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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

2014-04-23 06:12:16 | 虹のコレクション・本館
No,127
フェルディナンド・ホドラー、「昼(真実)」、20世紀スイス、アール・ヌーヴォー、象徴主義。

これはまたすばらしい絵だね。ホドラーはまっこうから描いている。これは何らかの使命が画家にあったとしか思えない。

美しいが、何もかもをそぎ落とされて、真裸にされ、なにもかもを見られている。それでも自分を恥じることなくまっすぐに前を見ている。

これを平気で見られる人間はいまい。

この絵の女性は、かのじょの霊的世界での姿に似ている。何となくわかるはずだよ。かのじょはいつも、真裸だった。嘘などつけないからだ。植物存在には、嘘をつけるものなどいないんだよ。

人間にはこれがわからないのだ。

これはまるで、石に生えたなめらかな不思議な木のようだ。

瞳は悲しげな真実の実だ。永遠に、こちらを見ている。

これは、あらゆるものを奪い尽くされた女というものを描いた絵だ。見るのは辛いかもしれないが、見たまえ。真実はいつか、白日の下に照らされるだろうと。

こういうことを、男は、女にしたんだよ。




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