むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

野いちご学生運動1ヶ月目に1万人デモ

2008-12-08 13:04:11 | 台湾社会運動
中国特使台湾訪問時の過剰鎮圧に抗議して集会デモ法の改正などを求めて座り込みを続けている学生たちによる「野いちご」運動は、座り込み開始から一ヶ月の節目にあたる12月7日午後、「集会デモ法の自発的届出制への改正」を求める大規模なデモと集会を呼びかけた。好天に恵まれたことも幸いして、デモには最大時に1万人(同日夜の三立「大話新聞」)が集まった。ただし主催者側の発表では3千人、警察発表では1千人。私が見たところでは5千人強といったところか。
動員力のある民進党や有力市民団体の直接的支援がない中で、5千ー1万人規模を集めたのは、はじめてではないか。
デモは自由広場を出発して、中山南路で立法院前、忠孝東路を右折して行政院、警政署の向かい側を通り、林森南路で右折、済南路を右折、立法院裏手前を通り、総統府前広場にゴール、集会という形。

要求そのものにしたがって許可申請ではなく、自発的届出によるものだが、警察側は「現行法にのっとっていない」として受理せず、当日には取り締まりすらちらつけせていたが、多くの市民が集まる平和的デモだったこともあって、警察側はすくなからずの監視人員を動員したが、解散命令を出すことはしなかった。
それにしても、警察発表の1千人は明らかにおかしすぎる。道路許可申請が通っていなかったことから、道路をめいっぱい使えず、隊列は5列くらいが普通だったものの、先頭が林森南路にさしかかったころに、最後尾が出発したくらい多くの人が集まっていたのだから。しかも、学生だけでも1千人はいた。

そういえば、民進党政権のときには、デモや集会で警察の姿をほとんど見ることがなかったが、国民党になってからは、警察の姿が目立つようになっている。しかも同じ許可制でも、民進党時代は警察が許可しないことはなかったのに、今は恣意的に許可しないこともある。
韓国でもハンナラ党になってからは、同じようになっているようだが(ただし法の規定では届出制だが)、やはり市民虐殺の過去を持つ独裁政権の系譜に連なる反動政権はどこも同じようなものか。
日本はまだマシだと思うが、それでも東京都の条例は基本的には不許可にしない許可制で、隊列も4列に制限されているし、最近は麻生首相の私邸見学ツアーの若者が不当に逮捕されたりしているので、日本の自民党政権も国民党やハンナラ党をまねたんか、末期症状といえるのだろう。

そういえば、報道によればこのデモの前日の6日、李登輝・元総統が自由広場に現れて、学生たちと対話、激励、馬政権の権威主義を批判したらしい。
李登輝は陳水扁の逮捕の後でも不当逮捕を指摘しないなど、おかしなところがあるが、それでもこうした学生の要求には対応するなど、さすがなところはある。馬英九にはまったく真似できないところだ。李登輝は思想的には右派、保守だが、やはり民主主義の枠内にあって、決して馬のような反動ファシストではないということだろう。韓国でいえば、盧泰愚でなく、金泳三といったところか。もっとも、李登輝と金泳三は仲が悪いけどね。

ちなみに、野いちごの歌というのがあって、これをデモの学生は歌っていたが、80年代の台湾や韓国の運動歌だな、これは。懐かしい。
特に、韓国の運動歌の中で私が最も好きな「님을 위한 행잔곡 ニムのための行進曲」に似ているが、もっとそっくりな歌があったはず。だけど題名が思い出せないんだよな。



↓自由広場出発直後、「国家暴力に抗議する、政府は我らに答えよ」と横断幕




↓立法院前にさしかかったデモ隊




↓警政署(警察庁)前で警政署長(警察庁長官)辞任を叫ぶ




↓デモ終着点の総統府前広場で




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