むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

ようやく手に入れた「東方台湾語辞典」の問題点と評価できる点(7・11差し替え)

2007-07-11 23:33:22 | 台湾言語・族群
ようやく「東方台湾語辞典」をゲットした。旧版の天理大学おやさと研究所版に比べて、時代が新しいだけあって、見やすい。挿絵もついて、旧版では重視されていなかった現代の日常語もある程度補充されている。事前に聞いていた話では語彙を減らすということだったが、どうやら「まえがき」によれば使わない語彙をカットしたのに過ぎず、実際には語彙は増えていると思う。
良いと思ったのは、旧版にはなかった gou7-si3-saN, ku-mou, kong3-ku, nng2-kha-he5, soの項目にso iN5-a2-thng などが追加され、さらに sian7 と thiam2の語義説明が現代台湾語のそれとずれていたのも、語義を追加して正されていた。
ローマ字表記は旧版同様、伝統的な教会ローマ字で、漢字は基本的に総統府の「台日大辞典」に依拠したもの。これも良い。末尾には教育部が昨年公布した「台湾ビン南語ローマ字ピンイン方案」との対象表も収められている。

しかし問題点もある。

◆問題点1 方言音の扱い
方言音。旧版では見だし語が南部音が基本で、北部も併記され、しかも北部音からも引くことができたのに、それは巻末の「方音差異対照表」に委ねられたが、たとえば方言音が数種類あるものは、これではわからない。たとえば「かゆ(粥)」は、新版だとbe5しかあげられていないが、これはmoai5, moe5もある。また、ian-chhiang(腸詰)は南部ではian-chhian5という言い方もあるがこれは載っていない。

◆問題点2:白話字の読み方の解説間違い
巻頭にある「白話字の読み方」の中のxiiiページで、「sがeとiの前に来たときは[∫]と発音する」とあるが、i の前はそうだとして、e の前では普通はそうならず、eng/ek の前だけである。一部の年齢、地域では e の前でもそうなる場合があるが、規則で必ずというのは誤解を受ける。

◆問題点3:「中国」という呼称は不適切
巻末付録の「中国人の姓」「中国大陸と台湾の主要地名」は、今の時代を考えれば、それぞれ「台湾漢人の姓」「台湾および中国の主要地名」とすべきだろう。中国の地名を挙げるのはおかしいような気もするが、道路名などで必要となる。もっとも、旧版では国民党独裁時代だったことを反映してか、どちらも「中国人の姓」「中国の地名」だったので進歩といえば進歩だが、後者はせっかく変えたのに中途半端だった。

◆問題点4:古い統計資料
「本辞典を使用される方に」のixページで、エスニックグループ別人口として、いまどき黄宣範1995年の推計数字を挙げているところも気になった。これは最近になって行政院客家委員会や文化建設委員会といった政府機関による公式の推計数字が出ているので、そっちを使用すべきだろう。黄宣範氏の研究は素晴らしいものであるが、数字そのものはもはや古すぎるし、一個人による推計に過ぎない。

◆問題点5 語義説明の間違い・不足
また、辞書にはつきものの、間違いや不足点も目に付く。

「an2-choaN2」の異形欠如:口語では音便化して「an2-noa2」となることが書かれていない。またそのままで「なぜ」の意味になるように書かれているが、普通は「なぜ」の意味では「si7-an2-choaN2」とする。

「ba5-a2」の語義説明間違い:「ハクビシン、カシタヌキ」とあるが、ハクビシンは普通はpeh8-phiN7-ba5などという。ba5-a2は、「石虎」と呼ばれる獰猛なタイワンヤマネコを指す。

「be2-ge5」の語義説明不足:「土地公を園とし最後に祭る日、旧暦12月16日」とあるが、実際にはいまではそれとは関係なく、単に「(旧暦12月に開く)忘年会」の意味で使われることが多い。

「bo5-hau7」の語義説明不足:「効き目がない、効果のない」という語義説明しかないが、「Ma2 eng-kau2 bo5-hau7 e5」「chit-siang oe5-a2 bo5-hau7 e5」という感じで、「(人や集団や物が)もう役に立たない、使えない」というときにも使われる。

「bo5-liau5」の語義説明不足:「退屈である、所在ない;つまらない、くだらない」とあるが、「意味のない」(人間として)つまらない、味がない、奥行きがない」などの意味もある

「bong2」の語義説明不足:副詞の「まあまあ、とにかく」しかないが、「ぶらぶらと・・・してみる」という意味もある。

「bu7-sa3-sa3」の語義説明不足:「ごたごたしている、大混乱である」とあるが、「(説明や状況が)飲み込めない、わからない」などの意味で使われるほうが多い。

「bun5-chin2」の音の間違い:「外来診察」のことだが、これは後で出てくるjit8-bun5と同じく文言音を当てているが、これでは普通は通じない。mng5-chin2というほうが通じる。

「cha2-ban7」の語義説明不足:副詞「遅かれ早かれ」だけになっているが、「cha2-ban7 e5 tai7-chi3 じきにそうなることだ」という形容詞の用法もある。

「chai」の語義説明不足:「goa2 chai (lah)」とすると、「私は(そんなこと)知っている」という(喧嘩腰の)意味と「(それは)了解した」という意味の二つの意味がある。

「cheng-chhai2」の語義説明不足:「いきいきしている、躍如としている;鮮やかである、鮮明である」などとあるが、「(文章や主張が)鮮やかで素晴らしい」のような意味もある。

「cheng3-keng」の語義説明不足:形容詞では「堅気である、まじめである」副詞では「いざちゃんと」という意味だけあるが、形容詞、副詞ともに「本当な(に)」の意味もある。話に対して相手がやや疑っているときに「chneg3-keng--e5」(本当のことだよ)と補足するときにも使う。

「cheng5-po3」の語義説明不足:単に「(名)情報」とだけあるが、普通台湾では「情報」という漢字語は「インテリジェンス」の意味の「諜報」を意味する。日本語でいう情報とは「資訊chu-sin3」。若者の間では日本語の影響を受けて「情報」一般で使われることもある。

「cheng-siN」の語義説明不足:「畜生、禽獣;家畜」とあるが、人を「畜生と同じだ」と罵るときにも使う。

「chi」の用例説明間違い:「ki3-chia2 chi ka」を「記者クラブ」と書いているが、この場合はプレスクラブ、プレスハウスというべき。記者クラブというと日本では普通、官庁などの一室に設けられている記者の溜まり場とその組織を指すから。記者クラブというなら「ki3-chia2-hoe7」という。

「chim-chiok」の語義説明不足:動詞「気を配る、注意する」とあるが、副詞的に「詳細に」のような意味もある。

「chou-chit」の音間違い:chou2-chit。

「chong-kiat」の語義説明不足:動詞の「まとめる」だけあるが、名詞の「結論」としても使う。

「chu2-pan7」の用例不足:「~ tan-ui7」=「主催団体」。

「gau5」の語義説明不足:なぜか最も基本的で重要な形容詞「賢い」の意味が乗っておらず、副詞的な「よく・・・する」「・・するのがうまい」などしか載っていないのは、どうしたのか。

「gou7-si3-saN」の語義説明の誤り:「[名]内容の乏しい話」とあるが、これは名詞だけではなくて、形容詞、副詞的用法もあり、しかも語義としては主に「意味がない」で、さらに「出鱈目」「重点がずれた」「悪さ(をする)」「めちゃくちゃ」「出鱈目」みたいな意味もある。また、「siaN2-mih8 gou7-si3-saN e5?」で、「siaN2-mih8 oaN2-ko」と同じように「何のことだ」みたいな使い方もある。そういえば、oaN2-koのところの語義にも、この語義と用法が載っていない。

「ham3」の語義説明不足:形容詞で「いい加減である」「大げさである」という語義しか載っていないが、その意味で使われることは少ない。普通は「siuN ham3 ah lah」といえば「(知識や常識がなく)間抜けである」のような意味で用いられる。

「Ho5-lo2-lang5」の声調間違い:ホーロー語のウィキペディアその他台湾の資料で「Ho7-lo2」としているように、最初の音節は7声とすべきだろう。もし5声であるなら、南北で転調が異なるはずだが、これは転調先は違わないで、3声で発音されているから、本調表記は7声にすべき。同じことは、「liam5-piN」についてもいえる。しかも「連鞭」の漢字を当てているが、これは牽強付会の俗説だと思う。

「iok-sok」の語義説明不足:これには動詞としては「約束する」という意味しか示されていないが、イマドキこういう意味で使う人はいない。北京語に引きずられて、普通は「(規則などに)縛られる、制限される」などの意味で使う。もちろん、日本統治時代の台湾語歌謡では日本語と同じ「約束」の意味でも使われているが、その場合は動詞に限らず、名詞的用法もある。

「jip8-bun5」の音の間違い:「入門」について旧版と同じく文言音を宛てているが、いまどきこれでは「日文(日本語)」と誤解される。普通は「jip8-mng5」といわないと通じない。

「ka7」の語義説明不足:介詞として「を」にあたる。chiongと似ているが、動作主体と対象が明確な場合に使う。

「kang-lang5」の語義説明誤り:「労働者」としているが、それは中国の北京語に引きずられた解釈で、台湾では普通労働者という意味で「工人」を使わない。kang-lang5工人といえば、「(実際に施工する)作業員」のニュアンスであって、階層としての労働者一般を指すのではない。

「koan5」(権の漢字音)の不足:権はkoan5が正しい音だが、現在はkhoan5もよく使われている。

「kong2」の語義説明不足:動詞として「話す、言う」しか挙げられていないが、もう一つこれは、英語の関係代名詞thatや日本語の助詞「と(言う)」などと同じ機能や強調の接続詞、息継ぎとしてもよく使われる。

「kong3-ku」に語源説明なし:kong3-ku」には「くじの外れの隠語スカから、動物のスカンクを連想し、スが脱落してカンクとなり、コンクウと転訛した」という説明がない。同じく日本語の駄洒落から派生した「so iN5-a2-thng」にはちゃんと「日本語の団子で、談合と発音が似ている」と語源説明があるのに。また、kong3-kuの第二語義で「失敗する、どじを踏む(→sit-pai7失敗)」だけが参照されているが、日常用語としては、「chhoah-sai2」も「どじを踏んだ、とちった」という意味で使われることが多い。

「ku-mou」の語義説明不足:「[形](ためらっていて)さっぱりしない」とあるが、確かにそういう意味がないわけではないが、普通使われている意味は「細かいことにこだわる」という意味だろう。さらにそこから派生して「判断が遅く、人をいらいらさせる」という意味もあるが。台湾人から見ると、日本人は「ku-mou」だと見られがちだ。これは実は正しく説明している辞書がない。台湾で出た台湾語辞典ではあまり収録されていないが、メリノールの台英辞典には載っている、しかし語義が「evasive, secretive」と、やはり、ちょっとズレている。

「kha-chhng」の用例不足:よく使われる日本語から入った?用法の「chhit kha-chhng [動]尻拭いをする」がない。

「khau3-pe7」の語義説明不足:現代語としてはきわめてきつい言い方で、用法に注意を要する。単に「泣き言を言う」「うるさく言う」「しまった」という軽い感じの意味ではない。

「khi2-mou(-chih)」の語義説明不足:日本語「気持ち」からの借用語だが、用例に「khi2-mou bai2/気持ちが悪い」としか挙げられていないので、そういう意味の「気持ち」だと勘違いされそうだが、これは「khi2-mou-chih e5 bun7-te5」(気持ちの問題、感情の問題、気の持ち方の問題)などというときにも使われる。しかもこのときは「khi2-mou」と省略せずに、必ず「khi2-mou-chih」という。しかも、声調規則からいえば、「khi-mou2-chih」のほうが近いのではないか。

「khian」の語義説明誤り:二番目の語義説明として「(硬いものを)投げる」とあるが、「糞を投げる」というときにも使うので、「硬いもの」とは限らない。「固形物」とすべきだろう。

「khu-sok」の語義説明誤り:「拘束する」とあって、用例の日本語訳に「言論の自由を拘束する」とあるが、これは日本語として変。「制限、あるいは束縛する」だろう。

「lang5-be2」の語義説明不足:「大勢の人」とあるが、「(勢力ある人の)配下・系列にある人(たち)」の意味もある。文言音の「jin5-ma2」も同じ意味で使う。

「lau3-sai2-be2」の語義説明不足:「(形)下手糞である、だめである」とあるが、むしろ「(名)だめな人、役立たず」。

「lou7-piN7」の用例間違い:「~ tan3-a2 /道端の屋台」とあるが、これは「~ taN3-a2」が正しい。

「lu3」の語義説明不足:二番目の語義説明に俗語として「(ガミガミ)小言を言う」とあるが、むしろ日常的ニュアンスとしては「(クドクド)小言を言う、うるさくしつこく言う」に近い。また、形容詞、副詞の強調表現に「lu3 siau5-siau5」というのもある。

「nau2-kun」の用例不足:「sjong ~」で「(話・問題で)頭が痛い、頭を悩ませる」、北京語から入った表現

「ou-lou2-bok8-che5」の見出しと漢字の誤り:最後の音節の「che」は「che3」であって、「che5」ではない。漢字で「烏魯木齊」とあるが、声調が違うので、ウルムチとは関係がない。2003年に陳水扁が中華民国憲法についてこの言葉を使ったとき、統一派メディアに「ウルムチを馬鹿にするものだ」と叩かれたことがあるが、私が当時「中国時報」に投書して、「声調からいって、ウルムチとは関係ない、別の語源の言葉」と指摘したこともある。che3をche5と声調を間違えるのは完全なミス。もっとも、これは総督府の台日大辞典の誤りをそのまま引き写したことによるchhoah-sai2なのだが、しかしメリノールの台英辞典では、ただしく「ou-lou2-bok8-che3」となっている。どうしてメリノールを参照しなかったのだろう?

「pian2-sit8」の語義説明不足:「わんたん」とあるが、わんたんよりも具がやや小さい

「piN5-pou-chok8」の語義説明誤り:「台湾の平地や丘陵に居住している原住民族」とあるが、今ではほとんど漢人に同化されたので「台湾の平地や丘陵に居住していて、早くに漢文化を受け入れ、今ではほとんど漢化した原住民族の総称。清朝時代には「熟番sek8-hoan」と呼ばれた」としたほうがいい。

「sam-pat」の語義注解の誤り:「▼思慮もなく軽率に振る舞う女に対していう」とあるが、今では男に対しても使うのが普通である。

「sin5-chu2-(pai5-a2)」の語義説明不足:「位牌」だけがあげられているが、「(ある集団や人にとって)崇めたてまつられている観念や物や人」の意味もある。

「sin5-keng-piN7」の語義説明不足:「精神病」とあるが、それだけでなくて普通は比喩的に「(異常に細かいなど)人とは違った異様な様、性格などを指すことば」

「sng3」の語義説明不足:sng3 boe7-bai2,sng3 ho2とすると、「まあまあ良い」、sng3がない形に比べて程度がやや弱くなる。

「tau5-ki」の語義説明不足:形容詞で「意気投合する」だけあげられているが、今では「投機的」「日和見的」という意味のほうが多く使われる。

「ti-a2」の語義説明不足:動物の豚以外にも、戦後来た外省人=中国人を罵る場合にも使う

「ti7-liau5」の見出し語のミスプリント:パソコン処理の失敗か、tiiau5となっている。ほかにも「si7-ta」→「si7-toa7」もそう。

「that」の用例不足:that-chhia「渋滞した」がない。

「thiN kng」の説明不足:これは語義説明ではなくて、発音で一般的には強調されて「thiN2 kng」と最初のthiNが2声に発音されることを注意事項として付加したほうが親切であろう。

「thong-hun」の用例の不適切:「あの人は、中国人が外国人と婚姻を結ぶのを賛成している」なんて、いまどき台湾では使えない用例。「台湾人」に変えないと。しかもイマドキ「外国人との婚姻に賛成する」なんて当たり前のことだし、わざわざ用例に選ぶセンスがわからない。

「thau5-mng5」の用例不足:「ka thau5-mng5 髪を切る、理容に行く」がない。

「thui5-a2」の語義説明不足「棒、槌」としかないが、俗語的表現でふざけていうときの「彼氏、男」の意味もある(おそらく、出っ張っているあそこからの類推か)

「un3」の用例・語義説明不足:un3 tau7-iu5に「醤油をつける」としかないが、転じて「いそがしそうに宴会をはしごする場合、一つの場所にあまりいないこと」をさすことが多い、ただ悪い意味はない。

◆問題点6 重要な日常語彙がない

日常用語で次の語彙がないのが気になった:

a-sa-bu2-luh(形)出鱈目、めちゃくちゃ(人や物について言う)

ang5-hou7(名)紅雨、日ごろの行いと違うことをした人を冷やかすときに、紅雨が降るという言い方をする

au7-iau8(名)駅の裏側(の出入り口)、cheng5(chhian5)-iah8が駅の表側

au3-sai2(形)とんでもなく駄目な、論外の、低劣な

bo5-A-bo5-B(連結表現)AもBもないのに・・・、たとえば、bo5-tai7-bo5-chi3(用もないのに・・・)bo5-cheng3-bo5-ku3(証拠もないのに・・・)

bo5-ta7-oa5(形)仕方がない、詮方ない

boe7-bai(形)よろし、結構良い。ただしka-teng5 boe7-bai2というと、「家の暮らし向きが良い=がわりと裕福」という意味になる。

chiaN-phai3(形)まともだ

chu-sin3(名)(一般的な意味での)情報

chhio3-iong5(名)微笑み

chhit-a2(名)(ふざけていうときの)女

hiau-pai(形)高慢な

iu3-khi2(形)若くてぴちぴちした(女性について)、~ e5 若い女性

ka3-chheh(動)教壇に立つ、教える(見出し語にあるka3-chuより一般的)

kang-khe-nai5-ioh(フレーズ)日本語の「関係ないよ」から、kap li2 kang-khe-nai5-iohのように使う)

kau3-te2, tau3-te2(副)徹底して、最後まで

ke3-thau5(形)(副)行き過ぎ

koe-thui2(名)鶏のもも肉

khau3-iau(感)しまった、くそっ、黙れ(khau3-pe7より程度は軽い)

lang5-bin7(名)人脈のこと、ただし~ khoah,=~ sek8=顔・人脈が広いなどとして使う

lang5-kang(形)人工的

lau7 hoan-tian(形)記憶力が悪くなっている老人のボケ、李登輝転向発言に対してよく台湾人が使っていた

lau7-khok-khok(形)年寄りじみた

li-li-lak-lak, li-li-le-le(形)(子供などが)片言をしゃべる、(やっていることが)頼りない、なっていない

mah-chi(名)グル、ペア、mah-chi3 mah-chiと重ねることが多い)

mui5-u2, bong5-cheng2-hou7(名)梅雨

niau-mou(形)動作について「細かいことにこだわる」、ku-mouはそういう性格についていう

oan-na2(接)も、また、~ si7もほぼ同じ意味。

ou-iu2--khi0(動)烏有去、なくなってしまう、おじゃんになる、一瞬発音だけだと「お由紀」に聞こえるw)

pat-tai2(形)ボケた、馬鹿になる

peh8-bak8(形)状況や手順を理解できないで、人をイライラさせる人についていう、人から白眼視されるような状態

peh8-choa2-ou-ji7(諺)紙ちゃんと書いて残してある(「台日大辞典」では何が書いてあるかわからない無学の意味とあるが、今の用法は違う)

siah-siah-kio3(形)勢いや程度が激しい、高い

sui-bong2(接)雖然(ではあるが)と同じ意味で、より台湾語固有的表現

tan2--e7(副)(予定などで)もう少ししてから、後で、もうすぐ

ti-huih-ke2(名)もち米を豚の血で主に直方体に固めたもの

tioh8-soa(名、動)暑気やコレラなどで当たる(こと)

tu7-lan7(形、動)しゃくに障る、機嫌を損ねる、投票などで棄権する

thuh-chhau3(動)痛いところを衝く、足を引っ張る

ui2-khut 辛い、苦しい、やりきれない。また、「hou7 li2 (siu7) ~(つらい・いやな・窮屈な)思いをさせて申し訳ない」などとして使う。


◆問題点7 不要と思われる語

li7-keng、台日大辞典で見出し語への用例説明が多いから引きずられたのだろうが、台湾語を普通に使っている現代人が知らない語。

◆問題点8 旧版にあったのになぜか削除された語

giong7-beh, kiong5-beh(副)今にも・・・(日常的にもわりと使われる、なぜ削除されたか不明)



■結論 問題はあるが、良い辞書だ

とはいえ、辞書には間違いがつきものだし、間違いがあったとしても、それは改訂時に訂正すれば済むことだ。以上つけた注文は決してこの辞書をけなしたものではない。逆に私はこの辞書の旧版を20年前の学生時代に最初に買って以来、ずっと手元に置いて愛用し、学ぶところも多かった。今回の新版も挿絵もついて見やすくなったこともあって、非常に良い辞書だと思う。
台湾語で使える対訳辞書は少ないうえ、現在一般に入手できるのがこれを除いて皆無である以上、この辞書は文句なしに台湾語学習者が購入して使いこなすべきである。間違いを探すことも勉強のうちであるし、得られるところはそれ以上に多い。


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