ロック探偵のMY GENERATION

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東日本大震災から7年

2018-03-11 16:42:41 | 時事
今日は、3月11日。

東日本大震災から、7年目となりました。

記憶すべき日ということで、今回は、震災後の日本について書きたいと思います。

7年が経ったとはいえ、被災地の復興はまだ十分に進んでいるとはいえない状況のようです。
福島第一原発の事故も、いまだ収束しているとはいえません。
ようやく溶け落ちた燃料を取り出す糸口ぐらいは見えてきたようですが、果たして実際に取り出すまでにあとどれぐらいかかるものか……

復興が進んでいる部分であっても、その方向性に疑問を呈する声が出ている場合もあるようです。
大規模な土木工事をしても、果たしてそこに戻ってきて生活する人がどれだけいるのか……という問題です。地価の高騰があり、また、長い年月が流れたこともあって、もとの地に戻ることをあきらめている人も少なくないようです。
戻るとなれば、ある程度の人数がまとまって戻らなければ共同体は再興できないでしょう。
そこで生活していくためにの商店などがなければ、戻っても生活は難しい。一方、店を開く、あるいは再開しようと思っても、商売が成り立つだけの客がいるかという問題がある……そのため、どちらか一方だけが先行して戻るということはできない。東日本大震災が引き起こした被害はあまりにも甚大だったために、そういうふうになってしまっている部分があると思われます。

さて、ここまでは震災がもたらした物的な被害について書いてきました。

ここからは、震災後の社会を、また違った視点からみてみたいと思います。

このブログでは何度も似たようなことを書いてきましたが……ここ数年で、この国はどうもおかしな方向にいっているような気がしてなりません。

特に政治に関してですが、なんでこんなことがまかり通ってしまうのかというような、信じられないようことが次々に起こり、しかもそれがほとんど騒がれず、しばらく経つと何事もなかったかのように物事が進んでいる……この様子が、じつに無気味に思えます。

以前ツイッターをみていて、「政府を批判することが、クレームのように受け取られてるんじゃないか」という意見がありました。
野党やマスコミが政府を批判すると、「理不尽なクレームをつけている」と受け取る人が多数いるというのです。
そういわれると、いまの状況も納得できる気はします。
それが、結果として、いくつもの不祥事がスルーされてしまう原因の一つになっているように思えるんです。

この五年ほどのあいだ、いろんな醜聞がありました。十年ぐらい前だったら政権が退陣に追い込まれていたような事案もいくつかあったと思います。しかし、いずれもうやむやになってしまいました。

そんなふうになる理由はいくつかあると思うんですが……そのなかの一つには、震災が作り出した時代の空気もあるんじゃないかと私は思っています。

以前、「地震の後には戦争がやってくる」という忌野清志郎の言葉を紹介する記事を書きましたが、そこで書いた状況がいまの日本に起こりつつあるんじゃないか……そんな気がします。

“和”を強調するあまり、異論を唱えることそれ自体を、よくないこととみなすような雰囲気が醸成されているのではないか。あるいは、もともと日本にあったそういう風土を、震災後の状況が助長したのではないか。

その見方からすると、この国は非常にまずい状態に陥っているということになるでしょう。

政府が多少無茶なことをしても、それが退陣にまで結びつくことはない。その状況をいいことに、政府はどんどん好き放題なことをやるようになる……
その行きつく先が、今回の公文書改ざん問題なんじゃないでしょうか。


以上、震災から7年のいま思うことについての記事でした。
もちろん、そんなに単純な図式で考えられる話でないことは百も承知ですが、そういう側面もあるんじゃないかということです。
建物やインフラの復興も重要ですが、目に見えない部分も復興していくことも大事でしょう。そろそろ、そういうことを考える時期にきているように思えます。


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