日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2018 - つばさ160号

2018-04-22 20:43:21 | 東北
花見をしながら東北地方を北上していく場合、大型連休の前半と後半、さらにはそれらの前後の週末を組み合わせる必要が出てきます。その際に有効なのが、現地に車を置いて一旦帰るという奇策です。直近二年は米沢から自走で一旦帰りましたが、それ以上遠くなるとさすがに自走で帰る気力は起こりません。体力的にも、時間的にも到底不可能とまではいえないものの、振り出しに戻って旅の連続性が失われるのが惜しいとでも申しましょうか。今回は天童を起点に一時帰京する形に落ち着きました。出発から504km走ったところで第一部は終了です。

天童を起点にするのは四年ぶり二度目です。前回は北海道から津軽、盛岡、仙北、庄内という変わった経路で南下していき、翌週末に完結させる前提で、天童を最後の一時帰京の起点に選んだのでした。ところが、庄内からの移動に思った以上の時間を消費し、ようやく着いたときには列車の時刻が秒読み段階に迫っていました。結局、身支度を調える暇もなく上りの最終列車が目の前に滑り込み、立ち尽くすこちらを後目にそのまま発車。その晩はやむなく神町駅前の旅館に飛び込み、翌朝の始発列車で帰ったというのがそのときの顛末です。
当時の教訓は多少なりとも生かされ、最後まで慌てることなく、必要最小限の余裕を保ったまま列車に乗り込むことができました。駅前に着いたのは発車の15分前、荷物をまとめて切符を買い、ホームに下りたのが3分前という、端から見れば紙一重のようにも思える結果ではありましたが、自分にしては上出来の部類といってよいでしょう。

★天童2031/つばさ160(160M→160B)/2328東京
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東北縦断花見の旅 2018 - 金ちゃんラーメン谷地店

2018-04-22 19:31:06 | B級グルメ
置賜さくら回廊を走りきり、その足で谷地へと向かう定跡が、三年ぶりに再現されました。ここから神町を経て仙台へ向かうのが、過去最も多く繰り返された展開ですが、今回はそこまで進まず、車を置いて一旦帰る流れです。その前に腹ごしらえを済ませていきます。

谷地といえば肉そばですが、残念ながら閉店が総じて早く、今からでも入れる店の心当たりがありません。しかし、そのようなときこそ訪ねたいと思っていたとっておきの店があります。昼夜連続となる「金ちゃんラーメン」です。
二月に訪ねた「いろは分店」の斜向かいという分かりやすい立地です。米沢の店を知るより前から、存在自体は認識していたことになります。しかし、肉そばを差し置いてまでいただくという思い切った決断はしがたく、これまで機会を逃し続けてきました。それが今回、肉そばは既に看板、ラーメンならまだ間に合うという特殊な状況が出現したことにより、ようやく宿願達成となったわけです。

暖簾をくぐると右にカウンターと厨房、左にテーブルが三つ、奥には小上がりが二卓あります。米沢より一回り小さい店を仕切るのは、ベテランの店主と女将の二人組です。居酒屋でもない限り、カウンターより小上がりに好んで座る性分のところ、あえて店主の仕事ぶりを窺えるカウンターにつきました。
醤油と味噌の二本柱に加えて塩ラーメンと餃子、さらにはご飯もあるのがここの特徴です。中でも味噌が一押しである旨が掲示され、店主からも直々に奨めを受けました。しかしながら、他店との違いを理解したいという考えもあり、手堅くチャーシューメンを注文。白い丼、平打ち麺、透き通った醤油スープを組み合わせ、チャーシュー、葱、メンマと焼き海苔を乗せるところは同様で、たくあんの小皿にレンゲを乗せるところも同じです。スープを一口すすった瞬間の甘い香りも、食べ進めるにつれて麺とスープがなじんでいく感覚も共通しています。しかしここから先が違いました。チャーシューには薄切りのバラ肉が使われ、なるとの代わりに煮玉子が乗ります。さらに、わかめが入るところと、刻んだ玉葱を好みに応じて入れるところは当店独自です。
わかめが入ることによりスープに風味が移るため、個人的には蛇足というのが率直なところではあります。しかし、たしかに味噌には合うかもしれず、店主が一押しする理由が推し量れます。再訪の機会が巡ってきたとすれば、今度はみそラーメンをいただいてみることにしましょう。

金ちゃんラーメン谷地店
西村山郡河北町谷地所岡1-3-13
0237-72-7239
1100AM-1430PM/1730PM-2030PM
月曜及び木曜夜の部定休
チャーシューメン750円
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東北縦断花見の旅 2018 - 八乙女種蒔桜

2018-04-22 18:37:21 | 東北
古木巡りもひとまず打ち止め、トリを飾るのは八乙女種蒔桜です。
米沢、赤湯を経由してくる関係上、例年は伊佐沢の久保桜、釜の越桜のあたりで日が暮れてしまい、桜に寄りつつここまで走り通したことはありません。ただし、初めて訪ねたわけでもなく、十二の桜からここまでは九年ぶりの再訪だったことになります。九年前といえば初めて東北を縦断した年です。当然経路も確立しておらず、まず山形に泊まってから、さくら回廊をたどりつつ赤湯へ南下していったのでした。そのとき最初に立ち寄ったのがここです。長らく無沙汰したこともあり、当時の記憶もほぼなくなっていたのが実情ながら、案内板を頼りに歩き、神社の境内へたどりついたとき、ようやく記憶が甦ってきました。
今回は公民館の駐車場に車を止めて歩きましたが、当時は町内から石段を上がったような気がします。その石段を登り切って鳥居をくぐった先に、参道を斜めに跨ぐような形で樹齢五百年のエドヒガンが立っており、参道の両側から三角形に添え木が組まれて、頭上に覆い被さる幹を支えていました。よそではお目にかかれそうにもない、なかなか豪快な眺めです。
赤坂の薬師桜と同様、鬱蒼とした杉木立に囲まれており、以前訪ねたときも日陰になっていたと記憶しています。それが今回、杉木立の間からわずかに漏れる残照と、街灯の弱い明かりで桜が照らされ、参道の突き当たりにある本殿との対比が様になっています。これも日中ではなく今訪ねたからこその眺めです。最後まで粘った甲斐はありました。
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東北縦断花見の旅 2018 - 赤坂の薬師桜

2018-04-22 18:13:46 | 東北
六時を回っていよいよ暗くなってきました。続いて訪ねるのは赤坂の薬師桜です。
県道に面していた先ほどの薬師堂に対し、こちらは住宅地の背後に迫った高台の上にあります。桜は薬師堂の前ではなく、少し離れた塚の上に立っていました。しかし、腰を下ろしたような背の低い佇まいには、どことなく相通ずるものが感じられます。
鬱蒼とした杉木立に囲まれ、市街がある東側だけが開けており、日中はかなりの時間にわたって日陰になりそうな場所です。しかし、塚を一旦通り過ぎ、坂の上から振り返ると、影絵になった桜の向こうに荒砥の市街が広がっていました。つい先ほどまでは市街の方に日が当たり、手前との明るさが違いすぎて、おそらく絵にはならなかったでしょう。さりとてさらに時間が経てば、周囲が暗くなりすぎて、同じく絵にはならなかったと思われます。日中に訪ねることは叶わなかったものの、ある意味最もよい時間に重なったのかもしれません。
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東北縦断花見の旅 2018 - 後庵桜

2018-04-22 17:59:14 | 東北
その後再び日が陰り、さすがにもう日が射すことはなさそうですが、残りを全て回ってもあと二、三ヶ所です。毒を食らわば皿までも、続いては後庵桜を訪ねます。
子守堂の桜から生活道路を進んでいくと、少し離れた神社に車を止めて歩くように案内されていました。それに従い歩いて行くと、何の変哲もない民家の庭先にテントがあって、その奥にエドヒガンが立っていました。そのような立地上、至近距離から見上げる形にならざるを得ず、名木の佇まいを全体的に捉えられないのが惜しまれます。しかし、どう見ても他人様の庭先に咲いている桜であり、それを好意で見せてもらっているのが実態なのでしょう。ならばそれだけでも十分ありがたいというものです。もう少し早ければ、テントでお茶をいただくこともできたのでしょうか。よそ者を快く迎え入れ、自ら案内してくれた民家の御仁に感謝します。
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東北縦断花見の旅 2018 - 子守堂の桜

2018-04-22 17:38:50 | 東北
十二の桜、山口奨学堂の桜を訪ねるも、釜の越桜を出た直後から日陰となってしまいました。しかし、さらに走ると若干開けた場所に出て、再び西日が射してきました。やがて現れたのが子守堂の桜です。西向きの斜面の途中に立つエドヒガンの大木が、斜面の上に顔を出しており、その部分だけが淡い夕日に染まっていました。あと五分でも遅ければ、それさえ陰っていたでしょう。それ以前に、一度日が陰った時点で切り上げれば、この光景には出会えませんでした。執念の勝利です。
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東北縦断花見の旅 2018 - 薬師桜

2018-04-22 17:11:15 | 東北
釜の越桜の樹勢がいよいよ弱まって、ウェザーニュースの「さくらCh.」からも姿を消すに至り、代わって掲載されるようになったのが薬師桜です。釜の越桜から歩いて行ける近さなのが、後釜に据えられた理由の一つなのでしょう。
開けた芝地に佇む釜の越桜に対し、こちらは県道に面した薬師堂の前に立つ桜です。高さはそれほどでもないものの、年寄りが腰を下ろしたような佇まいが絵になっています。東向きに建つ薬師堂は当然ながら逆光ですが、散りかけているときは逆光気味の方がむしろ絵になるものです。久保桜の樹勢は大分弱っており、殿入桜は葉桜同然、釜の越桜に至っては枯木同然という空振り続きの中、ようやく収穫がもたらされました。
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東北縦断花見の旅 2018 - 釜の越桜

2018-04-22 17:01:03 | 東北
国道をひたすら走れば、今日中に仙台、場合によってはそれより先にも行けたでしょう。そうすれば大型連休の活動も進めやすくなります。そこを無碍には切れないのが悲しい性です。結局最上川を左岸へ渡ってきました。続いて訪ねるのは釜の越桜です。
主役の名木を囲むように立派な桜が立ち並び、雪山が背後に迫るという眺めがよく、樹齢こそ伊佐沢の久保桜には及ばないものの、見物客の数では一、二を争うのがここの特徴です。ただし、周辺の古木の中では特に樹勢が弱っていた木でもあります。最後に訪ねたのは三年前でしたが、その後とうとう枯れてしまったらしいと風の便りに聞きました。
実際のところ、主役には花どころか枝さえもなく、どこから見ても枯木です。しかし枯れたとの案内はどこにもありません。幹だけにされてしまった近所の銀杏に、いつの間にやら葉が出ていたという出来事がありましたが、それと同様この状態からでも復活することはあり得るのでしょうか。久保桜ともども、来季以降の回復ぶりが気になります。
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東北縦断花見の旅 2018 - 殿入桜

2018-04-22 16:14:30 | 東北
久保桜から西へ走ると、その子孫というエドヒガンの若い木々が山の斜面に林立していて、さらに走ると最上川に架かった橋の袂に出ます。その橋を渡らず右岸を北上して行き、一本下流で渡るのが定跡でした。今回は手順を変えて右岸の国道をそのまま北上。旧道に入り、少し走ったところにあるのが殿入桜です。
今まで左岸に渡っていたのは、名木がそちらに集中しているからに他なりません。ただし、南北に川が流れる関係上、この時間になると背後の山が強い逆光になるばかりか、時間が経てば経つほど日陰になってしまいます。どのみち多くを期待できない状況なら、たまには右岸を行ってみようと思い立った次第です。
その目論見自体は的中し、目当ての殿入桜が西日を浴びて佇んでいました。民家の裏手に小高い山が迫り、ほどよい高さに塚のような盛り上がった部分があって、そこに主役が鎮座するという状況です。せり上がっていく斜面にもソメイヨシノが林立していて、同じく西日を浴びています。しかし、いかんせん見頃をとうに過ぎており、葉桜同然なのが残念です。
この開花状況からすると、これ以上進んでも見頃の桜が現れる可能性は低そうです。猪苗代の桜ならまだ見頃だったわけであり、なまじ北上してきたのが裏目に出てしまいました。とはいえ、今更会津へ戻る時間はありません。花見日和を生かせないのは惜しまれるものの、次回に向けて距離を稼いでおくのが現実的でしょう。
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東北縦断花見の旅 2018 - 伊佐沢の久保桜

2018-04-22 15:42:53 | 東北
西大塚から北上して行く県道が、西へ向きを変えるところに次なる桜があります。推定樹齢千二百年、国の天然記念物にしてさくら回廊屈指の名木、伊佐沢の久保桜です。
今回再訪して気付いたのは、駐車場の脇にも立派なエドヒガンがあることです。傍には薄墨桜の子孫であることを示した石が建っています。ソメイヨシノが散りかける中、こちらはまだまだ見頃です。ならば主役はどうかというと、散ってきたというのが第一印象でした。そして次の瞬間、何やら様子が違うことに気付きました。幹を支えていた添え木が一新されたのかと思いきや、よくよく見るとそうではありません。今まであった添え木の他に、白木が二本建っていて、それぞれから雪吊りのごとく放射状に縄が延びて枝を吊っています。やがて分かってきたのは、樹勢が相当弱っているということでした。
三年前に訪ねたときは、周囲の桜に花がほとんど付かない中、この桜だけが散りかけながらも見事な花を咲かせており、さすがは名木と感心したものでした。ところが今年は、花ばかりか枝も相当少なくなったように見えます。縄で吊るのは、幹だけでなく枝が自身を支えられなくなってきたということであり、このことからも深刻な状態であることが窺われました。
千二百年立ち続けた桜にとって、三年など取るに足らない時間にもかかわらず、わずかな期間で急激に衰えてしまった原因はどこにあるのでしょうか。回復を祈りつつ、些少ながらも協力金を投じました。
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東北縦断花見の旅 2018 - 西大塚駅

2018-04-22 15:04:59 | 東北
眺陽桜を筆頭に始まるのが、名木が点在する置賜さくら回廊です。米沢の桜が凄まじい勢いで散っていき、赤湯でも宮内でも見頃を過ぎた感がある中、この先の桜にも多くを期待するのは難しいでしょう。とはいえ、久しく無沙汰していた古木を目前にして、退却するという決断もしがたいものがあります。ともかく前進あるのみです。次へと向かう道すがら、西大塚駅を再訪します。
宮内から長井へ向かう県道の途中にあり、古木を巡っていくと必然的に通る場所です。そのため、花見の旅では西米沢駅と並ぶお約束の立ち寄り場所の一つでしたが、去年は赤湯まで、一昨年は米沢までしか駒を進めることができず、これが三年ぶりの再訪ということになります。
大正二年建築の木造駅舎は、幸いにも何一つ変わることなく健在でした。厳しい風雪に晒され、くたびれている様子なのは気になるものの、それでも小ぎれいに掃き清められており、荒れ果てた様子は全くありません。荷物窓口には駅ノートが置かれて、頭上の壁は駅と列車の写真で飾られ、待合室の扉と窓は開け放たれて、心地のよい西風が吹き込んできます。時間との戦いをしばし忘れる昼下がりです。
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東北縦断花見の旅 2018 - 双松公園

2018-04-22 14:32:21 | 東北
続いては宮内の双松公園を訪ねます。規模こそ烏帽子山公園には及ばないものの、小高い丘に桜が咲き、そこから市街と雪山を見渡す眺めは似通っており、烏帽子山を「表」とすれば「裏」の名所といえるのがこちらです。
似ているのは眺めだけではありません。烏帽子山の桜が咲かないときは、こちらでもほぼ同じ現象が起こります。赤湯があれなら、ここの桜についても多くを期待するのは難しかろうと思いました。その予感は残念ながら的中し、まばらに咲いたソメイヨシノが立っていました。開花する時期の違いを考えると、これが昨日、一昨日あたりの赤湯だと思っておけば大筋で間違いありません。やはり、赤湯でも花が少なかったのは事実のようです。さりとて食害に遭ったとも考えにくい以上、この一帯では恒常的な現象である可能性が高くなってきました。
そのような中、唯一様になっているのが、公園の顔ともいうべき眺陽桜です。やや散りかけてはいながらも、見事な花を咲かせているのは、さすがと感服させられます。花の数と枝振りはもちろんのこと、市街を見下ろす小高い丘の中腹に立つ姿も秀逸なのです。桜といえば見上げるのが常のところ、丘の上から桜とともに市街を見下ろすという状況は、ありそうで実はなかなかありません。
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東北縦断花見の旅 2018 - 烏帽子山公園

2018-04-22 13:50:30 | 東北
会津か米沢かの二者択一で後者にしたのは、置賜での花見に注力するためだと申しました。その置賜では随一の、東北でも屈指の名所が赤湯の烏帽子山公園です。ここから後半戦に入ります。

俗に「みちのく三大桜」と申しますが、弘前はともかくとして、角館と北上についてはかねがね懐疑的でした。北東北の三県に限定するからそうなるのであって、東北六県で考えれば、弘前に迫りうるのは何といっても赤湯だろうと思うからです。弘前の桜が見事なのは、本数、枝振り、広さにおいて他を圧倒しているのもさることながら、眺めが変化に富んでいることではないでしょうか。そして、変化に富んだ眺めという点では、烏帽子山が角館と北上を大差で上回ります。ここを再訪したいというのが、今回会津を切ってまで訪ねた理由の一つでした。
ただし、一抹の不安があったことを白状しておきましょう。というのも、こことの相性が非常によろしくないからです。そして不安は的中してしまいました。満開と聞いていたにもかかわらず、今年も花は咲いていなかったのですorz
「散った」と言わないのは、そもそもどれだけ散ったのかが定かではないからです。これは、米沢の桜に比べて花がまばらで、そもそも散る花がないという現象を度々目撃してきたからに他なりません。
枝をよくよく観察すると、花が散った跡はたしかにあります。それすらほとんどなかった年のことも考えると、曲がりなりにも咲いて散ったのは事実のようです。ただ、米沢よりもやや遅れて開花したにもかかわらず、花がないばかりか花吹雪もほとんど舞っていないということは、最盛期より花が少なかった可能性もあります。順調に開花が進んだ今季、食害に見舞われたとは考えにくいのですが。

真相はともかく、咲いていないという目の前の事実が全てです。残念ながら、今季も烏帽子山の花盛りを見届けることは叶いませんでした。心底惚れ込んでいながら、何度行っても振られてしまう相性の悪さは、呑み屋でいうなら松本の「山女や」、あるいは静岡の「昇菊」のようとでもいえばよいでしょうか。
しかし、これらの二軒については、粘り強く通った末に、最近ようやく入れるようになってきました。それと同様、いつかは運が巡ってくることはあるのかもしれません。その可能性を信じつつ、来年も足を運んでみるつもりです。
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東北縦断花見の旅 2018 - 地酒蔵ゆうき

2018-04-22 13:13:21 | 酒屋
今年の花見は例年以上の過密日程です。例年ならば松本、伊那、会津の順に渡り歩き、その都度酒を買い集めるにもかかわらず、今季は全て素通りでした。しかし、赤湯には経路上無駄なく寄れる酒屋があります。花見に先立ち「地酒蔵ゆうき」を再訪しました。
去年見つけたこちらの酒屋、食料品まで取り扱う量販店のごとき店構えは、普段世話になっている地酒専門店とは趣をやや異にします。特約店向けの限定品もないわけではないものの、品揃えの大半は古風なラベルをまとった常温保管の酒です。ただし、薄利多売の量販店と違うのは、千円そこそこの安くておいしい純米酒を多数揃えていることで、前回いただいた「東光」も出色の名品でした。今回は古風な酒の中から「樽平」を、限定品の中から「若乃井」なる初見の酒をそれぞれ選択。先ほど買ったコシアブラとともにいただくつもりです。

地酒蔵ゆうき
南陽市椚塚1605-4
0238-43-6333
900AM-2100PM
元日休業
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東北縦断花見の旅 2018 - 金ちゃんラーメン

2018-04-22 11:38:30 | B級グルメ
米沢でお昼といえば、自分の中ではこれしかありません。米沢を出る前に「金ちゃんラーメン」で腹ごしらえを済ませます。
テーブルが六つ、小上がりが四つある中、空いていたのはそれぞれにつき二つです。つまり、自分が入った時点で七割方が埋まったことになります。この時点で開店から五分からしか経っていません。ただし、時間が経つほど混んでくるかというとそうでもありません。瞬間的に待ち客は出るものの、先客の片付けが済み次第通されるという状況が続き、待ち客が列をなす場面はありませんでした。
開店とほぼ同時に席が埋まれば、一巡目の注文を捌くのに時間が要るのは当然です。事実、注文した品が出てくるまでには20分弱かかってしまいました。岐阜の「丸デブ」にしてもそうですが、開店と同時に席があらかた埋まる、しかし行列にまではならないという状況ならば、むしろ最初のお客が一巡してからの方がよく、開店をめがけていくのは逆効果なのかもしれません。
とはいえ、今日は時間に余裕がなく、いたずらに引き延ばすという選択は許されませんでした。一通り回ったところで店が開くという流れは理想的でした。

自分自身、口コミサイトの情報を鵜呑みにすることについては否定的です。これは、有名店になればなるほど一見客の評価が大半を占め、店の真価を知るであろう常連客の評価が埋没するばかりか、客層もそれ相応に俗化してしまうからに他なりません。逆に言えば、平凡な得点であっても優れた店は少なからずあります。その最たる部類に属するのがこの店です。
この店に高得点がついているのを見たことはありません。しかし、地元客からの根強い支持は一目瞭然であり、それも宜なるかなと納得させてくれる至高の一杯です。得点を盲信すれば、この味を知ることはできません。有名店に列をなす一見客は、確実に損をしていると言い切りましょう。

金ちゃんラーメン米沢店
米沢市林泉寺2-3-28
0238-21-3000
1130AM-1400PM/1700PM-1930PM
月曜定休
チャーシュー麺800円
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