません。

そのためか、今年の種付頭数は3年目にして初の200頭台に到達しました。

サンデーの血を持たないキンカメ系種牡馬ということ以外にも、初年度産駒の出来の良さが伝わって人気を博したのでしょう。

そのホッコータルマエですが、自身はMr.Prospector3×5を持ちます。





キングカメハメハ産駒のなかでもMr.Prospectorクロスを持つのは成功パターンと言える配合ですが、なかでもダート路線での活躍が目立つ印象で、最近ではJBCクラシック(Jpn1)を勝ったチュウワウィザードもこのパターンです。

キングカメハメハはNijinskyの血を持っていますが、この血はMr.Prospectorと比較的相性が良い血なので、キングカメハメハ産駒が持つMr.Proscetorクロスをサポートするのかもしれません。





Mr.Prospector≒Northern DancerによるNearco×Native Dancerのほか、Miss Dogwood≒Bull PageによるBull Dog×Blue Larkspurの相似クロスも成り立つ関係です。


ホッコータルマエの血統においては、彼の母マダムチェロキーの血統にも注目すべきです。

マダムチェロキーは父Cherokee Run内のBetter Self≒Blue Eyed Momo、そして母父Unbridledが持つBetter Self≒Busandaを通じてBetter Self≒Blue Eyed Momo≒Busandaというパワフルな米血脈による相似クロスを形成します。





1つの血統表の中に3つの血脈を押し込めていますが、War AdmiralとLa TroienneそしてBlue Larkspur(もしくはその2代父Black Toney)を持つことでそれぞれ相似関係にあります。

彼女の息子であるホッコータルマエはBuckpasser6×7を持つほか、Sex Appealを通じてBusanda≒Mr.Busherも持っていて、これらはBetter Self≒Blue Eyed Momo≒Busandaを継続強化する血統パターンになります。

このように、ホッコータルマエの血統に関してはMr.Prospectorクロス+Nijinsky、さらに彼の母由来のBetter Self≒Blue Eyed Momo≒Busandaによる相似クロスというのが彼の血統的特徴だと考えています。


次に本馬の母ラヴァーズレーンについても触れておきましょう。

ラヴァーズレーンはメジロライアン×モガミヒメの配合になりますが、メジロライアンを配合相手に選んだ理由の一つは、モガミヒメの血統にHyperionのラインがあまり入っていなかったので、その血をうまく入れたいと思って馬格的にも優れていたメジロライアンを選びました。

Hyperionの血は一瞬の切れ味は伝えませんが、持続するスピードを伝える傾向にあるので、モガミヒメ牝系がもたらす短距離スピードをもう少し持続させる狙いがありました。

また、ラヴァーズレーンの血統に関しては以前にこのブログ内の記事で扱ったことがあるので、そちらをご参照いただきたいのですが、彼女の血統パターンは大きく分けて3つ特長があります。


①Mahmoud≒Nasrullahによるスピード系の相似クロス

②Prince Chevalier≒Princequilloの相似クロスがもたらす中距離系のスタミナ

③Bull Poise≒Gagaによる米血脈による力強い牝馬クロス


①に関しては、ホッコータルマエが母父Cherokee Run(米G1BCスプリント勝ち馬)を通じてNasrullahやMahmoudさらにはRoyal Chargerがもたらす短距離スピードの血脈があるので、これと合わせることでラヴァーズレーンの持つスピードを継続強化できると考えました。





②に関しては、ラヴァーズレーンの2019の代でPrince ChevalierクロスとPrincequilloができるので、ラヴァーズレーンの持つPrince Chevalier≒Princequilloの相似クロスを継続強化できます。





③に関しては、Bull Poiseはアンバーシャダイの母父であるAmbiopoiseの母であり、GagaはTom Foolの母になります。





ラヴァーズレーンの母であるモガミヒメがTom Fool4×5を持っているので、その血統傾向を活かす意味でもBull Poise≒Gagaは意味がある思います。

また、ラヴァーズレーンの2019の代では父ホッコータルマエが持っていたBuckpasserクロスが継続されます。

Buckpasserの父はTom Foolなので母ラヴァーズレーンの血統的特徴を活かすことができますし、Buckpasserの母Busandaを通じてホッコータルマエの血統傾向を継続することもできます。

さらに、本馬の血統ではNijinsky7×5ができるほかMr.Prospector≒Alydarの相似クロスもできるので、これもまたホッコータルマエの血統パターンの継続につながります。


こうして見ると、父母それぞれの血統パターンを活かすような配合になっていることがわかると思います。

ラヴァーズレーンの2019自身の馬体を見ると、馬体のバランスや四肢の丸味を帯びた筋肉などを見ると、どちらかと言えば父似の印象です。

ただ、牝馬でも骨格がしっかりしているのはラヴァーズレーン産駒の特徴でもあるので、このあたりは両親の影響と言えるかもしれません。

牝馬ながら気性的にどっしりとしていて、教えたことを比較的素直に覚える面もあって、当場としては扱いやすいタイプの牝馬です。


配合レベルではある程度の素質を与えたつもりなので、あとはしっかりと飼養管理をして強い馬に育つように成長をサポートしていきます。

ターファイトクラブの会員の皆さまには、この記事が出資馬選定の一助になれば幸いです。

今後とも、ラヴァーズレーンの2019の成長ぶりに是非ご注目ください。