No,121
ハンス・バルドゥング・グリーン、「人間の三つの世代と三美神」、16世紀ドイツ、北方ルネサンス。
人間の若さの喪失ということを、真正面から描いてみた絵である。この画家は似たようなテーマでほかにも描いているが、これが一番できがいいので選んでみた。
肉体を持つ人間はどうしても、美の喪失というものを経験せざるを得ない。年をとっても若い時と同じような美をまとえるということは、事実上不可能なのだ。
しかしそれにしても、きれいな喪失の仕方と言うのがあるんだよ。
年を取ったら、それなりでなく、それゆえにこそかわいらしく、美しくなってくる人もいる。
要するに、年齢を経た人間の美しさとは、生き方の美しさなのだ。
この絵の女性の衰え方は、生きている間、たいした努力をしなかったという場合の衰え方だ。見ていてなんとなくわかるだろう。この上、あまりよくないことをすると、もっとも醜くなる。女性ならまだ見られるが、男はもっとひどい。
現実には、絵にもできないような例がたくさんあるが、これはまだ、良心的な描き方をしてくれているということだ。
女性も男性も、これを見て、美の衰え方の一つの形というものを、学がいい。
ハンス・バルドゥング・グリーン、「人間の三つの世代と三美神」、16世紀ドイツ、北方ルネサンス。
人間の若さの喪失ということを、真正面から描いてみた絵である。この画家は似たようなテーマでほかにも描いているが、これが一番できがいいので選んでみた。
肉体を持つ人間はどうしても、美の喪失というものを経験せざるを得ない。年をとっても若い時と同じような美をまとえるということは、事実上不可能なのだ。
しかしそれにしても、きれいな喪失の仕方と言うのがあるんだよ。
年を取ったら、それなりでなく、それゆえにこそかわいらしく、美しくなってくる人もいる。
要するに、年齢を経た人間の美しさとは、生き方の美しさなのだ。
この絵の女性の衰え方は、生きている間、たいした努力をしなかったという場合の衰え方だ。見ていてなんとなくわかるだろう。この上、あまりよくないことをすると、もっとも醜くなる。女性ならまだ見られるが、男はもっとひどい。
現実には、絵にもできないような例がたくさんあるが、これはまだ、良心的な描き方をしてくれているということだ。
女性も男性も、これを見て、美の衰え方の一つの形というものを、学がいい。