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福祉について考えるUMEMOTOのブログ

これからの生活を支えるためには…

2006-10-18 21:44:30 | 福祉雑記録
最近はいろんな商売があると関心していたが、亡くなった人の『遺品整理サービス』なんてものまであるらしい。

引越しをしていた会社が、遺品の整理を頼まれることが多くなったのをきっかけにサービス化したそうだ。家具などの大きいものから、食器、衣類など身の回りのものまで生活の跡をそのまま請け負っている。中には、仏具関係のものまであり、お寺さんに処分を頼むなどの適切な処理をしているとのこと。

家族の形態は時代とともに変化してきている。三世代家族から核家族へ。兄弟の数も少なくなり、夫婦共働きの世帯も増えている。
家族のかたちが変わっただけでなく、家族に対する考え方も変わったように感じるのは私だけだろうか。
自分のことは自分で。親のことよりも自分たちのこと。
遺品整理サービスがクローズアップされることは、家族のつながり、意識というものの変化を感じさせる。

成年後見制度や地域福祉権利擁護事業のニーズが高まっているのも、社会全体の方向性が個人主義に向かっているからかもしれない。
家族、親戚がいても関わることを拒否することはめずらしくない。親を思う気持ちよりも、煩わしさのほうが勝るのだろう。
日本の法律には、養護者を定める法律はない。相続権や順位などは決められていても、親族だからといって養護する義務はないのが現状だ。

判断能力が衰えても、自立して暮らしていくための方法の一つとして期待されている成年後見制度だが、問題も露見している。
制度利用者も増え、広く知られるようになってはきているが、その分さまざまな人が法を悪用するようになってきている。
代理権があることを悪用し、自らの利益になるように財産を操作したり、サラ金業者と結託し、認知症の親族からお金を騙し取ったりという事件が連日報道されている。
また、職業後見人(弁護士、司法書士、社会福祉士など)と呼ばれている人たちの数が圧倒的に不足していることも問題になっている。今後、身寄りのない人や、いても誰も面倒をみないような人が増えてくることを考えると、急務の課題である。

これからの社会において、生活を支えるための手立てはないだろうか。
金銭管理だけでみれば、地域福祉権利擁護事業の機能をより拡大・強化し、判断能力の有無に問わず、利用ができるようにすることはどうだろうか。
また、後見人が不足していることに対しては、一般市民から募集・養成した市民後見人を起用する動きはすでに始まっている。
最も有効なのは、自らが来たる時に備えておくことかもしれない。信用できる人を任意後見人にしておいたり、早めに住み換えをするなど自分たちができることはまだまだある。
制度などが分からなければ、まずは相談をすることが第一歩だろう。

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