日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2017続編 - かん

2017-05-05 23:31:32 | 居酒屋
貸切という状況は滅多にありません。ならば今夜は「おのちゃん」で心行くまで呑むかとも思いました。しかし、「迷ったら買え」の鉄則も居酒屋に関する限りは当てはまらず、もう一杯、もう一品のところで切り上げるのがちょうどよいものです。今夜もそのようにして席を立ち、代わりにもう一軒立ち寄ることにしました。二軒目に訪ねるのは「かん」です。
「おのちゃん」の状況からして、こちらも既に落ち着いてきただろうと予想しました。果たして二人組の先客が出るところに重なり、またも貸切状態となりました。席に着くやいなやラストオーダー間近と告げられたものの、一軒目で腹はあらかた満ちており、三点出るお通しだけで十分です。それらを肴に酒二合を飲み干し、小一時間の滞在で席を立ちました。

かん
仙台市青葉区国分町2-13-11 ベルサイユビル2F
022-225-8148
1800PM-2330PM(LO)
日曜定休(祝日の場合営業し翌日休業)

かん・田林

ねぎま汁
スズキ
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東北縦断花見の旅 2017続編 - おのちゃん

2017-05-05 22:02:02 | 居酒屋
大型連休の影響か、時折流れが滞る場面はありながらも、無停車で走り通して仙台に到着。市街に入って車を止めたのが九時過ぎでした。思った以上の健闘により、場合によっては牛タンにも駆け込めそうな状況です。しかし、とるものもとりあえず呑み屋街へ急ぐと、五軒ほど訪ねた店はいずれも看板となっていましたorz
休んでいた店は一つもなく、暖簾をしまっただけの店もあったことからすると、九時前ならばどうにか駆け込めたのかもしれません。しかしあの夕景と引き替えならば、今回ばかりは致し方のないところではあります。結局元の鞘に収まり、宿で一風呂浴びてから出直してきました。毎度おなじみ「おのちゃん」で一献傾けます。

簡単に行けそうでありながら、宿泊事情が厳しすぎ、そう簡単には行けないのが仙台の特殊事情です。去年は久々に五回も立ち寄る機会を得たものの、宿泊したのは二回でした。短時間でも立ち寄れる牛タンの店と違い、居酒屋に寄ろうとすると、宿泊するか汽車旅の帰り際しかあり得ません。後者の状況で愛用してきたのがこの店だったわけなのですが、昨年から日曜定休となったことにより、ここへ来るにも仙台に宿をとるしかなくなってしまいました。今回往路では素通りに終わったものの、復路でどうにか泊まる機会を作れたのは幸いです。
今日は通い始めて以来の珍事が起こりました。カウンターに先客が一人もいなかったのです。大型連休の仙台といえば、観光客で呑み屋が混む状況を何度か経験しています。この店でも、深夜にもかかわらず満席で振られるというまさかの経験をしました。それが今回先客皆無とは拍子抜けです。滅多にないほど余裕のある宿泊事情が、国分町の人出にも表れたということでしょうか。
このような状況で改めてカウンターをしみじみ観察した結果、今更ながら気付いたことがあります。一直線と思っていたカウンターが、少し斜めになっているということです。斜めになったカウンターといえば弘前の「しまや」もそうですが、あちらと同様客席から向かって右へ行くほど背後の壁が狭くなり、その分厨房側が広くなっていて、広くなった部分にコンロなどの什器が配置されます。これが調理のしやすさを考えての工夫なのは明らかですが、それだけではないことにも気付きました。というのは、カウンターにわずかな角度をつけることで、着席すると店の間口方向に対し斜め右、つまり窓側を向くようになります。これにより、それほど右を向かずに窓の外の欅並木を見渡せるという仕掛けです。周到な設計は天晴れというしかありません。
その欅には既にかなりの葉が茂っています。明日はあいにくの天候が予想され、新緑も残念ながら絵になりそうにはありませんが、特等席のカウンターを借り切って、夜の欅並木を心行くまで鑑賞できたのは幸いです。

居酒屋おのちゃん
仙台市青葉区国分町2-14-25 仙台リッチホテル2F
022-267-1909
1800PM-300AM
日祝日定休

一番搾り
花陽浴・雁木
お通し(チャーマヨ)
カツオ刺
海苔の味噌汁
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 大禾多重力

2017-05-05 19:13:41 | 東北
七時を回ったところで移動を再開します。結論から申しますと、本日は仙台に泊まります。
今日中に盛岡か仙台まで行くつもりだと今朝方申しました。結果として出発がこの時間となったことにより、盛岡泊の方が無難な選択となりました。それにもかかわらず仙台まで一気に移動するのは、盛岡と仙台に一泊ずつという配分を重視したためです。加えて、仙台の宿が連休中とは思えないほど空いているという事情があります。かねがね申している通り、仙台の慢性的な宿不足を考えると、空いたときを狙い澄まして泊まるしかないのです。
一気に走ってしまおうという気にさせるのは、松尾八幡平のICが近いからでもあります。順調に走れば二時間強といったところでしょうか。今日は400km近い大移動となります。残念ながら牛タンには間に合いそうにもありませんが、腰を据えて呑むにはよい機会となりそうです。
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 為内の一本桜

2017-05-05 18:59:39 | 東北
先ほど晴れ間に恵まれたのは僥倖だったようです。五時を過ぎたところで再び空が曇ってしまいました。しかも西日は傾いて、もう花見にはなりそうにもない状況です。しかし、そのような状況がむしろ絵になる桜の心当たりがありました。為内の一本桜です。
去年一昨年も、東北での花見の最後を飾ってくれた桜です。小高い丘の上に立つソメイヨシノで、北側の斜面の下から見上げた姿がよく知られており、逆にそれ以外はどう切り取っても様にならないところは、会津への往路に訪ねた小沢の桜にもどことなく通ずるものがあります。
小沢の桜が最も絵になるのは、西日を浴びた夕方ですが、北から眺めるという立地上、こちらの桜に日が当たるのは早朝しか考えられず、それ以外の大半の時間帯では逆光になります。特に夕方はただ眩しいだけなのが実情です。ただし、適度に雲があるなら別で、過去二回もそのような状況で印象的な夕景を眺めることができました。それだけに、曇ってもここだけは絵になるだろうと見込んだ次第です。
こうして現地に乗り込むと、満開の桜が立つ丘の向こうに陰影のある曇り空が広がっており、やがてその雲が切れて青空が見えてきました。残念ながら、夕日は既に山の向こうへ沈んだ後だったものの、雲の切れ目が残照に淡く染まった様子が絵になっていました。最終日の会津まで花見ができそうな状況ではありますが、少なくとも北東北では今年もこれが見納めとなるでしょう。今年も有終の美を演出してくれたことに感謝します。
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 八幡平さくら公園

2017-05-05 16:55:02 | 東北
おまけと割り切っていた帰り道で、最大級の当たりが飛び出しました。只今八幡平さくら公園を訪ねています。
ここを初めて訪ねたのは去年のことです。瓢箪から駒の展開で東北から北海道へ渡ることになった当日、盛岡に列車で戻り、その日の晩に八戸発のフェリーに乗るという状況になりました。そのとき移動の合間に立ち寄った場所の一つがここでした。アスピーテラインと東北道のICからの県道が合流する交差点に接して、ソメイヨシノを中心にした芝生の広場と、エゾヤマザクラを中心にした起伏のある公園が造られ、しかも岩手山が間近に迫るというおまけ付きでした。しかし残念ながら、日が傾いた上に曇ってしまい、桜も五分咲き程度だったため、一応訪ねただけの結果に終わったのでした。

そして今回、弘前からの帰り道に訪ねる機会が巡ってきました。あちらとの開花時期の違いを考えると、今が見頃と予想されました。ただし今日は日が陰る場面も多く、一応寄れればよいという程度に考えていました。ところがありがたいことに、こちらが着くやいなや空が晴れてきました。それも、帯のような長い雲が幾筋も流れる絵に描いたような青空です。
こうなれば満開の桜も俄然絵になってくるというものでしょう。中でも特筆すべきは芝生の広場からの眺めです。野球場よりやや小さめの広場の外周に、主としてソメイヨシノが植えられているだけのあっさりしたもので、木が若いため高さも枝振りもごく平凡です。しかし、大きく引きがとれるため、少し離れた場所から中望遠のレンズで捉えると、桜の木々の背後に岩手山が立ちはだかるかのような絵柄になります。しかも、芝地がとにかく広いため、立ち位置によりいかようにでも作画でき、たちまち一時間近くが経ってしまいました。
もう一つありがたいのは、観光客が大勢いるにもかかわらず、芝生の広場は閑散としていることです。これだけ広々した眺めになると、大抵は車やら見物客やら障害物が写り込んでしまうものですが、この広場では奇跡的にもそのような場面が全くありませんでした。世間の人々にとって、花見はとうの昔に終わったことなのでしょうか。ともかく、花盛りと快晴が噛み合った見事な眺めという点では、鶴ヶ城と並ぶ今季の双璧となりました。
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 八幡平アスピーテライン

2017-05-05 14:52:32 | 東北
こちらを見送るように佇んでいた岩木山が、鯖石のドライブインの手前で山陰に隠れました。あとは岩手へ直行かというとさにあらず。鹿角八幡平で東北道を下り、八幡平アスピーテラインに入りました。
花見を抜きにしても走る価値のある路線です。これまでは初夏と秋しか走ったことがなく、なおかつ秋田県側から走破したことはありませんでした。それだけに、この路線の代名詞ともいえる雪の壁が残る時期に、一度走ってみようと思い立った次第です。
その雪の壁自体は写真で見たままの光景であり、まあこんなものかというのが率直な印象です。六月の新緑、九月の紅葉もある中、観光客の車が闊歩するこの時期が、この路線を走る上で最善の時期なのかといえば、個人的には疑問が残るところではあります。
ただ、ここは自身にとって思い出の残る場所でもあります。去年花見で北海道まで足を延ばし、なおも一時帰京を繰り返しつつ東北を南下していたとき、正真正銘の最終日に走ったのがここでした。八甲田の桜も散った五月最後の日曜日、八幡平の山頂に向かって車を走らせ、岩手山が見える駐車帯に車を止めると、そこにミネザクラが咲いていたのです。ささやかながらも有終の美を飾るにはふさわしい桜でした。
その桜があった場所へ歩いていくと、果たしてこれかと疑わしくなるような細い木が、雪の中から顔を出していました。枝にはごく小さな蕾も付いています。この蕾が開くまであと一月弱といったところでしょうか。今季その姿を見届けることは残念ながらなさそうですが、いつの日かもう一度眺めてみたいと密かに願っています。
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 出発

2017-05-05 11:33:45 | 東北
これが最後といいながら何度も舞い戻ってきましたが、今度こそ正真正銘の最後です。出発の前に禅林広場を訪ねます。弘前市街に戻ってから再び日が射してきました。気温は順調に上がって現在22.5度、昨日と同じかそれ以上の陽気になりそうです。
滞在が延びればその分去りがたくなってきます。それは宿を出るときについても同様でした。カプセルホテルにもてなしを期待するのは筋違いであり、実際フロントの対応も無味乾燥です。しかし、五連泊もするとお互い顔を覚えてきます。いつものように素っ気なく立ち去るのも忍びなく、今日限りで発つことと、世話になったことに対する感謝を伝えてきました。
カプセルホテルにさえ去りがたさを感じる以上、思い入れのある場所についてはなおさらというものでしょう。特に禅林広場の場合、夏から秋にかけては草ぼうぼうになり、冬は雪に埋もれて立ち入れません。岩木山と三本並んだ桜の眺めは、少なくとも一年先までお預けとなるだけに、名残惜しさも格別のものがあります。しかし、何事にも潮時が大切です。四日にわたり最高の夕景を眺め、最後も花びらがはらはら散る印象的な光景で締めくくれたことに感謝しています。また来年…
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 田沢食堂

2017-05-05 10:54:37 | B級グルメ
往生際の悪さを見事に発揮し、弘前市街に舞い戻ってきました。本日も「田沢食堂」で遅い朝食兼昼食をいただきます。
いや、きりがないとはもちろん思ったのです。一昨日世話になった鯖石のドライブインはもう開いており、碇ヶ関に同じく昔ながらのドライブインがあって、そちらもかねがね気になってはいました。しかし、足かけ六日にわたる滞在の最後を飾るということになると、思い入れのある店を選びたくなるのは人情というものでしょう。平賀まで移動したことで、弘前への移動が時間的にも距離的にも短縮されたという事情に後押しされ、20分ほど車を走らせてきました。図らずも巡ってきた最後の機会は原点に回帰し、中華そばと小チャーハンの組み合わせです。
10時過ぎならさすがに余裕かと思いきや、駐車場が昨日とほぼ同じだけ埋まっていたのには驚きました。五つあるテーブルも全て埋まっています。その後若干空いたことからすると、10時の開店をめがけてくるお客が毎日一定数いるのでしょう。11時が近付くと再びテーブルが埋まってきました。あと小一時間もすれば、今度は駐車場が埋まると予想されます。この調子で一日何人の胃袋を満たしているのでしょうか。地元客による絶大な信頼を物語る光景です。

田沢食堂
弘前市茂森町97
0172-33-2969
1000AM-1830PM(土曜祝日 -1600PM)
第一土曜及び日曜定休
中華そば380円
小チャーハン360円
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 立夏

2017-05-05 09:52:29 | 東北
その後弘南線の沿線に移動したものの、雲が次第に厚くなって日差しを遮り、会心の成果とまでは行きませんでした。しかし、それでも行ってよかったと思える場面がありました。田植えが始まっていたのです。
全ての田圃で田起こしが終わり、ところどころ水が張られているという状況で、平賀の広域農道沿いの田圃も水鏡になって、彼方に鎮座する岩木山を映していました。あと一週間もすれば、これが見渡す限りの水鏡になるのでしょう。桜が散り、田植えが始まり、津軽も初夏の趣です。そういえば今日は立夏だったかと、しみじみ実感する光景でした。
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東北縦断花見の旅 2017続編 - 七日目

2017-05-05 08:13:42 | 東北
おはようございます。今朝はさらに30分早く起き、昨日よりも一本早い電車から撮り始めました。おかげで早々と狙い通りの画を記録することができ、三日間通った甲斐はあったという結果です。九時を過ぎると光線状態が厳しくなってくるため、その前の電車まで撮ってから切り上げます。
問題はその後の行動についてです。八幡平の周辺で花見をし、日が暮れ次第盛岡または仙台へ移動して投宿するのが本日の予定で、そのためには津軽を早く出られればそれに越したことはありません。一方、帰りの花見をおまけ程度に割り切るならば、大鰐線と弘南線の掛け持ちも悪くはありません。そのような考えが浮かんでくるのは、今朝の空に秋のような薄雲が出ており、今まで撮ってきたものとは一味違う眺めになりそうだからです。終日撮影するには及ばないとしても、午前中の使い道としてはお誂え向きという印象です。この場合、昼時に先んじて「田沢食堂」に駆け込むというさらなる拡大策も視野に入ってきます。どこで切り上げるかが思案のしどころとなりそうです。
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