日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

はまなす惜別乗車 - 真打登場

2016-01-30 22:07:16 | 北海道
三日間の旅もいよいよ山場を迎えました。本活動の真打である「はまなす」で青森へ向かいます。
去年の六月、下りの「北斗星」で渡道したとき、本来予定していた最終日に帰りの列車を逃し、「はまなす」と翌朝の始発の新幹線を乗り継いで帰ったことについては既に述べました。当時は廃止の正式発表こそなかったものの、新幹線に取って代わられ姿を消すのは時間の問題と見られており、寝台券も徐々に入手しづらくなっていた頃でした。それだけに、これが正真正銘最後の寝台車になるだろうと考えて、しみじみ名残を惜しんだつもりでした。それがまたしても棚からぼた餅で乗車の機会を得たわけで、寝台券の入手に奔走した主催者には頭が上がりません。

列車は「スーパー宗谷」からの乗り換え客を拾い、5分遅れで札幌を発車しました。以前も同様の状況を経験しています。南千歳では釧路からの「スーパーおおぞら」にも接続し、翌朝新青森で東北新幹線に乗り継げば、九時半には東京に着くというのが本来のダイヤです。
このように、道内各地からの乗客を翌朝までに東京へ送り届けるという役割が「はまなす」にはありました。ところが、北海道新幹線の開業を大義名分にして、その他の旅客列車は問答無用で廃止され、翌朝までに都内へ着くことはできなくなります。それどころか、始発の新幹線で新函館北斗を出ても、東京着は稚内、釧路から一晩かけて移動したときより大幅に遅くなるのです。新幹線の開業により不便になるとはどういうことでしょうか。何のための新幹線かと改めて思います。
北海道新幹線が絡むと、つい愚痴ばかりになってしまっていけません。しかし不平不満は一旦腹に収めましょう。図らずも巡ってきた最後の乗車を、心置きなく満喫したいものだと思います。

★札幌2200/はまなす(202レ)/619青森
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はまなす惜別乗車 - 居魚や かくれんぼ

2016-01-30 18:41:02 | 居酒屋
東豊線に終点の福住まで乗り仲間と合流。「はまなす」の乗車に先立ち、去年も世話になった「かくれんぼ」にて前座の宴会となります。
席に着くなり豪勢な刺身と鮪のかま焼き、かまとろの握り寿司が出てくるのは前回と同様です。これがこの店における三種の神器なのでしょうか。今回は鍋物がなく、その代わりに毛ガニ、ナメタカレイ、穴子の天ぷらにカニコロッケなど、見るからに物量感のある品が次々と運ばれてきました。これらとともに一升瓶を飲み干す様は酒池肉林そのものです。
「仲間」とは申しましたが、実は旧知の活動仲間ばかりではありません。一年前に「北斗星」で乗り合わせ、再度決行した六月にも同道した札幌在住の御仁を始め、主催者の職場の同僚も加わり、総勢十名以上の一大勢力が形成された中でも、よくよく数えてみれば昔からの仲間は半分にすぎませんでした。いわば夜行列車が結んだ縁ということになります。「北斗星」も「はまなす」も姿を消し、汽車旅が新幹線で直行直帰するだけの味気ないものに成り下がっては、このような出会いもおそらく二度とないでしょう。夜行列車による最後の置き土産です。
参加者の中には子連れの御仁も。女の子の歳は五つか六つといったところでしょうか。北海道へ来たつもりが、連れてこられた先がよりによってむくつけき中年男どもの宴会です。当惑している様子がありありとうかがわれ、こちらとしても申し訳なく思いました。しかし、我々のことは忘れても、北海道を旅した幼い頃の思い出を、記憶の片隅にとどめておいてもらえれば幸いに思います。それが寝台車を知る最後の世代の記憶となるのは間違いないからです。

居魚や かくれんぼ
札幌市豊平区福住2条2-9-14
011-851-1187
1730PM-2230PM(LO)
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はまなす惜別乗車 - 東豊湯

2016-01-30 17:34:35 | 温泉
昨秋訪ねた留萌遠軽滝川など、中小規模の町にも銭湯が残っているのが北海道の特徴です。そして札幌も、大都市にしては珍しいほど銭湯が多いような気がします。待ち合わせ場所への経路上にあり、なおかつ駅の近くという条件で探した結果、最もおあつらえ向きだった「東豊湯」を選びました。半地下に駐車場、中二階に銭湯があり、玄関脇に上層階のマンションの入口があるという、少し変わった造りの銭湯です。

東豊湯
札幌市豊平区豊平8条8丁目1-7
011-811-0241
1430PM-2230PM
水曜定休
入浴料440円
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はまなす惜別乗車 - 前言撤回

2016-01-30 16:31:43 | 北海道
本日単独行動に際して唯一予定していたのが市電の乗車でしたが、結局乗らずじまいとなりました。というのも来る電車がことごとく混んでおり、荷物を担いで乗るのが憚られるような状況だったのです。環状化されて乗客が増えたと聞いてはいたものの、予想以上の盛況です。今日でなければ乗れないものでもないため、手近な場所で撮影だけして切り上げました。
屋外に小一時間立ち続けて、身体の芯まで冷えました。一風呂浴びる程度の時間が残ったため、銭湯に寄ってから集合場所に向かいます。さほどの寒さも感じなかった去年と違い、今日の寒さはかなりのものです。暖冬少雪ながらも終盤だけ冷え込んだ今季らしい一日でした。
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はまなす惜別乗車 - 続・井の中の蛙

2016-01-30 14:58:53 | 北海道
大通公園を歩いたり、道庁に寄ったりするうちに三時を回りました。市電に乗り、銭湯で一風呂浴びれば集合時刻の六時になりそうです。
腹ごしらえを済ませた頃から空が曇り、先ほど雪が舞い降りてきました。日差しが遮られたという事情を割り引いても寒さはかなりのもので、体感的には昨晩と大差がありません。これが東北なら、昼間はそこそこ過ごしやすく、日が落ちてから急に冷え込んでくるところです。昼間から寒いのはさすが北海道といったところでしょうか。

先ほど自分よりも薄着の人々が相当数いることを捉えて、自分の暑がりも井の中の蛙だと評しました。同様に井の中の蛙と思い知らされるのが、街行く人々の歩く速さです。
走る方はともかく、歩く方についてはかなり早い方と自覚しており、日頃歩いているときには周りの通行人を追い抜く方が圧倒的に多くなります。しかし、踏み固められて凍りついた札幌の道ともなると勝手が違い、転倒に怯えながら小さい歩幅で歩かざるを得ません。それを尻目に、地元の人々は何事もないかのように早足で歩いており、自分は次々追い抜かれる始末です。寒さにしても凍結路にしても、何年か生活していれば適応してくるものなのでしょうか。自分は一生かけても彼等には追いつけそうにありません。
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はまなす惜別乗車 - 雪まつり

2016-01-30 14:51:30 | 北海道
腹ごしらえを済ませ、ようやく市電に乗るかというとさにあらず。大通公園にやってきました。間もなく始まる雪まつりに備え、雪像の制作が至る所で進められています。大きいものについては足場を組んだり重機を入れたりするなど、工事現場同然の状況です。雪まつり自体は一昨年に見物し、一生に一度観れば十分だという予想通りの印象を抱きました。しかし仙台の七夕まつりと同様、制作中の現場のは祭りそのものよりも眺めていて楽しいものがあります。
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はまなす惜別乗車 - サヴォイ

2016-01-30 12:15:30 | B級グルメ
市電に乗るべく南1条の電車通りにやってきましたが、その前に腹ごしらえを済ませます。選んだのは昨夜に続くスープカリー、宿の朝食もカレーだったため、これで三食連続のカレーです。
もちろん趣向を変えるという選択はあり得たのです。かような観点から考えたのは、長らく無沙汰している「牛タンの笑や」で、腹ごしらえを済ませ次第すぐ電車に乗れるという点でも理想的でした。ところが土曜の昼は休みらしく、あえなく振られてしまいました。もっとも、そのような場合の代替案も用意していました。それが同じビルの同じ区画にある「サヴォイ」です。
昨晩、口コミサイトであまりに得点、口コミ数が多いところはむしろ避けると申しました。その点この店の人気はかなりのものです。12時過ぎという飲食店が一番混む時間帯に重なった以上、待ち客が列をなしている事態も覚悟しつつ乗り込むと、店内は盛況ながらも待ち客が出るまでの事態には至らず、カウンターの一番手前側に案内されました。

まず特筆すべきはカウンターです。艶やかな天然木のカウンターは広々していて、椅子も同じく艶やかな天然木。隣の席との間隔も広めにとられており、全ての席が埋まっても窮屈さは感じられません。正面には鏡のように磨かれた機能的な厨房があり、香辛料の瓶や具材を小分けしたステンレスの容器などが整然と並びます。その厨房には店主と思しきおばちゃん、青年、お姉さんの三人が立ち、接客のお姉さんと青年の合わせて五人で店内を仕切るという布陣です。厨房の店主と青年はいくつもの鍋を並べてカレーを仕上げており、お姉さんが具材を焼いたり揚げたりといった調理を担当しているようで、一挙手一投足に無駄がありません。
そのような光景を眺めていると、やがて注文したカリーが運ばれてきました。手堅く行くならチキン野菜かというところ、選んだのはスペアリブのカリーです。これでレギュラーサイズかと思うほどのスペアリブは、チキンの骨付き肉にも引けを取らない物量感があり、これにブロッコリー、茄子、レンコンが加わって、上に二色のピーマンが乗ります。野菜四種かと思ったところ、スペアリブの下にジャガイモと人参が隠れており、〆て六種の豪華版でした。これで税抜千円とはお値打ち品です。
もう一つ特筆すべきは盛り付けの美しさです。汁物というと得てして具材が沈んでしまうため、商品写真と実際に出てくるものの見た目には多かれ少なかれ違いがあるのが常のところ、ここでは寸分違わぬものが出てきます。目の前から運ばれて行くカリーを見ると、具沢山なのはどれも同じでありながら、使われている野菜は注文により様々だということに気付きます。自分が頼んだものでいえば、底にジャガイモと人参を置き、その上にスペアリブを乗せるといった具合に、どの具材をどのように配置すれば美しく仕上がるかという点まで研究されているのでしょう。
これだけ周到な配慮が込められた一品だけに、味わいも当然期待を裏切りません。トマト風味だったSHO-RINのスープに対し、こちらはスープカリーの元祖「アジャンタ」を彷彿させる、香辛料の風味を押し出した正統派です。二口ほどすすっただけでも軽く汗がにじんでくるのは、辛さというより香辛料の薬効のためでしょう。スプーンとフォークだけでほぐれるスペアリブも、六種の野菜も申し分ありません。60円増でご飯を大盛りにもできるものの、カリー自体にかなりの物量感があるため、物足りなさは感じられませんでした。スープの香り高さを味わうのがここのカリーの真骨頂とすれば、ご飯は通常の分量で十分でしょう。呑んだ後ならご飯なしでカリーのみいただいてもよさそうです。
この通り、味、雰囲気のどちらをとっても非の打ち所がない名店です。この店に関する限り、口コミサイトの評判は適切だったことになります。

サヴォイ
札幌市中央区南1条西5-7 豊川南1条ビルB1F
011-219-7810
1130AM-2200PM(LO)
祝日除く水曜定休
北海道産スペアリブのカリー1080円
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はまなす惜別乗車 - 六花亭

2016-01-30 11:46:07 | B級グルメ
「はまなす」に乗るという活動の流れを考え、まず札幌駅に不要な荷物を預けておくことにしました。職場向けの土産も事前に押さえておきます。
職場に持ち帰る北海道の土産といえば、六花亭のマルセイバターサンドです。個人的には、これが全国のありとあらゆる土産の中の最高峰とは思いません。しかし、職場受けするという点において、この品の右に出るものはないのが現実です。だからこそ毎回半ば自動的に選んでしまうのですが。
道内主要都市ならどこへ行っても手に入る人気商品ですが、自分はバラ売りされる直営店を利用します。わずかな額とはいえ箱代を支払うのが馬鹿げているからです。しかし今回は節を曲げて箱入りにしました。というのも、この先相当な距離と時間にわたって持ち運ばなければならないことを考えると、バラのままでは型崩れさせてしまう可能性が少なからずあったからです。万全の状態で持ち帰るための箱代と割り切ります。1個当たりたかが5円の箱代をここまで惜しむとは、まったく小さい人間です(苦笑)
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はまなす惜別乗車 - 井の中の蛙

2016-01-30 10:59:15 | 北海道
宿から駅まで送ってもらえる状況ではありましたが、好天もあって歩くことにしました。御多分に漏れず札幌でも積雪は少なめです。
今回耐寒装備を省略して軽装にしたと申しました。しかし現地に来て気付くのは、自分が特段薄着なわけではなく、むしろごく平均的だということです。自分より薄着の人々も相当数見かけます。都内では今季一貫して半袖シャツと雨合羽で乗り切っている自分でも、北海道ではごく普通の存在に過ぎません。人並外れた暑がりを自任していたつもりが、井の中の蛙だったことを実感する光景です。
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はまなす惜別乗車 - 二日目

2016-01-30 10:51:12 | 北海道
おはようございます。その後二時過ぎに宿へ戻り、今朝は少し遅めに目覚めました。目覚めたときには小雪が舞っていたはずが、いつしか青空が広がっています。一年前に訪ねた時を思い出させる穏やかな晴天です。
活動の主題である「はまなす」の乗車を控えた本日は、仲間と合流する夕方まで単独行動となります。新たに開通した市電のループ線に乗る以外の予定は特にないものの、この好天なら時間を持て余すことはなさそうです。
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はまなす惜別乗車 - SHO-RIN

2016-01-30 01:25:00 | B級グルメ
腹具合にはまだ余裕があり、余勢を駆って四軒目に突入するかというところ、先月の京都に今月の金沢と、つい深酒しすぎる最近の傾向に鑑み自制しました。最後はSHO-RINのスープカリーで締めくくります。
スープカリーといえば骨つきチキンが代名詞のところ、本日は品書きに「おすすめ」とある豚しゃぶと白髪ネギなる品を選びました。というのは、前回いただいたチキンベジタブルが、1200円を超すそれなりのお値段のところ、こちらは少し手頃な価格設定だったからです。やはり骨付き肉というのはそれなりの原価になるのでしょうか。主役を欠くのはどうかという考えはありながらも、たまには趣向を変えるのも悪くないと思い立った次第です。
結論としては、これで必要にして十分ではあります。茹でたり焼いたりした具沢山の野菜も、トマト風味のスープもおいしく、骨付き肉を欠いても物足りなく感じることは一切ありません。こうなると、スープカリーの主役とは骨付き肉よりむしろ野菜ではないかという考えさえ浮上してきました。もちろん、スープカリーの原型は骨付き肉を主役としていたわけで、これが真打ちなのは否定し難い事実でしょう。自分自身、次の機会は骨付き肉に回帰しそうな気がしています。しかし、二、三回に一回は他のものを選んでみるのも悪くないというのが実感です。

SHO-RIN
札幌市中央区南五条西3-10 グランド太陽ビル1F
011-522-2622
平日 1700PM-315AM(LO)
日祝日 1700PM-015AM(LO)
豚しゃぶと白髪ネギカリー1130円
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はまなす惜別乗車 - コサリ

2016-01-30 00:10:56 | 居酒屋
飲食店を選ぶとき、まず口コミサイトの得点を見るという「食べログ至上主義者」は、自分の考える以上に多いようです。しかし自分はそのような行動基準をよしとしません。得点が高くても自分の好みに合わない店は少なからずあり、逆もまた然りだからです。参考にするなら得点よりもむしろ口コミの数でしょうか。件数があまりに多ければ、一見客で混み合う可能性を覚悟しなければならず、ほどほどの件数ならば地元で根強い人気を誇る名店かもしれないと期待できます。もちろん常にそうなるわけではなく、また口コミがほとんどない店の中にも珠玉の名店はあるため、この経験則も決して万能ではないのですが。
このような話を持ち出したのは、三軒目の選択肢と少なからず関係があるからです。実は、「ふらの」と同じ小路にジンギスカンの有名店「だるま」の本店があります。深夜でも長蛇の列ができているこの店が、今日に限って待ち客がいない状況だけに、試しに入ってみるかという考えが一瞬頭をもたげました。しかしそれは見送りました。というのも、件の口コミサイトで圧倒的な口コミ数と高得点を誇る人気店だけに、深夜でも一見の観光客で混み合っているという事態が懸念されたからです。そのような事情に加え、ジンギスカンの代わりになる店の心当たりもありました。その「コサリ」を三軒目とします。

初見の店ではありますが、都内にある支店には何度か世話になっています。東京タワーを見上げる東麻布の商店街にある、喫茶店風の瀟洒な店構えと店内が好ましく、カウンターで一人焼肉ができる貴重な店です。その本店が札幌にあるのは以前から聞いており、店の前も何度か通りがかってはいて、今回ようやく立ち寄る機会が巡ってきました。
小洒落た支店とは対照的な、煙がもうもうと漂う焼肉屋らしい焼肉屋というのが、通りがかったときの印象でした。しかしいざ入ってみると、外観の割には小ぎれいという印象を受けます。ただし「焼肉屋としては」ということであって、喫茶店風の支店と違い、質実剛健たる焼肉屋とでも形容すればよいのでしょうか。居酒屋と違い、何分焼肉屋に入る機会は限られるだけに、この雰囲気を的確に表現するのは難しいものがあります。しかし、カウンターが一本伸び、一人で焼肉ができるところは支店と同様です。カウンターには七輪がいくつも待機しており、席に着くやその一つが自分の方に運ばれてきました。
三軒目ゆえ何品も選べるわけではないものの、七輪で暖をとりつつ呑むサッポロクラシックは上々です。常連からママと呼ばれる女性店主が仕切る小ぢんまりした雰囲気も好ましいものがあります。やはり、自分には「だるま」よりもこちらの方が合っていました。

コサリ
札幌市中央区南七条西5
011-531-6859
平日 1800PM-300AM(LO)
日祝日 1800PM-2200PM(LO)
大晦日休業

サッポロクラシック×2
白菜キムチ
上ホルモン
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