市電に乗るべく南1条の電車通りにやってきましたが、その前に腹ごしらえを済ませます。選んだのは昨夜に続くスープカリー、宿の朝食もカレーだったため、これで三食連続のカレーです。
もちろん趣向を変えるという選択はあり得たのです。かような観点から考えたのは、長らく無沙汰している「牛タンの笑や」で、腹ごしらえを済ませ次第すぐ電車に乗れるという点でも理想的でした。ところが土曜の昼は休みらしく、あえなく振られてしまいました。もっとも、そのような場合の代替案も用意していました。それが同じビルの同じ区画にある「サヴォイ」です。
昨晩、口コミサイトであまりに得点、口コミ数が多いところはむしろ避けると申しました。その点この店の人気はかなりのものです。12時過ぎという飲食店が一番混む時間帯に重なった以上、待ち客が列をなしている事態も覚悟しつつ乗り込むと、店内は盛況ながらも待ち客が出るまでの事態には至らず、カウンターの一番手前側に案内されました。
まず特筆すべきはカウンターです。艶やかな天然木のカウンターは広々していて、椅子も同じく艶やかな天然木。隣の席との間隔も広めにとられており、全ての席が埋まっても窮屈さは感じられません。正面には鏡のように磨かれた機能的な厨房があり、香辛料の瓶や具材を小分けしたステンレスの容器などが整然と並びます。その厨房には店主と思しきおばちゃん、青年、お姉さんの三人が立ち、接客のお姉さんと青年の合わせて五人で店内を仕切るという布陣です。厨房の店主と青年はいくつもの鍋を並べてカレーを仕上げており、お姉さんが具材を焼いたり揚げたりといった調理を担当しているようで、一挙手一投足に無駄がありません。
そのような光景を眺めていると、やがて注文したカリーが運ばれてきました。手堅く行くならチキン野菜かというところ、選んだのはスペアリブのカリーです。これでレギュラーサイズかと思うほどのスペアリブは、チキンの骨付き肉にも引けを取らない物量感があり、これにブロッコリー、茄子、レンコンが加わって、上に二色のピーマンが乗ります。野菜四種かと思ったところ、スペアリブの下にジャガイモと人参が隠れており、〆て六種の豪華版でした。これで税抜千円とはお値打ち品です。
もう一つ特筆すべきは盛り付けの美しさです。汁物というと得てして具材が沈んでしまうため、商品写真と実際に出てくるものの見た目には多かれ少なかれ違いがあるのが常のところ、ここでは寸分違わぬものが出てきます。目の前から運ばれて行くカリーを見ると、具沢山なのはどれも同じでありながら、使われている野菜は注文により様々だということに気付きます。自分が頼んだものでいえば、底にジャガイモと人参を置き、その上にスペアリブを乗せるといった具合に、どの具材をどのように配置すれば美しく仕上がるかという点まで研究されているのでしょう。
これだけ周到な配慮が込められた一品だけに、味わいも当然期待を裏切りません。トマト風味だったSHO-RINのスープに対し、こちらはスープカリーの元祖「アジャンタ」を彷彿させる、香辛料の風味を押し出した正統派です。二口ほどすすっただけでも軽く汗がにじんでくるのは、辛さというより香辛料の薬効のためでしょう。スプーンとフォークだけでほぐれるスペアリブも、六種の野菜も申し分ありません。60円増でご飯を大盛りにもできるものの、カリー自体にかなりの物量感があるため、物足りなさは感じられませんでした。スープの香り高さを味わうのがここのカリーの真骨頂とすれば、ご飯は通常の分量で十分でしょう。呑んだ後ならご飯なしでカリーのみいただいてもよさそうです。
この通り、味、雰囲気のどちらをとっても非の打ち所がない名店です。この店に関する限り、口コミサイトの評判は適切だったことになります。
★サヴォイ
札幌市中央区南1条西5-7 豊川南1条ビルB1F
011-219-7810
1130AM-2200PM(LO)
祝日除く水曜定休
北海道産スペアリブのカリー1080円
もちろん趣向を変えるという選択はあり得たのです。かような観点から考えたのは、長らく無沙汰している「牛タンの笑や」で、腹ごしらえを済ませ次第すぐ電車に乗れるという点でも理想的でした。ところが土曜の昼は休みらしく、あえなく振られてしまいました。もっとも、そのような場合の代替案も用意していました。それが同じビルの同じ区画にある「サヴォイ」です。
昨晩、口コミサイトであまりに得点、口コミ数が多いところはむしろ避けると申しました。その点この店の人気はかなりのものです。12時過ぎという飲食店が一番混む時間帯に重なった以上、待ち客が列をなしている事態も覚悟しつつ乗り込むと、店内は盛況ながらも待ち客が出るまでの事態には至らず、カウンターの一番手前側に案内されました。
まず特筆すべきはカウンターです。艶やかな天然木のカウンターは広々していて、椅子も同じく艶やかな天然木。隣の席との間隔も広めにとられており、全ての席が埋まっても窮屈さは感じられません。正面には鏡のように磨かれた機能的な厨房があり、香辛料の瓶や具材を小分けしたステンレスの容器などが整然と並びます。その厨房には店主と思しきおばちゃん、青年、お姉さんの三人が立ち、接客のお姉さんと青年の合わせて五人で店内を仕切るという布陣です。厨房の店主と青年はいくつもの鍋を並べてカレーを仕上げており、お姉さんが具材を焼いたり揚げたりといった調理を担当しているようで、一挙手一投足に無駄がありません。
そのような光景を眺めていると、やがて注文したカリーが運ばれてきました。手堅く行くならチキン野菜かというところ、選んだのはスペアリブのカリーです。これでレギュラーサイズかと思うほどのスペアリブは、チキンの骨付き肉にも引けを取らない物量感があり、これにブロッコリー、茄子、レンコンが加わって、上に二色のピーマンが乗ります。野菜四種かと思ったところ、スペアリブの下にジャガイモと人参が隠れており、〆て六種の豪華版でした。これで税抜千円とはお値打ち品です。
もう一つ特筆すべきは盛り付けの美しさです。汁物というと得てして具材が沈んでしまうため、商品写真と実際に出てくるものの見た目には多かれ少なかれ違いがあるのが常のところ、ここでは寸分違わぬものが出てきます。目の前から運ばれて行くカリーを見ると、具沢山なのはどれも同じでありながら、使われている野菜は注文により様々だということに気付きます。自分が頼んだものでいえば、底にジャガイモと人参を置き、その上にスペアリブを乗せるといった具合に、どの具材をどのように配置すれば美しく仕上がるかという点まで研究されているのでしょう。
これだけ周到な配慮が込められた一品だけに、味わいも当然期待を裏切りません。トマト風味だったSHO-RINのスープに対し、こちらはスープカリーの元祖「アジャンタ」を彷彿させる、香辛料の風味を押し出した正統派です。二口ほどすすっただけでも軽く汗がにじんでくるのは、辛さというより香辛料の薬効のためでしょう。スプーンとフォークだけでほぐれるスペアリブも、六種の野菜も申し分ありません。60円増でご飯を大盛りにもできるものの、カリー自体にかなりの物量感があるため、物足りなさは感じられませんでした。スープの香り高さを味わうのがここのカリーの真骨頂とすれば、ご飯は通常の分量で十分でしょう。呑んだ後ならご飯なしでカリーのみいただいてもよさそうです。
この通り、味、雰囲気のどちらをとっても非の打ち所がない名店です。この店に関する限り、口コミサイトの評判は適切だったことになります。
★サヴォイ
札幌市中央区南1条西5-7 豊川南1条ビルB1F
011-219-7810
1130AM-2200PM(LO)
祝日除く水曜定休
北海道産スペアリブのカリー1080円
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