一軒目に「大関」、二軒目に「源左エ門」を訪ねることについては迷いがありませんでした。しかし三軒目については最後まで決めかねました。先刻申した通り、主計町に戻って呑むという選択肢もとり得るからです。その一方で、最後に行くならここがいいと思っていた店もあります。前回の宿泊時にも世話になった「あぐり」です。
せせらぎ通りの外れにある窓の大きい大正時代の町屋と、風合いのよい一枚板のカウンター、青年とお姉さんによる機転の効いた客あしらいが心地よい店です。いの一番に訪ねたいと思うまでには至らないとしても、最後に軽く一杯やるには合っています。主計町で呑む機会も捨てがたい一方で、この店をむざむざ素通りするのも惜しまれるという状況の中、とりあえずせせらぎ通りを歩いて、あとはその場の気分に任せるという選択をしました。そして店の明かりが見えてきたとき、やはり素通りするには惜しいという考えが勝り、そのまま入ったというのがここまでの顛末です。
カウンターには前回とは違うお姉さんが立っていました。美大生が主力になって店を仕切っているのはそのときに聞いています。それだけに、短期間で人が入れ替わってしまうのは致し方なしといったところでしょうか。そう思っていたところへ、どこからの帰りかとお姉さんの第一声が。そこから話が始まるという展開は、過去に訪ねたときと同様です。皆若いながらも老練ささえ感じさせる客あしらいは、大したものだと思います。
初めて訪ねたときの青年、前回訪ねたときのお姉さんと同様美大生で、いずれも同級なのだそうです。彼等を店に紹介したのもこのお姉さんで、そこから次第に人脈が形成され、美大生が主力になったとのことでした。しかし今春には卒業を迎えるとのことであり、あと少しで青年ともども店を去るわけです。文字通りの一期一会ではありますが、いわばこの店の歴史を作った功労者に、一度とはいえ出会えたのも何かの縁だったのでしょう。件の青年も店に出ており、最後に一言挨拶できたのは幸いです。
四月からは就職のため上京するとのことでした。素人の自分でも知る高名な食器デザイナーの事務所だそうです。いつの日か、彼女の作った器で酒を酌むことがあるのかもしれません。世知辛い都会暮らしに順応できるかどうかが老婆心ながら気がかりではありますが、その機転があればおそらく問題ないでしょう。健闘を祈ります…
★町屋ダイニング あぐり
金沢市長町1-6-11
076-255-0770
1700PM-2300PM(LO)
月曜定休
隧道蔵・獅子の里
突き出し(メンマきんぴら)
自家製すくい豆腐
味噌モッツァレラ
せせらぎ通りの外れにある窓の大きい大正時代の町屋と、風合いのよい一枚板のカウンター、青年とお姉さんによる機転の効いた客あしらいが心地よい店です。いの一番に訪ねたいと思うまでには至らないとしても、最後に軽く一杯やるには合っています。主計町で呑む機会も捨てがたい一方で、この店をむざむざ素通りするのも惜しまれるという状況の中、とりあえずせせらぎ通りを歩いて、あとはその場の気分に任せるという選択をしました。そして店の明かりが見えてきたとき、やはり素通りするには惜しいという考えが勝り、そのまま入ったというのがここまでの顛末です。
カウンターには前回とは違うお姉さんが立っていました。美大生が主力になって店を仕切っているのはそのときに聞いています。それだけに、短期間で人が入れ替わってしまうのは致し方なしといったところでしょうか。そう思っていたところへ、どこからの帰りかとお姉さんの第一声が。そこから話が始まるという展開は、過去に訪ねたときと同様です。皆若いながらも老練ささえ感じさせる客あしらいは、大したものだと思います。
初めて訪ねたときの青年、前回訪ねたときのお姉さんと同様美大生で、いずれも同級なのだそうです。彼等を店に紹介したのもこのお姉さんで、そこから次第に人脈が形成され、美大生が主力になったとのことでした。しかし今春には卒業を迎えるとのことであり、あと少しで青年ともども店を去るわけです。文字通りの一期一会ではありますが、いわばこの店の歴史を作った功労者に、一度とはいえ出会えたのも何かの縁だったのでしょう。件の青年も店に出ており、最後に一言挨拶できたのは幸いです。
四月からは就職のため上京するとのことでした。素人の自分でも知る高名な食器デザイナーの事務所だそうです。いつの日か、彼女の作った器で酒を酌むことがあるのかもしれません。世知辛い都会暮らしに順応できるかどうかが老婆心ながら気がかりではありますが、その機転があればおそらく問題ないでしょう。健闘を祈ります…
★町屋ダイニング あぐり
金沢市長町1-6-11
076-255-0770
1700PM-2300PM(LO)
月曜定休
隧道蔵・獅子の里
突き出し(メンマきんぴら)
自家製すくい豆腐
味噌モッツァレラ