日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2018続編 - はすや

2018-04-28 22:36:14 | 居酒屋
西濠の一角だけを申し訳程度に歩き、10時を回ったところで夜桜見物は終了。投宿し、部屋に荷物を置いてからすぐさま「はすや」にやってきました。

夜桜を眺めた時間は10分そこそこだったでしょうか。いともあっさり引き上げたのは、見頃を過ぎた割に見物客が多かったからでもありますが、それ以上に早仕舞いを警戒していたという事情によるところが大です。というのも、花見の初日に関する限り、まさかの早仕舞いで振られるという経験を何度かしているのです。同じ連休でも、初日とそれ以降では混雑に明らかな違いがあります。そこへ花見という条件が加わると、品切れ閉店という事態が起こりうるということでしょう。それだけに、遅くなりすぎるのは避けかったというのが真相です。
幸い店の明かりはついていました。あとは入れるかどうかだけが問題です。ただし、こちらについては楽観していました。増床して収容力が倍になってからというもの、完全に満席という状況に遭遇したことはありません。万一カウンターが埋まっていたとしても、小上がりでやり過ごし、空き次第移る手もあろうと思っていたからです。こうして階段を上がっていくと、六席あるカウンターが左側から隙間なく埋まっているのが見えてきました。しまった、まさかの満席かと一瞬身構えるも、右端が一つだけ空いており、片付けが済むのを待って着席という結果です。つまり、この席でさえ直前までは埋まっていたということであり、なまじ急げば振られていたかもしれません。先客も一向に席を立たず、カウンターは再終盤まで満席のままだったため、今日に関していえば間一髪だったことになります。
お通しにはけの汁が出てきました。温かいお通しは当店の十八番ですが、絵に描いたような郷土料理という点ではいささか趣が異なります。今夜は観光客が多かろうと見込んだのでしょう。隣ではそれぞれ大阪、沖縄から来たという花見客が意気投合していました。全国から観光客が集まる大型連休ならではの光景です。

去年は過去最長となる五連泊を経験しました。そのときとりわけ重宝したのが、なめこ、もずく、めかぶなど滑りを持った品々でした。しかし、今回それらの文字はありません。ガサエビ、子持ちヤリイカ、アスパラを始め、春らしい品もあるにはあるものの、様々な山菜で彩られた信州の品書きに比べると、やや地味という印象は拭えません。
そのような中、今回ならではといえるのが刺身でした。品自体は冬場に比べ華に欠けるものの、ヅケ、山掛け、ゴマよごし、ゴマ正油の文字が続くと、それだけでも興味が湧いてくるというものです。限られた食材を調理の工夫によって一変させる、当店らしい品書きでした。

はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM
日曜定休

華一風・遊穂・六根
お通し
刺盛り六点
真ふぐフライ
玉子みそめし
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東北縦断花見の旅 2018続編 - 六日の菖蒲

2018-04-28 21:50:52 | 東北
出発から940km走って弘前に着きました。悠長に一般道を下ったり、温泉に寄ったりしている間に時間が押し、九時を大きく回ってしまいました。しかも、ここでまたもやカプセルホテルを押さえられなかった弊害が露呈します。駅前に宿があるため、投宿してから公園へ向かうのが面倒なのです。今夜は先に弘前公園の夜桜を見物していきます。
一時の陽気はようやく収まり、今日は日中でも20度に届きませんでした。日が傾いてから徐々に気温が下がっていき、碇ヶ関では7度でした。その後10度に上がったものの、日が暮れてからは雨合羽を羽織っています。松本に泊まったとき以来、三週ぶりの出番です。
この寒さがもう少し早く戻れば、散り際も多少は延びたのかもしれません。しかし六日の菖蒲でした。予想通り、外濠の桜は葉桜同然となっており、今朝の岩手公園とほぼ同じに見えました。最も遅く開花する桜のトンネルも五十歩百歩です。これでは明日の花筏も微妙になってきます。夜桜に関していえば、市民広場と本丸の八重紅枝垂がせいぜいでしょう。それなら11時の消灯まで粘る必要もありません。今夜は手短に切り上げます。
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東北縦断花見の旅 2018続編 - 碇ヶ関温泉会館

2018-04-28 20:47:30 | 温泉
交通量皆無の282号線を快走し、鹿角八幡平から碇ヶ関まで東北道を飛ばしました。あとは7号線を下っていこうという寸法です。
予想外の早咲きにより、宿の手配を一からやり直したと申しました。どうにか収拾には成功したものの、一両日は定宿のカプセルホテルを押さえられなかったため、今夜は弘前へ向かうに先立ち一風呂浴びます。立ち寄るのは碇ヶ関温泉会館です。
沿道に温泉が多々ある中、まず浮かんだのは碇ヶ関の道の駅に併設された温泉です。しかし、公衆浴場があるならばそれに越したことはありません。果たして碇ヶ関にも公衆浴場があったため、こちらを選んだ次第です。
「会館」を名乗るというと大鰐の若松会館もそうですが、短い鉄橋で川を渡った先という立地もあちらと共通しています。ただし建物は現代的です。見るからに飾り気がなく、温泉と集会所のみという簡素さは、いかにも公衆浴場らしくて好ましいものがあります。
タイルと石で設えられた浴場にも飾り気はなく、長方形の浴槽はおおむね一対二の大きさに区切られて、手前にある小さい方が熱湯、奥にある大きい方が温湯という仕組みです。やや白濁した無味無臭の源泉は、先週訪ねた平安の湯を彷彿とさせました。

★碇ヶ関温泉会館
平川市碇ヶ関鯨森8-1
0172-45-2226
600AM-2130PM(最終受付)
第三火曜定休
入浴料250円
泉質 単純温泉(低張性中性高温泉)
泉温 45.2度
pH 7.4
掘削動力揚湯
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東北縦断花見の旅 2018続編 - 岩手山

2018-04-28 18:16:45 | 東北
その後程なくして一本桜が日陰になり、やがて西日が山の向こうに隠れるも、劇的な出来事は起こりませんでした。それでも何となく分かったような気がします。
朝から空が霞んでいて、少しでも逆光気味だと不鮮明になると先ほど申しました。これは、日が沈むと光の散乱が抑えられ、遠景が多少なりとも鮮明になるということを意味します。実際、日が落ちてから改めて眺めると、岩手山の稜線がはっきりしてきたようでした。いわゆる撮り鉄が、線路際のわずかな障害物にも注意を払いつつ作画するのと同様の、風景写真特有の作法と理解しました。思ったよりもささやかな違いではありましたが、得心できたところで切り上げます。
松尾八幡平のICが至近ながら、一般道の流れがよいのは分かっています。西の空を眺めつつ一般道を行き、東北道には鹿角八幡平から乗るつもりです。
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東北縦断花見の旅 2018続編 - 為内の一本桜

2018-04-28 17:53:52 | 東北
続いては為内の一本桜を訪ねます。三年前に訪ねて以来、二年続けて東北の花見のトリを飾ってくれた名木です。去年も北東北ではこの桜が最後を飾りました。今年も戻ってこられたのは幸いです。
なだらかな丘の上に立つ一本桜を、北側の斜面の下から見上げるのがよく、逆にそれ以外は絵にならない紋切り型の眺めだと今までは思っていました。しかしそれは早計だったことに気付きました。丘の下に車を止めると、少し離れた場所に何台も車が泊まっていて、畦道で三脚を立てている撮影者が見えたのです。あたかも鉄道写真の撮影現場のような光景でした。何かがあるに違いないと直感し、先客のいる畦道を歩いていくと、驚いたことに丘の上から岩手山が顔を出していました。その手があったかとようやく得心した次第です。
彼等とともに岩手山と一本桜をカメラに収め、一旦引き上げてはきましたが、先客はなお同じ場所でカメラを構えています。先月雨晴を訪ねたときのように、おそらくこちらの予期し得ない何かが起こるのでしょう。明るいうちにさくら公園にも行きたいところでしたが、あちらでは去年訪ねたときに最高といえるものを眺めました。日中の残り時間はここに注ぎ込み、「何か」が起こるのを待ってみます。
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東北縦断花見の旅 2018続編 - 八幡平総合運動公園

2018-04-28 16:37:47 | 東北
今季の桜は兎にも角にも早咲きです。散り急ぐ桜を必死になって追う局面が多すぎます。盛岡からさらに北上したところで、猪苗代以来となる見頃の桜が現れました。八幡平総合運動公園を再訪します。
滝沢で4号線と分かれてしばらく走ると、再びソメイヨシノが現れました。しかし、大更の市街でさえも一目で散ったと分かる状態でした。ここでさえ散ったのかと、いささか面食らいつつもそのまま走り、ここでようやく見頃の桜が現れるという経過です。

前回ここに立ち寄ったのは、一昨年の大型連休後半でした。一昨年といえば、初めて弘前の満開を見届けた年でもあります。桜の開花に合わせて周到に日程を組み、首尾よく弘前の花盛りを見届けたのは、大型連休を間近に控えた週の前半でした。つまり、その年もかなりの早咲きだったわけなのですが、今年と違うのは散り始めてからが長かったことです。七戸十和田に車を一旦置いて帰り、連休初日に復帰して、前半が終わるまでに帰るつもりが、いつまでも散らない桜に名残惜しくなり、一転してそのまま北海道へ渡るという決断をしたのでした。北海道へ渡るべく、盛岡からフェリーが出る八戸へ向かう途中に立ち寄ったのがここです。

日が西に回って、完全な逆光だった岩手山に少しずつ日が回ってくる時間帯です。しかし、今日は朝から空が霞んでおり、少しでも逆光気味になるとたちまち不鮮明になってしまうのが惜しまれます。とはいえ雲一つない快晴には違いなく、薄雲が出ていた前回よりもよい条件です。
当時はここの桜が満開で、隣接する中学校の桜がやや散りかけていたと記憶しています。そしてその開花状況は今回もほぼ変わりません。つまり、早咲きだった一昨年と比べてもなお、今年の方が数日早いということです。八幡平がこれならば、弘前の桜はあらかた散り終わっているでしょう。
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東北縦断花見の旅 2018続編 - 松林

2018-04-28 14:58:10 | 東北
4号線を滝沢方面へ下っています。道と並行していた松林の西側に下り線を移して四車線化し、それによって格段に走りやすくなった区間です。今回再度走ってみて、松に勝るとも劣らないエドヒガンの大木がいくつもあることに気付きました。山桜も混じる一方、ソメイヨシノがどこにもないのは、まっすぐ伸びる高い木立と、ソメイヨシノのしなだれかかる枝振りが、明らかに釣り合わないからでもあるのでしょう。盛岡を境に一変する4号線の車窓を象徴する眺めです。
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東北縦断花見の旅 2018続編 - ヤマト

2018-04-28 14:27:42 | B級グルメ
岩手公園の状況からしても、高松の池へ行ったところで五十歩百歩でしょう。今回は素通りして盛岡を出ますが、その前に腹ごしらえを済ませていきます。
盛岡に泊まった翌日、「食道園」が開くのを待って飛び込むのが通例でした。しかし、今回は岩手公園をほぼ素通りしたこともあり、開店まで小一時間が残ってしまいました。ただでさえ時間が惜しまれる中、それだけの時間にわたって待つことは当然ながらできません。昼時に重なれば取り付く島もなくなるのは覚悟の上で、まずは岩山公園に向かいました。下山してから市街に戻るも、果たせるかな店先には待ち客が出ています。長蛇の列というほどでもなかったものの、今回は時間を優先し、残念ながら見送るという顛末です。代わりにどこへ行くかと考えたとき、浮かんできたのが「ヤマト」でした。
「ぴょんぴょん舎」の本店の向かいにあるのを始め、主として幹線道路沿いにしばしば見かける店です。これから向かう経路上にも店があるのは分かっていました。無駄なく寄れる店についても好ましく、一度試してみるにはよい機会と思い立った次第です。

大型連休の昼時ともなれば、ここさえもさすがに混むかと身構えて現地へ向かうも、幸い広大な駐車場には十分すぎるほどの余裕がありました。店内も駐車場と同様広々しており、通されたのは半個室になったテーブル席でした。ただし、「ぴょんぴょん舎」の小洒落た店内と違い、こちらはよくも悪くも現代的です。あからさまに安っぽいというわけではないものの、全国のどこへ行ってもありそうな造りであり、個性は何もありません。カラオケのリモコンのごとく、タッチパネルで注文する方式にもいささか興ざめします。安っぽいスピーカーから音楽が間断なく流れてくる点を含め、雰囲気については皆無というのが率直な印象ではあります。
もっとも、肝心の焼肉と冷麺自体は悪くありませんでした。焼肉の定食だけでなく、焼肉と冷麺のセットも選べ、しかも冷麺は110円増で半分から一人前になるという気前のよさです。どうしても「食道園」の甘いタレと比べてしまうのは人情ながら、ニンニクの風味を効かせたこちらのタレも悪くはなく、優劣ではなく好みの問題といってよいでしょう。この店があってくれて助かりました。

ヤマト 盛岡みたけ店
盛岡市みたけ2-1-12
019-656-6829
1100AM-2330PM(LO)
大晦日休業
十勝ハーブ牛カルビセット1000円
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東北縦断花見の旅 2018続編 - 榊山稲荷神社

2018-04-28 13:29:12 | 東北
続いては榊山稲荷神社を訪ねます。去年高松の池へ向かう途中、渋滞を避けようと右往左往していたとき、迷い込んだ生活道路沿いにあったのがこの神社です。楼門の脇に八重紅枝垂が咲き、ソメイヨシノも花吹雪を散らし、朱塗りの鳥居や建物との取り合わせも見事で、思わず長居をしてしまったのでした。ソメイヨシノが散り終わっても、ここだけはまだ見頃だろうと見込んでの再訪です。
その期待通り、八重紅枝垂はやや散りかけながらも十分見頃、さらにはソメイヨシノもわずかとはいえ咲き残っていて、ここに関する限り去年の眺めに近いものがあります。行き交う人の姿もない静かな参道に、花びらがはらはらと舞う光景が印象的です。
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東北縦断花見の旅 2018続編 - 岩山公園

2018-04-28 12:21:34 | 東北
続いては岩山公園にやってきました。展望台から盛岡市街と岩手山、八幡平を一望できて、周囲と眼下に桜も咲くというのがここからの眺めです。標高の差に応じて開花も遅く、ここならまだ間に合うだろうと思って訪ねたのでした。しかし、狙い通りに満開だったのはよいものの、登っていくにつれて花が少ないことに気付いてきました。今季でいうと、先週末に赤湯で遭遇したのと同じ現象です。残念ながらここの桜もそれほど絵にはなりませんでしたorz
関東甲信越以西でお目にかかったことはなく、自身の知る限りでは東北と北海道で起こりやすい現象です。そうなると寒い地域特有の現象のようでもありますが、例年以上に暖かい今季の気候を考えると、寒ければ寒いほど起こりやすいとも言い切れません。どのような条件が重なるとこうなるのでしょうか。
あくまで局所的な現象なのも経験上分かっており、小坂と岩木山神社では何度も同じ光景に遭遇しています。あちらがどうなっているかが気になるところです。
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東北縦断花見の旅 2018続編 - 櫻山神社

2018-04-28 10:07:49 | 東北
北ホテルのよいところとして、翌日の午前いっぱい車を止めておけることが挙げられます。今回も宿に車を置いたまま櫻山神社を訪ねました。岩手公園ではもう葉桜同然だと申しましたが、これは八重紅枝垂ならまだ間に合うということでもあります。昨晩参拝したときも、楼門の脇に二本並んだ八重紅枝垂が咲いていたため、今朝はまずここを再訪しようと決めていたのでした。
八重紅枝垂のある神社というと、去年訪ねた榊山稲荷神社が思い出されます。あちらもいずれ再訪することになるでしょう。
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東北縦断花見の旅 2018続編 - 北ホテル

2018-04-28 09:38:11 | 東北
既報の通り、昨晩は北ホテルの世話になりました。県庁と岩手公園に近い閑静な立地と、広々した客室などが好ましく、盛岡では最も愛用してきた定宿でもあります。桜の開花状況に振り回され、盛岡へ乗り込む日取りが二転三転する中、今回もこちらを押さえられたのは幸いです。
今回気付いたのはユニットバスが一新されていることでした。洗面台は広々したものになり、ツマミ一つでお湯の温度を調節できるようになるなど、面目を一新したのはよいのですが、ユニットバスに関する限り、良くも悪くも現代的になったともいえます。いずれ他の部分も改装されたとき、それによって無個性になってしまわないかが気になるところです。古びてはいながらも瀟洒な館内の造りが、この宿のよいところでもあるだけに、その伝統が受け継がれていくことを願っています。
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東北縦断花見の旅 2018続編 - 二日目

2018-04-28 09:26:47 | 東北
おはようございます。昨夜は始めるのが遅かったこともあり、二軒目を出て宿に戻ると一時半でした。これに前夜ほとんど休めなかった疲労が加わり、目覚めたときには八時近くになっていました。朝食をいただいて準備を整え、ようやく出発しようとするところです。
結局煮え切らなかった昨日から一転、今日は朝から青空が広がっています。とはいえ六日の菖蒲といえなくもありません。盛岡の桜はあらかた散ってしまったからです。昨晩暗い中で眺めた限りでは、石割桜も岩手公園の桜も、葉桜同然となっていました。高松の池も五十歩百歩でしょう。早々に盛岡を出て、八幡平を主体に回った方がよさそうです。
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