日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

汽車旅in北陸 2016 - 赤玉金劇パシオン店

2016-01-16 23:44:54 | 居酒屋
「浜長」で心ゆくまで盃を傾け、あとは余韻をそのまま宿へ持ち帰ってもよい状況です。しかし、そろそろ日付が変わろうとする頃合いにもかかわらず、まっすぐ帰るにはまだ早いような気がしました。そう感じるのはこの店のために他なりません。おでんの老舗「赤玉」の支店を再訪します。
「浜長」に看板で振られたとき、代わりに訪ねた店の一つがここです。おでんを中心にした豊富な品書きは本店と変わらず、明るく大衆的な雰囲気は本店をも上回り、たらふく飲み食いしても、最後に軽く一杯やってもよしと使い勝手もよく、日付が変わっても入れるという非の打ちどころのない店です。その印象は再訪しても変わりませんでした。金沢の夜を締めくくるにふさわしい一軒です。

赤玉金劇パシオン店
金沢市片町1-7-23
076-221-6655
1700PM-030AM(LO)
水曜定休

常きげん
牛すじ
サバヌタ
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汽車旅in北陸 2016 - 浜長

2016-01-16 21:33:43 | 居酒屋
金沢に急遽泊まることにしたのは「きくのや」が取れたためだと先ほど申しました。直接の決め手はたしかにそうですが、そもそもなぜ連泊にしたかといえば、元々予定していた日曜の呑み屋事情を考えてのことに他なりません。
日曜の選択肢が限られる富山と違い、金沢は日曜でも選べる店が多いところで、ざっと挙げても赤玉、大関、源左エ門といった錚々たる顔触れが揃います。土曜を富山、日曜を金沢にするという当初の予定も、そのような事情を踏まえた上での選択でした。しかし、当然ながら日曜定休の店は多いわけで、該当する金沢の店については今回見送らざるを得ず、なおかつ次の機会もいつになるかは分かりません。このような状況において、どうしても今回訪ねておきたい店があったことこそ、金沢に連泊しようと思い立った動機なのです。前置きは長くなりましたが、その「浜長」の暖簾をくぐりました。

去年の二月に訪ねたときは、やはり富山との掛け持ちをしました。そして、投宿後悠長に風呂など浴びていたのが災いし、十時過ぎに「浜長」へ乗り込んだところ、早仕舞いで振られるという手痛い失策をしました。その結果、去年はこの店に一度も立ち寄れずに終わったわけです。とはいえ前年の暮れには訪ねており、期間としては一年を少し超える程度の無沙汰で済んだのは幸いです。
「親爺」と同様、どうにか顔は覚えてもらえたようで、入るやいなや店主の口癖である「ようこそ」の第一声とともに、「毎度」の言葉で迎えられました。カウンターの先客は一名のみ、その先客とカウンターの中心をはさんで対称の位置にあたる左寄りの席に案内されると、正面には見慣れた文字で書かれた品書きの黒板が。先客のいる、店主の定位置の正面が特等席なのは事実なのでしょう。しかしこちらはこちらで悪くありません。
今回も突き出しは五品出てきました。数の子と黒豆が正月らしく、菜の花が季節を先取りしていて、これに鰆と思しき西京焼も加わり、繊細な季節感がありありと感じられる、見た目にも美しい品々です。中でも刮目させられたのは、中央にある「白い何か」でした。見れば一目で分かる家庭料理と違い、一見何やら分からない手の込んだものが一つや二つ出てくるのは承知しています。それが得てしてただならぬ逸品であることについても。しかしてその正体とは、千枚漬で酢飯を包んだもので、直裁にいうならかぶら寿司の一種ということになるでしょうか。しかし、かぶら寿司から連想されるのとは全く違う、酢飯の風味と山椒の香りが一体となった、唯一無二の味わいです。教祖の「居酒屋味酒覧」には「目が覚める」との評がありますが、実際に何回足を運んでも、美味に刮目することがこの店では必ずあります。前回やはり刮目したおからもいただき宿願達成。これでこそ富山から駆けつけた甲斐があったというものです。

浜長
金沢市片町2-27-24
076-233-3390
1700PM-2330PM
日祝日定休

手取川・萬歳楽
突き出し五品
平目昆布〆・たら子付け
小蛸炊
はすむし
おから
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汽車旅in北陸 2016 - きくのや

2016-01-16 20:42:36 | 北陸
金沢に着きました。最前部の特等席を確保しての快適な移動でした。やはり、普通列車の世話になる余地はもうなさそうです。
このところ金沢で世話になっているのが「きくのや」です。富山に泊まるつもりでいたのを土壇場で金沢に変えたのは、ここの六畳間が空いていると分かったためでした。呑み屋街至近、それでいながら周囲は閑静、家庭的な雰囲気と和室の居心地も申し分なしという美点については、過去にも絶賛した通りです。階段を上がって突き当たった場所にある六畳間が、あたかも実家のように感じられることについても。今年もここに戻ってこられたのを幸いに思います。

新幹線の開業で北陸がにわかに湧き立ち、金沢の宿不足が深刻になっているという話を小耳に挟みました。しかしこの通り、直前でも目当ての宿を押さえることはできたわけです。たしかに中心街の宿こそ混んではいるものの、駅前の宿にはかなり余裕があって、安売り合戦が繰り広げられています。往路の新幹線もがら空きでした。
近年では、大河ドラマの影響で、会津の宿がとれなくなるという事態がありました。しかしあちらも一年経てば元の木阿弥となったわけです。やはり、この手の効果は一年持つかどうかなのでしょう。一時の賑わいが去り、北陸では空気を運ぶ新幹線と、高速バスに頼るしかない都市間移動の二本立てという交通体系が確立されました。新幹線がもたらした現実を、まざまざと見せつけられる今回の活動です。
またしても愚痴を申してしまいました。新幹線云々はさておき、この宿に泊まれること、金沢で呑めることについては楽しみです。一風呂浴びてから夜の街に繰り出します。
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汽車旅in北陸 2016 - 高速バス

2016-01-16 19:02:36 | 北陸
「親爺」と「あら川」で腹も心も満たされ、余勢を駆ってもう一軒という状況ではありますが、少しばかりの未練と余韻を残して切り上げます。ロッカーに預けた荷物を引き取り金沢行の列車、もとい高速バスに乗り込みました。
無味乾燥な高速バスを、好きで選んだわけではありません。理由は偏に、新幹線の開業により在来線が全く使えない代物に変わり果てたからです。事業者が代わって値上げされたのは仕方ないとしても、寄りかかる場所さえない混雑した短編成の列車に詰め込まれ、最悪一時間の立ち通しも覚悟という有様では、701系が闊歩する東北と同様、いかにして普通列車を避けるかが解決すべき課題となってきます。「新幹線があるからそれでいいだろう」と言われても、小倉・博多間の倍近い料金はどうにも割に合いません。そこで浮上してきた苦肉の策が高速バスでした。
金沢までの所要時間は75分前後、一時間で済む普通列車よりはかかるものの、金沢市街の中心まで直行できることを考えると、所要時間の差は完全に解消されるわけです。さらに、発車の10分以上前でなければ座れない普通列車と違い、こちらは余裕で着席できます。つまり、運賃、利便性、所要時間、接客水準のどれをとっても高速バスの圧勝なのです。少なくとも、金沢、富山両都市間の移動に関する限り、在来線の役割は完全に終わったといってよいでしょう。これが北陸新幹線のもたらした現実です。
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汽車旅in北陸 2016 - あら川

2016-01-16 17:42:21 | 居酒屋
はしご酒をするとはいっても、多少の腹ごなしができればそれに越したことはありません。しかし、小雨がそぼ降る薄ら寒い夜です。すぐさま次に入りたいという考えが勝り、間髪入れずに二軒目へ飛び込みました。訪ねるのは「親爺」と並ぶ双璧の一角「あら川」です。
店主夫妻に若主人、それに手伝いの青年、お姉さんという不動の布陣をとる「親爺」に対し、こちらの顔触れは少しずつ変わってきました。初めて訪ねたときは、玄関側に店主、奥の方に板長が立ち、両名を中心に何人かの板前が立ち回るという布陣だったのが、一年ほど前から「イガグリ」「北天佑」と自分が勝手に名付けた二人組の板前が中心となりました。そして今回再訪すると、二名の間に新顔の板前が加わっています。接客する和装のお姉さんも交代しました。しかし、人は変われど大衆割烹の雰囲気だけは変わりません。
ただし、今回は目に見えた変化がさらに二点ありました。一つは酒器がガラスの徳利から焼締の片口に変わったことであり、さらに大きく変わったのが手元にある冊子の品書きです。アサヒだった生ビールがヱビスに変わったという内容面での変化もさることながら、それ以上に特筆すべきは体裁が様変わりしたことです。ワープロ打ちだった品書きが、虚飾のない大衆割烹の趣だったのに対し、愛嬌のある大きな筆文字は、若い店主が造った現代的な居酒屋然としています。内容面ではさほどの変化がないにもかかわらず、体裁が変わったことに即座には適応できず、一通り眺めるのに必要以上の時間を要してしまいました。
このように、変化が目立った今回の再訪でした。しかし、新幹線の開業により変わり果てた汽車旅とは違って、本質は一切損なわれていないのが幸いです。個人的には全国一と思う鰤大根も健在で、むしろ盤石の安定感といった感があります。かような観点からは、横綱が取り口を少しずつ進化させるようなものと考えればよさそうです。

あら川
富山市桜町2-2-22
076-441-9369
1700PM-2300PM
日祝日定休

勝駒・満寿泉
突き出し(菜の花胡麻和え)
刺身盛り合わせ
ぶり大根
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汽車旅in北陸 2016 - 親爺

2016-01-16 16:08:45 | 居酒屋
富山駅に戻るのとほぼ同時に時計が四時を回りました。満を持して「親爺」の暖簾をくぐります。
年間数十日を旅の空で過ごす中でも、今日ほど全てがうまく噛み合うのは珍しいような気がします。富山に着くと文化財級の電車が待ち構えていて、終点まで乗車すると名駅舎が順光で撮影できる条件になっており、同じ電車で引き返したところでラーメン屋が開き、立山まで往復して戻ると市内電車が待ち構えていて、それに乗って往復すると呑み屋が開く四時になりました。極めつけだったのは、直前の角を曲がって店が視界に入った瞬間、行灯に明かりがついたことです。

こうして一番乗りとなったため、教祖のいう「四時開店、即満員」の状況は避けられました。しかし若主人からは、六時までとの断りが。つまり予約満席というわけで、相変わらずの繁盛ぶりです。もちろん二時間あれば必要にして十分だけに、即座に承諾してカウンターの中央に着席しました。
目の前におでん舟、右を向けば日替わりの黒板がある玄関脇が、この店の特等席だと以前申しました。しかし中央もこれはこれで悪くありません。目の前に板場があって、若主人の仕事ぶりが手に取るように分かるからです。定跡に従い刺身を頼むと、柵取りしたネタを並べたバットが膝下の冷蔵庫から取り出され、それらが一品ずつ切られて行きます。真打の鰤を中央に置くところから始まり、次いでメジ、〆鯖、平目で周囲を固め、さらにはガスエビ、子付け、昆布〆と北陸らしいものを加えた豪華七点盛です。二軒目以降のことも考え、品数は控えめにせざるを得ないとはいえ、この刺身と突き出しだけでも満足できる充実ぶりは、さすが富山の横綱格といった感があります。

余程の常連でもない限り、日頃は愛想を振りまいたりしない若主人ですが、こちらが席を立とうとするや、久しぶりとの一言が。新幹線の開業前、富山に散々通ったこともあり、こちらの顔を覚えていたということでしょう。
あれから富山も変わったものだとこちらが返すと、これからまだまだ変わるとの返答が。少なくともよそ者のこちらにしてみれば、さらによからぬ方向へ行きそうなのが残念ではあります。しかし不幸にしてそうなったとしても、この店だけは変わらずにいてもらいたいというのが切なる願いです。

親爺
富山市桜町2-1-17
076-431-4415
1600PM-2300PM
日祝日定休

幻の瀧・成政・若鶴・吉乃友
突き出し(鰤大根)
お造り七点
はちめ
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汽車旅in北陸 2016 - 市内電車

2016-01-16 15:18:46 | 北陸
惜しくも14720形が再び現れることはなく、そのまま乗り通して富山に戻りました。朝方の青空は長続きせず、昼前からは小雨混じりの空模様でした。わずかな晴れ間に岩峅寺の駅舎を撮れたのは、結果としては僥倖だったことになります。
外に出たところに頃よく市内電車が止まっていたため飛び乗りました。新幹線の開業時に延長された高架下までの部分に乗るのが目的です。終点の大学下まで行って戻れば「親爺」が開く四時に重なり、時間稼ぎもできて一石二鳥といったところでしょう。
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汽車旅in北陸 2016 - 立山カルデラ砂防博物館

2016-01-16 14:17:59 | 北陸
30分弱の間合いで折り返しの列車に乗り込みました。この先岩峅寺で上滝線の列車に接続するため、14720形に当たれば乗り換え、そうでなければそのまま富山まで乗り通します。
待ち時間を利用して、駅前にある「立山カルデラ砂防博物館」を見学してきました。酒井製の機関車を中心にした砂防軌道の展示があったにもかかわらず、持ち時間が短すぎて申し訳程度に終わってしまったのが惜しまれます。しかし、来冬も北陸には汽車旅で戻ってきそうです。そのときは長めの間合いをとって再訪し、一から展示を見学してみたいものだと思います。

★立山1408/328レ/1514電鉄富山
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汽車旅in北陸 2016 - 残雪の立山

2016-01-16 14:07:28 | 北陸
立山に着きました。夏場はアルペンルートへの乗換客で賑わう当駅ですが、冬に訪ねる物好きは皆無に近く、広大な待合室は閉鎖されて、駅前に二軒ある飲食店も開店休業状態です。
先へ進むにつれてようやく積雪してはきたものの、地肌が見える程度の大したことはない雪です。新雪がうっすら積もっているというより、何日も前に降った雪がそのまま残っているようで、雪化粧というよりは残雪と表現するのが合っています。津軽に比べれば寒さも特にどうということはなく、立山でさえこんなものかというのが実感です。
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汽車旅in北陸 2016 - 立山線

2016-01-16 12:27:03 | 北陸
電鉄富山の駅に戻ると、不二越・上滝線の運用に入っていたのは元京阪テレビカーの10030形でした。もちろんこちらも悪くはないものの、期待していた14720形ではない以上、同じ路線に重ねて乗る必然性はなくなりました。しかし渡りに船というべきか、隣のホームに岩峅寺で見送った14760形が入線してきたため、折り返しとなる立山行に乗車します。終点まで行って戻ると三時過ぎです。あとは時間の許す範囲で市内電車に乗り、しかる後に「親爺」で一献傾けるという流れになりそうです。

★電鉄富山1234/323レ/1340立山
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汽車旅in北陸 2016 - 西町大喜

2016-01-16 11:06:02 | B級グルメ
富山に戻ったところで少し早めのお昼をとります。駅前の「大喜」に11時の開店を待って飛び込みました。
新幹線の開業に合わせて、駅の中にも支店ができたのは承知していました。しかもあちらは10時開店、待つまでもなく入れたわけです。しかし、いかにも「駅ナカ」然とした軽薄な店舗がいただけません。その点こちらの店には虚飾のない中華そば専門店の趣があります。
徳島と同様、中華そば単品よりも、ご飯と合わせることで持ち味を発揮するのが富山ブラックです。しかし、今回再訪したことにより、あちらとの違いがより明確になってきました。濃い味ながらもなんだかんだで汁一滴残さずいただける徳島の中華そばに対し、こちらは兎にも角にも塩辛いのが特徴です。
スープの塩辛さは言わずもがなのこととして、今回気付いたのはメンマの塩辛さです。塩漬けにでもしたのかと思うほど辛いメンマは、ご飯の供には好適で、逆にそのままいただくには少々難儀します。語弊を承知でいうなら鯖のへしこのようなものとでもいえばよいでしょうか。結局、このメンマだけでご飯を一膳平らげてしまいました。それでもなお大量のチャーシューと塩辛いスープが残る以上、ご飯をおかわりしても十分成り立つことになります。ご飯があればなおおいしいのが徳島の中華そばなら、ご飯なしには成り立たないのが富山ブラックといえそうです。

西町大喜 富山駅前店
富山市新富町1-3-8
076-444-6887
1100AM-2145PM(LO)
中華そば小750円
ライス160円
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汽車旅in北陸 2016 - 岩峅寺駅

2016-01-16 10:19:21 | 北陸
30分ほど電車に揺られて終点の岩峅寺に到着。着いた電車と駅構内を撮るうちに、同じく自社発注の14760形がやってきました。もちろん悪くはなかったものの、やはり文化財級の14720形にはかないません。結局見送り、折り返しの電車に乗ったところです。今日はこの編成ともう一本が線内を往復し続ける可能性が高いため、さらに一往復するにもやぶさかでなくなってきます。

ちなみに、折り返すことにしたのは、14720形にもう一度乗るという目的もさることながら、岩峅寺の駅を心ゆくまで観察したかったという理由にもよります。岩峅寺といえば、富山地鉄の中でも屈指の名建築である寺社風の駅舎が有名ですが、構内の造りも実に秀逸なのです。二路線が合流する手前にホームがあるのは稲荷町、寺田の両駅と同様ながら、ここでは駅舎に近い立山線が対向式、少し離れた上滝線が島式ホームとなっていて、それらのホームを結ぶ通路の木組みの屋根であるとか、昔のままの案内板といった細部の作りがよい味を出しています。
もちろん、主役の駅舎もしみじみ鑑賞せずにはいられない名建築です。入母屋破風の屋根と唐破風の車寄せが印象的な総二階の駅舎は木のサッシもそのままに残り、広い待合室の壁際には小さな座布団を並べた造り付けのベンチがあって、その前でストーブが燃えるという雰囲気も好ましいものがあります。しかも改札ラッチは木製というおまけつきです。隅々まで撮ったり鑑賞したりするうちに、小一時間の滞在時間はたちまち過ぎて行きました。

★岩峅寺1013/614レ/1045電鉄富山
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汽車旅in北陸 2016 - 不二越・上滝線

2016-01-16 09:06:28 | 北陸
本日の昼の部は富山地鉄の乗車を主題とします。一日乗車券を買い求め、まずは不二越・上滝線の電車に乗り込みました。
運用につくのは昭和37年製の老雄14720形です。長電の2000形が引退し、福鉄200形も風前の灯となった今、地方私鉄華やかなりし時代を伝える貴重な生き証人でもあります。年相応にくたびれてはいるものの、まだまだ矍鑠としているのは喜ばしいことです。
終点の岩峅寺で立山線に乗り継ぐのが当初の予定だったところ、この車両が入ったことで情勢が変わってきました。接続する立山線の列車に何が入るかにもよるものの、あえて見送り同じ車両で引き返すにもやぶさかではありません。

★電鉄富山857/615レ/929岩峅寺
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汽車旅in北陸 2016 - 富山到着

2016-01-16 08:53:01 | 北陸
二時間あまりの移動を終えて富山に着きました。新幹線の開業以来、10ヶ月ぶりの北陸です。
関東平野のぼやけた空はある程度予想できたとはいえ、途中に通った飯山市街に雪が全くなかったのには驚きました。いや、もうこの程度では驚かないというのが適切でしょうか。飯山でさえ雪が全くない以上、富山については言わずもがなです。
先日東北を旅したときの経験から、耐寒装備は必要ないと見て、今回も最大二枚の長袖と雨合羽の軽装とし、長袖のうち一枚は他の不要な荷物とともにロッカーに預けました。今のところ青空が広がって日が差しており、冬を通り越してうららかな早春の一日といった趣です。
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汽車旅in北陸 2016 - かがやき501号

2016-01-16 06:14:10 | 関東
始発の北陸新幹線で旅立ちます。富山までの所要時間は最速列車と2分違いの2時間10分、つまり8時台の前半には着くわけです。これが上越新幹線と「北越」を乗り継いだ当時は11時だったわけで、あまりに速すぎ拍子抜けするというのが率直なところではあります。

常々申している通り、新幹線ではグリーン車を奢るか普通車自由席で済ませるかのどちらかで、普通車指定席を使うことは基本的にありません。しかし今回は、先週末の「こまち」に続いて普通車指定席の利用です。問答無用の全車指定だった秋田新幹線と違い、こちらには「はくたか」という選択肢もあります。しかも上記の通り急ぐ旅ではありません。それだけに、後続の「はくたか」の自由席で行くことも当然考えました。それにもかかわらず全車指定の「かがやき」を選んだのは、40分近くにもなる歴然とした所要時間の違いによるところが一つです。しかし直接の決め手はそのことではなく、「かがやき」の方が明らかに空いていたことにあります。
数日前に照会した時点で、「はくたか」は二人掛けの窓側が全て埋まるそこそこの予約状況だったのに対し、先行する「かがやき」は空席だらけでした。その状況は出発直前まで変わらず、二人掛けの窓側がおおむね埋まる一方、三人掛けの側は数える程度の利用状況です。乗車率にすれば三割にも満たないのではないでしょうか。
普通車指定席の数で言えば、「かがやき」の10両が「はくたか」では6両になります。しかし、そのような条件差だけで説明できるような違いではありません。高崎すら通過して長野と北陸へ直行するのが、かえって使い勝手が悪く敬遠されるのでしょうか。これだけ空いて、その上40分も早く着くなら、530円の指定料金はあながち高くなかろうと考えた次第です。

自分が普通車指定席を毛嫌いする理由は、数百円の料金が惜しいというより、どれだけ空いていようとも指定の席に着かなければならないという窮屈さにあります。がら空きの車内で、自分の周囲だけ乗客が密集しているなどの状況が落ち着かないのです。駅の券売機で随時予約状況を確かめ、空いているのが明らかだったため、あえて当日まで指定券はとりませんでした。その結果確保したのは、前後が空いた三人掛けの窓側です。高崎までは筑波山、日光連山と赤城山が、軽井沢から浅間山が見えることからしても、こちら側を選ぶということで迷いはありませんでした。
一方こちら側の問題点は、真打である立山が反対側になることです。これが自由席なら、まず三人掛けの側に着席し、しかる後に立山の見える反対側に移るという選択をとりうるわけで、実際北陸本線時代は海側から山側に移っていました。そのような融通がきかないのも、自分が指定席を嫌う理由の一つなのです。

★東京616/かがやき501(3501E)/826富山
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