日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北斗星惜別乗車 続編 - 出発

2015-06-06 21:57:50 | 東北
出発などといいながら、かなりの時間が経ってしまいました。宴会を中座し、一息ついたところでこの文を投稿しています。列車は小牛田を通過し東北本線を北上中。郡山で防護装置の作動により緊急停車し、その影響により五分ほどの遅れが出ています。先ほど本日最後の案内放送があり、それが終わると同時に室内灯が減光されたところです。
大挙9名で乗車した前回も相当ふるっていましたが、今回はそのとき以上の物量戦です。活動仲間のみならず、前回の乗車で知り合った札幌在住の御仁、主催者の職場の同僚、仲間の一人が四月の乗車で乗り合わせたという鉄道少年などが加わり、倍近い人数が集まったのには驚きました。たとえば花見の宴でも、それだけの人数が集まれば一大勢力になります。ましてやそれが一本の列車に乗り合わせれば、どのような事態になるかは推して知るべしというものでしょう。大人数が何より苦手な自分にとっては、いささか気疲れする時間となりましたorz
もっとも、狂想曲は三月の改正で一段落したか、今回の方が多少なりとも落ち着いている感はあります。車掌に何度かたしなめられつつも、乗り合わせた行きずりの人々と意気投合するといった場面もあり、総じて和気藹々とした空気が流れているのは幸いです。

それと同時に思うのは、この旅情もついに失われるのかというやるせなさです。半世紀前に開業した東海道新幹線は、限界に達していた在来線の輸送力を抜本的に改善しましたが、その成功に触発されて、おらが村にも新幹線という思想が蔓延して行った結果、新幹線の建設が輸送力の飽和化とは無関係に一人歩きし、それを大義名分にして夜行列車は次々に切り捨てられて行きました。しかも在来線は県境で分断され、そこを長距離の乗車には到底向かない短編成の普通列車が闊歩して、これでは否が応でも新幹線を使うしかありません。それでいながら、年代が後になればなるほど市街地への乗り入れは難しくなり、多くの駅は街外れに建設されて、そこから市街へ行く段階で小一時間消費してしまうため、実質的な短縮効果は大きく減殺されているのが現状です。このような弊害を見事にさらけ出しているのが北陸新幹線であり、来春開業する北海道新幹線も同様の結果を招くのでしょう。かつて夢の超特急と謳われた新幹線がこうも変質すると、当時の人々は果たして想像できたのでしょうか。
話が逸れてしまいました。札幌までの所要時間は19時間、まだまだ序盤に過ぎません。せめて今夜は夜汽車の旅を満喫したいものだと思います。

★上野1620/北斗星(8007レ)/1115札幌
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