むじな@金沢よろず批評ブログ

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知日派謝長廷総統候補が12月16日から訪日決定

2007-11-25 22:43:18 | 台湾政治
来年3月22日の台湾総統(大統領)選挙で、民主進歩党公認候補として出馬予定で、京大大学院法学研究科に留学経験のある謝長廷氏が、12月16日から4日間の日程で日本を訪問する。
本人によると、16日に京大で講演するほか、京大留学時代の恩師、同期生らと懇談したり、当時の下宿先があった場所や、哲学の道を散策する。それから17日か18日に東京の外国人記者クラブで講演したり(本人はかなり大雑把な性格なので、あまり詳しい日程を把握していない)、従来から面識のある主要政治家と会う。
京大とクラブの講演では、謝長廷氏が従来から掲げている「和解と共生」をテーマに、留学時代の思い出、日本との関係の重要性、それから対中対話、アジアと世界の平和などを日本語で訴える。謝氏得意の冗談を交えながら、それでいて内容的に深いことを話したいという。
謝氏は京大大学院法学研究科で、故・加藤新平教授と田中成明・現名誉教授について法哲学を専攻した。当時アジアからの留学生が日本留学で反日になることも少なくなかったが、謝氏は恩師と学友に恵まれたこともあって、自ら親日であることを隠さないし、日本から取り入れた知識や情報にもとづく政策やビジョンを発表している。
たとえば、20日の民視テレビの対談番組でも「今、台湾中部を回っているが、中部の台湾鉄道の路線がちょうど海線と山線に分かれていて、環状になっていることを利用して、東京の山手線のように通勤環状線として発展させる。さらに中興新村をアジアのNGOセンターとして、中部の地域活性化を図る」とさりげなく「山手線」を持ち出すなど、常に日本を引き合いに出して、台湾社会の親日感情をくすぐっている。
実際、台湾は韓国と違って、世論は親日的で、日本への好感度が最近では米国を抜いてトップになっており、選挙でも、親日であるほうがプラスとなる。反日が信条だった馬英九氏も最近になって慌てて日本に行って「実は親日」などとアピールせざるを得ない事態に追い込まれている。

しかし謝長廷氏は余裕だ。馬英九氏の「親日」は付け焼刃で、選挙向けのポーズに過ぎないと見る。
ただ、12月16日からは国会も休会し、年末に向けて日本は何かとあわただしく、同19日には韓国大統領選挙投開票も迫っているため、メディアにどれだけ注目されるかは今のところ不安要素ではある。
それはともかく、明らかに「俄か仕立て」の目立つ馬英九の「親日ポーズ」と比べて、京都に4年半住んだことがあり、日本に愛着を感じていて、そもそも性格的にも日本人に近いものを持っており、しかも話題豊富でウイット・頓智にも富んでいる謝長廷氏が、日本社会で好感を持たれることは間違いないだろう。


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