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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

パオロとフランチェスカ

2014-04-18 06:17:19 | 虹のコレクション・本館
No,122
ウィリアム・ダイス、「パオロとフランチェスカ」、19世紀イギリス、写実主義。

これも、西洋絵画でよく描かれるテーマである。難しい悲恋の物語だね。色々な画家が描いているが、これがかわいらしいので選んでみた。

フランチェスカ・ダ・リミニに、ある日ジョヴァンニ・マラテスタとの縁談が起こる。だがジョヴァンニは醜かったため、フランチェスカに嫌われないために、自分のハンサムな弟、パオロを身代りにして向かわせる。フランチェスカとパオロは恋に落ちるが、フランチェスカは結婚までだまされたことに気づかない。

結局、惹かれあう二人は兄ジョヴァンニによって殺されるのである。

誰が一番悪いかと言えば、ジョヴァンニだろうにね、ダンテの神曲では、ふたりは愛欲に溺れた罪で地獄に落ちているのである。わたしは、これはないと思うけどね。

どうしても、男が、女の方が悪いのだとしたい気持ちが、こんな風にした話ではないかと思うよ。

醜いということは、男にとって、あらゆる罪よりも苦しいことなのだ。醜さ故に女に嫌われるということが、一番きついのさ。だから、フランチェスカも、自分が悪いことにされても、何も言わないのだ。

苦しいね。

かわいい恋人たちだ。男と女がこんな風に惹かれあうのは、当たり前なんだよ。邪魔せずに、大切にしてやればよかったのに。なんとかしてあげればよかったのに。

わたしなら、そう思うね。




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