むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

越南における東アジア大衆文化受容 中華に近い韓国が多く、日本は限定的

2011-11-22 16:52:34 | アニメ・ラノベ
越南の大衆文化にも注目した。
まずドラマ。
テレビ(国営)で流れるドラマは一番多いのが中国もの、次に韓国、その次に台湾の台語劇。
時代劇については越南そのもののはなくて全部中国もの。現代劇だと中国と韓国と台湾が並ぶ。
時代劇はいわゆる武侠ものが多い。これが日本人の私にはよくわからないジャンルだ。
しかしせっかく「民族の歴史」を作り上げたのに、なぜ時代物は中国物ばかりなんだろうね。おかげで今回会った越南人の30代の学者は「越南の歴史はあまり知らない。ドラマのせいで知っているのは中国の歴史」といっていたくらいだ。
これもある種の危機だ。

流行音楽については、韓国のものが圧倒的。
テレビで流れる曲もほとんどが韓国もの。日本語で歌ったものもあるが、韓国のもの。
しかも、越南一番人気の女性歌手・美心(ミー・タム、My~ Ta^m )の正規版CDを買ったが、編曲からミキシングから韓国人がかかわっていた。
一方、台湾ではあれだけ溢れている日本大衆文化は、越南では影が薄い。

漫画も韓国漫画のほうが多かった。
日本のものは一般書店では「ドラえもん」と「コナン」を見かけるだけ。本当はもっと多くの漫画本が出ているんだが、たまたま通りがけで見かけた、老夫婦がやっている小さな古本屋と、諒山の古本屋にけっこうあった以外はあまり見かけなかった。
これらの古本屋で「天は紅い河のほとり」「星に願いを」「ワンピース」「ラブコン」「銀魂」「犬夜叉」「07-GHOST」のそれぞれ見かけた一つの巻だけを買った。
あとは「鋼の錬金術師」「BLEACH」「NARUTO」「結界師」「ガラスの仮面」「王家の紋章」あたりを見かけた。あと、知らない少女漫画はけっこう多かったが。
ヲタクものでは「07-GHOST」くらいか。意外にも「けいおん」「らきすた」「地獄少女」「デスノート」、それからラノベの類は見かけなかった。
「けいおん」「らきすた」や、ハルヒに代表されるラノベは、前提となっている生活スタイルが、かなり先進的なので、アジアでは韓国・台湾レベルじゃないと受け入れられないのだろう。「地獄少女」も中華とは違う日本的なものなので、越南人には理解できんのかも知れない。

アニメは海賊版しか見かけない。ショップや露店では、「ポケモン」みたいな定番を除けば深夜アニメ系では「フルーツバスケット」をよく見かけたが(けっこう古いね)、あとは「ヴァンパイヤ騎士」「こばと。」「カードキャプターさくら」あたりを見かけただけ。
ヲタク向け最新作では、ある店には、なぜかいきなり「緋弾のマリア」(中国字幕版のようだ)があったw。
ここでも京アニ系はなし。

おそらくネトウヨの類は、韓国大衆文化が多いと聞くと目をひんむいてファびょるかも知れないw。「韓国政府の国策ある!いけないある!」とでも叫ぶのだろう。
だが、どうして韓国のほうがセンスや観念が古いからこそ、第三世界でより受け入れられやすい、とは考えないのだろうか?
その点でネトウヨの頭の固さこそ韓国人とそっくりだw。

越南についていえば、韓国のほうが日本よりもよほど中華的で、価値観も古いから、受け入れられやすいと考えるべきだろう。
越南人から見て、日本のものは社会発展レベルでも進みすぎていて、手に届かないうえ、中華的でもないから、理解しにくい。

そういう意味では、台湾でこれだけ日本文化が受け入れられているのは、発展段階以上に、台湾人が一般に思われているほどには中華的ではないからなのだろう。


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