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福祉について考えるUMEMOTOのブログ

認知症を知る1年

2005-04-03 21:00:25 | 認知症
平成17年度は、介護保険の改正という非常に重要で変化の多い年になりそうであるが、「認知症を知る1年」という国の取り組みが行われることになっている1年でもある。
これは、昨年末に“「痴呆」に替わる用語に関する検討会”がまとめた報告書にも記載されており、これを受けて国は、これまで以上に強力かつ総合的に認知症対策を推進するとともに、平成17年度を「認知症を知る1年」と位置付け、関係機関・団体等と協力して、効果的な広報・情報提供を行うこととしている。

この背景には、さまざまな要因があげられる。
まずは、認知症の人の増加がある。長寿化により、否応なく一定の割合の人が加齢とともに認知症になってしまう。もちろん加齢以外の場合もあるが。また、認知症の研究が進んだことにより、より正確な把握が可能になってことも原因のひとつにあげられる。
現在、我が国では、要介護認定者の2人に1人について痴呆の影響(「痴呆性老人自立度II」以上に該当)が見られ、その数は約150万人(2002年)にのぼっている(厚生労働省調べ)。高齢化の進展に伴って、このまま推移するとこうした痴呆性高齢者の数は、2015年には約250万人に、2025年には約320万人に増加すると予測されている。
それを受けて、高齢者介護研究会が2003年にまとめた『2015年の高齢者介護』でも、認知症高齢者の尊厳の保持を掲げていおり、今後認知症高齢者の介護が重要なものであることを明確にしている。そして、「認知症ケアモデルの構築」が必要だとして、認知症専門医を含めた人材の育成や予防・早期発見、ケアプラン、権利擁護などの取り組みが必要だとしている。
また前述したように、認知症の研究が進んできたことも大きな要因のひとつであろう。

昨年を思い返してみると、認知症高齢者が小規模単位で生活するグループホームが一年を通して話題になっていたし、10月には京都において国際アルツハイマー病協会国際会議が開催され、認知症の人本人が自らの言葉で語ったことに大きな衝撃を受けたことがあった。
これらの大きな流れを考えると、関係者の努力が実り、機が熟した結果であろうし、必然であったのかもしれない。今は、その流れがさらにさまざまな取り組み・実践を飲み込み、大きなうねりになっているように思える。

国は、認知症の人の尊厳を保持するために10ヵ年戦略を立てて行動していくことにしており、まずは今年度1年を「認知症を知る1年」として各地でさまざまな広報・取り組みを行っていく。
そのひとつに、認知症高齢者のケアプラン「センター方式」の普及がある。昨年1年かけて全国16ヶ所でモデル事業をおこなった結果、認知症高齢者のケアの視点が養われるとの評価を受けている。
また、グループホームも含めた認知症の研修が本格化していくなど、私たちが認知症という言葉を目にする機会も増えてくるだろう。その時は、ぜひ私たちも傍観者になることなく、積極的に認知症に対して向き合っていきたい。今後、介護に関わる職業においては、間違いなく必要な専門知識のひとつになるだろう。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして☆ (佐藤帝泉浩)
2005-04-05 14:45:00
私は特養で介護をしています♪

”若手の福祉会議”覗かせてもらいました!

まだまだアンダーグラウンドな介護の現場で、このような取り組みは大賛成です☆



私のブログも介護について色々書いていますので、良ければ覗いてください~
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こちらこそ (UMEMOTO)
2005-04-05 18:52:21
ありがとうございます。

「若手の福祉会議」ともどもよろしくおねがいします。
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興味ありです! (佐藤帝泉浩)
2005-04-05 21:23:10
早速、若手の福祉会議に登録させていただきました~☆

何をするものなのかも良く分からずですが・・・

どうぞ、ヨロシクお願いします♪

ちなみに今年で26歳です
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トラックバックありがとうございました (funnu)
2005-04-06 02:18:53
トラックバックありがとうございます。

介護予防について、UMEMOTOさんのblogはとても参考になります。

それ以外ももちろん勉強になってますけど。

今後もよろしくお願い致します。

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