むじな@金沢よろず批評ブログ

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主催団体の予想を上回る盛況となった8・30馬英九失政抗議デモ

2008-08-31 03:40:05 | 台湾社会運動
8月30日は、台湾本土派知識人団体の「台湾社」などが主催する、馬英九の失政に抗議するデモが台北市で行われた。27日で成立100日目となった馬英九政権だが、たった100日で失政続きで、経済は悪化する一方。8月中旬には、台湾社などが従来支持してきた陳水扁の不正蓄財疑惑が明るみになったため、10万人と設定した規模が縮小する恐れもあったが、結果的には陳水扁要因はまったく利かなかったようだ。
というのも、この時期にあわせて陳水扁のスキャンダルが明るみになるのは、どうみても馬英九政権によるこの日の活動を押さえつけ、自らの無能を隠蔽しようという政治目的がミエミエだったのと、そもそも緑陣営の多くも陳水扁は過去の人という意識が強く、陳水扁のスキャンダルはまったく打撃にならなかった。いや、むしろ馬英九政権の姑息な政治目的に反発した人が多かったのか、逆に国民党支持層の参加も呼び込んでしまったような感じがした。

国民党系メディアは「陳水扁擁護の集会」などと矮小化に躍起となっていたが、私が見て回ったり、参加者に話しかけたりした感じでは、実際にはまったくそんなことはなかった。少なくとも私が見た限りでは、陳水扁を弁護する人間はいなかった。もちろん陳の違法性は証拠が出てきていないし、国民党系メディアの「暴露」や政治目的には懐疑的な人は多いのだが、陳の行為は台湾や支持者を裏切るもので愚かなものである、というのが、参加者の多くに共有されていたようだった。

参加者は主催者発表で30万人、国民党系メディアは4万人だったが、私が現場を見て回った感触としては、10-15万人といったところだろう。台湾社が公式に予測していた10万人を確実に超えていた。2003年9月6日の「正名運動」の15万人前後と同等の規模だ。普通、参加者規模は主催者発表と警察など敵対陣営の発表との等比中項が真実と言われているが、その通りになった。

ところが、デモの終点で集会が開かれた総統府前広場=ケタガラン通り周辺の会場設計を見うると、台湾社はあまり自信がなくて、5万人程度しか集まらないと思っていたのではないか?というのも、舞台活動を伝える中継画面はケタガランの中央に1台だけで、張栄発基金会(旧国民党本部)なども人で溢れていたのに、画面を設置することなく、ほとんどの参加者が舞台で何をやっているのか、わからない状態だったからだ。
今回、民進党は参加を呼びかけただけで、準備、設営、進行には積極的に関わっておらず、台湾社の中の北社が中心となって行ったからか、会場設計の面での不慣れが目立った。

とはいえ、単なる民間団体の呼びかけで、成立わずか100日の政権に対して、これだけ多くの抗議、不満運動が起こったことは、驚くべきことである。しかも、どうも与党国民党内でも本土派に属する人も参加したようである。

もちろん、参加者の思いは一人一人違っていただろう。しかし、少なくとも馬英九政権の無能と失政に対する批判が広がっていることは、明らかになったといえる。
もちろん、これで馬英九政権が反省して目覚めて、政策ややり方を改善するとは思えない。そんな能力すらないからだ。だが、そのほうが都合が良い。
もともと中華民国とか国民党というのは、そういう集団だからだ。だからこそ中国大陸でも自滅に向かい、中国人民にも唾棄されたのである。国民党は「のらくろ」に出てくる山猿の軍よろしく、自ら仕掛けた罠に引っかかる性質は、昔から変わっていないようだw。

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