No,118
イーヴリン・ド・モーガン、「ジェイン・モリスの肖像」、20世紀イギリス、ラファエル前派。
ラファエル前派では、バーン・ジョーンズについで、よく使わせてもらっている画家であるし、女流でもあるので、一枚は選ばなければならないと考えて、選んでみた。
これは、ロセッティの愛人であったジェイン・モリスの老後の肖像であるらしい。
若いころの面影を残しているが、あまりにつらい人生であったことが、この顔から憶測できるね。
どういう葛藤があったのかは、わからないが、ひとりの女性を死に追いやり、夫を裏切ってまで、恋人ロセッティとの関係を続けた人生が、幸福であったはずはない。
若いころのかのじょは、シダルの死で、一時は恋に勝利したと、喜んだこともあったかもしれないが。ロセッティの絵の中では、女神や聖女になっていたジェインも、現実世界では、結局は恋に翻弄された女だったのだろう。
ロセッティはミレイよりもずっと、後世に影響を残している。バーン・ジョーンズなどは、ロセッティを洗練させて世間に受け入れられやすいように技術的に整理したような画風だ。ド・モーガンにもそのような感じがある。技術よりも何よりも、女に溺れて破壊的な人生を送った彼ロセッティそのものに、後進の画家は神話を感じていたのだろう。
この肖像画は、ロセッティが残した、愛の名残だ。
イーヴリン・ド・モーガン、「ジェイン・モリスの肖像」、20世紀イギリス、ラファエル前派。
ラファエル前派では、バーン・ジョーンズについで、よく使わせてもらっている画家であるし、女流でもあるので、一枚は選ばなければならないと考えて、選んでみた。
これは、ロセッティの愛人であったジェイン・モリスの老後の肖像であるらしい。
若いころの面影を残しているが、あまりにつらい人生であったことが、この顔から憶測できるね。
どういう葛藤があったのかは、わからないが、ひとりの女性を死に追いやり、夫を裏切ってまで、恋人ロセッティとの関係を続けた人生が、幸福であったはずはない。
若いころのかのじょは、シダルの死で、一時は恋に勝利したと、喜んだこともあったかもしれないが。ロセッティの絵の中では、女神や聖女になっていたジェインも、現実世界では、結局は恋に翻弄された女だったのだろう。
ロセッティはミレイよりもずっと、後世に影響を残している。バーン・ジョーンズなどは、ロセッティを洗練させて世間に受け入れられやすいように技術的に整理したような画風だ。ド・モーガンにもそのような感じがある。技術よりも何よりも、女に溺れて破壊的な人生を送った彼ロセッティそのものに、後進の画家は神話を感じていたのだろう。
この肖像画は、ロセッティが残した、愛の名残だ。