日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

花見の旅in信州 2015Part2 - 勝利

2015-04-18 23:32:14 | B級グルメ
「しづか」でのひとときは今回も最高でしたが、唯一惜しむらくは入店が遅かったため、〆の一品をいただくことができませんでした。その穴をどこで埋めるかと考えたとき、浮かんできたのはこの店です。うどんの看板を掲げる「勝利」の暖簾をくぐります。
場所は呑み屋街の中心にある広場のようになった一角で、昼間は湧水が流れています。地元では何か呼び名があるのでしょうか。その広場に面して木造モルタル二階建てが何軒か棟続きになっており、右端にあるのが「酒場放浪記」に出た「とり八」、二軒隣にあるのがこの店です。信州でうどんを売るという奇抜さもさることながら、深夜まで行灯を灯した、いかにも地元客が呑んだ後に寄りそうな店構えが怪しく、かねがね気に留めてはいたのでした。店先に咲いた山桜を見てこの店の存在が改めて目に止まり、ものの試しに飛び込んだというのが真相です。
店内は外見から想像する通りの空間といえばよいでしょうか。天井は低くて床は三和土、正方形に近いL字のカウンターが店の中心で、自分の母親と同年代、あるいは少し若いと思しきおばちゃんが一人で差配します。二つあるテーブルは物置と化しており、このカウンターでおばちゃん相手にうどんをすする店ということのようです。
この雰囲気からある程度予想がつく通り、うどんの味云々をいう店ではなく、少なくとも専門店の味を期待するのは筋違いです。しかし、煮立てた鍋からすくう煮干の風味を効かせた出汁は、酔った後でいただく分にはあながち悪くありません。そして何より、おばちゃんの老獪な客あしらいは年の功といった感があります。花見のことなど、雑多な話題をひとしきり語らってから席を立ちました。

勝利
松本市大手4-2-9
0263-32-8543
肉うどん800円
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花見の旅in信州 2015Part2 - しづか

2015-04-18 21:55:52 | 居酒屋
一通りの花見を終えたところで、今夜も酒場の暖簾をくぐります。十時近くという時間からして選べるのは事実上一軒限りです。一年ぶりの松本で、一軒選ぶとすればどこかと考えたとき、自分の答えは決まっていました。訪ねるのは「しづか」です。
松本といえば、以前から絶賛してきたのが「山女や」であり、その「山女や」に満席、休業といった事態で立て続けに振られたとき、世話になってきたのが「しづか」です。かような位置づけからすれば、今回もまず「山女や」をのぞいてみて、入れるようなら入り、またしても振られれば「しづか」に行くのが順当となります。しかし、今回はあえて定跡をとりませんでした。これは、何度か通ううちに「しづか」のよさが「山女や」と同等あるいはそれ以上に感じられてきたからに他なりません。
それでは、そのよさとは何かといえば、まずは立派な梁と柱、艶やかに磨かれた民芸調の調度品、分厚い白木のカウンターなど、細部にわたる贅沢かつ機能的な店の造りということになるでしょう。そのカウンターから眺める厨房で、大勢の料理人と接客の青年、お姉さんがきびきび動く様子は好ましく、大店ながら店主夫妻、若主人と若女将を中心とした家庭的な雰囲気もあります。飄々として軽妙洒脱な二代目店主、地道で実直な若主人という好対照の人柄も捨て難いのです。

常々申している通り、同じ店に何度か通うと注文が固定化されてきます。それも、郷土料理の定番というより、一見するとどこにでもありそうな品々です。その傾向はこの店においても例外ではなく、お銚子に続いて焼鳥とおでんを選びました。焼き上がった串から立ち上るタレの香ばしさがたまりません。香りからして全く違うという点では、弘前「しまや」の貝焼き味噌とこの焼鳥が双璧と言い切りましょう。三品注文したおでんは、おまけというには十分すぎる六品の盛り合わせで供され、新じゃがに筍と季節感まで織り込まれています。
ちなみに、ここのおでんの付け合わせといえば自家製の葱醤油です。おでんにかけてもよし、そのまま嘗めて肴にしてもよしの逸品ですが、今回はどういうわけか辛子の小瓶だけが出てきました。しかし、二品ほどいただいてから、あの葱醤油はないのかとたずねる機会を見計らっていると、こちらの魂胆はお見通しとばかりに、若主人から見慣れた壺が差し出されました。阿吽の呼吸がなおさら居心地をよくします。

しづか
松本市大手4-10-8
0263-32-0547
1200AM-2230PM(LO)
日祝日定休

真澄・賀茂鶴
お通し(砂肝と新じゃがの炒め物)
おでん三品+おまけ三品
串焼き三品
野沢菜
新玉葱スライス(おごり)
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花見の旅in信州 2015Part2 - 松本城

2015-04-18 21:34:40 | 甲信越
投宿して一風呂浴びてから松本城にやってきました。悠長に風呂など浴びていたのは、城山公園の散り具合からして、松本城ではあらかた散ったと見込んだからです。そしてこの予想は的中しました。ここまで散れば、たとえ晴れても様にはならないでしょう。投光器が早々と消されたのもそのためでしょうか。ただし、濠の水面に花筏が浮いており、これだけは絵になってくれるかもしれません。
ちなみに、アルプス公園が満開、城山公園が散りかけ、松本城が散り終わりという状況は、去年訪ねたときと全く同様で、四月の第三週なのも同じです。高遠が一週早かったのに対し、松本の桜はいたって平年並みということになります。
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花見の旅in信州 2015Part2 - 城山公園

2015-04-18 20:17:03 | 甲信越
尾根伝いに下って城山公園にやってきました。ぼんぼり中心のささやかな夜桜はアルプス公園と同様ながら、すぐそばに住宅があって街灯もつき、数軒とはいえ露店も出るなど、アルプス公園より幾分賑やかなのがここの夜桜の特徴です。ただしあくまで「幾分」に過ぎません。地元客が三々五々訪れるほどよい賑わいは、高遠城址に対する春日城跡、伊那公園のようなものだと、以前から繰り返し申してきました。
市街地より長持ちし、アルプス公園より早く散るのもここの特徴です。あちらの状況から予想した通り、桜は暗い中でも散ってきたと分かります。しかし、風に吹かれて派手な花吹雪が舞っており、晴天時に眺めればさぞや見事だろうと想像できます。明日は午後から無情の雨が降るとの予報です。天候が崩れる前にどれだけ回れるかの勝負になるでしょう。
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花見の旅in信州 2015Part2 - アルプス公園

2015-04-18 19:02:48 | 甲信越
広域農道を西進し、三才山トンネルを抜けて松本に着きました。去年の花見以来、一年ぶりの再訪です。丸一年空いたのは近年では珍しいような気がします。
結局、安曇野に寄れなかったのはもちろんのこと、松本に着いた時点で暗くなってしまいました。しかし、千曲ビューラインの名の通り、右手に浅間山を望みつつ、千曲川の河岸段丘をうねうねと行く快走路は最高でした。しかも、どこへ行っても桜が満開だったのですから言うことはありません。

さて、松本で最初に訪ねたのはアルプス公園です。日中には毎度立ち寄るこの公園も、暗くなってからは初めてです。気温は日中より多少下がったものの現在13度、風は穏やかで、空には星が出ています。
街灯もない公園ではありますが、通路に沿ってごく短い距離ながらもぼんぼりが灯されていて、ソメイヨシノがぼんやりと浮かび上がっていました。そのソメイヨシノはまさに昨日か今日満開となったようです。市街地の桜はかなり散ってはいるものの、アルプス公園がこれなら城山公園もそこそこ楽しめるでしょう。安曇野の桜もおそらく最盛期を迎えた頃ではないでしょうか。明日の花見も期待できそうです。
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花見の旅in信州 2015Part2 - 富士屋醸造

2015-04-18 16:57:04 | B級グルメ
時間の猶予がないとは申しましたが、小諸へ来たならもう一ヶ所立ち寄らなければならない場所があります。毎度おなじみ信州味噌の富士屋醸造です。

富士屋醸造
小諸市本町1-3-10
0267-22-0398
800AM-1900PM
正月休業
特製甘口515円/500g
麦みそ365円/500g
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花見の旅in信州 2015Part2 - 散策終了

2015-04-18 16:18:54 | 甲信越
二時間ほどかけ園内を一周したところで切り上げます。エドヒガン、コヒガンザクラ、ソメイヨシノに八重紅枝垂と様々な桜が並んだ園内は、石垣、起伏を含め適度な変化に富んでおり、歩いていて退屈することがありませんでした。適度なのは広さについても、人出についても同様で、うっとうしい遊覧ヘリが騒音を撒き散らすようなことももちろんありません。高遠、弘前のような、見る者を圧倒するほどの迫力こそないものの、さすがさくら名所100選と感服した次第です。
それはよいのですが、問題は残り時間でどこへ行くかです。前半の寄り道がたたって、時刻は既に四時を過ぎ、諏訪と掛け持ちする選択肢は事実上なくなりました。北信へ行くのも同様に厳しくなったため、安曇野へ向かうのが現実的なところでしょうか。これとて時間の猶予はないものの、まっすぐ走れば夕暮れ時には間に合いそうな気がします。もちろん、その経路上にこれはという場所を見つけられれば、そこで昼の部を締めくくるにもやぶさかではありません。
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花見の旅in信州 2015Part2 - 懐古園

2015-04-18 15:26:59 | 甲信越
いの一番に立ち寄るつもりが、結局この時間になってしまいました。さくら名所100選の一つ、懐古園を訪ねます。あまりに名高く、駅にも至近の名所でありながら、園内に入るのは記憶する限り初めてです。去年もここに立ち寄ることを検討しながら、結局馬鹿の一つ覚えで高遠に走ったのでした。今回は宿願達成というわけです。
ソメイヨシノの枝ぶりに関していえば、先ほどの中学校と野球場の方がはっきりいって上です。しかし、城と桜の組み合わせには外れがなく、石垣の下から見上げる桜は絵になっています。とりわけ秀逸なのが、石垣の上に二本並んだエドヒガンの枝垂桜です。よくよく見ると、この二本の他にもエドヒガンの枝垂桜が園内に何本も点在しています。先ほどの稲荷にしてもそうでしたが、小諸にはエドヒガンが多いのでしょうか。
ちなみに、園内を見渡す限り、ソメイヨシノは満開の一歩手前、エドヒガンはまさに満開です。つまり、先週末の伊那、高遠とおおむね同じ状況ということになります。異例の早さで駆け上がった桜前線は、まだ信州に取り残されていました。
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花見の旅in信州 2015Part2 - 野球場

2015-04-18 13:42:34 | 甲信越
国道から折れたところに、またしても見事な桜並木を発見。こちらは野球場で、先ほどの中学校に勝るとも劣らない高くて立派なソメイヨシノが、内野スタンドを囲むように林立していました。野球場といっても、高校野球の公式戦ができそうな伊那公園の球場とは違い、住宅街の中に忽然と存在しているのが実態で、周囲には行き交う人の姿もなく、満開のソメイヨシノが微風に揺れています。送電線と重なり残念ながら絵にはならないものの、外野の彼方に八ヶ岳が見えるところも秀逸です。
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花見の旅in信州 2015Part2 - 穴場再び

2015-04-18 13:13:29 | 甲信越
小諸市街に入ったところで、沿道から見えた桃源郷に足が止まりました。公園かと思いきや、その正体は中学校でした。国道に面した校門から、緩やかな坂が校舎へ向かって続き、道の両側に桜並木が続いて、その脇にあるグラウンドも桜で囲まれているという光景は、このblogではおなじみの松本美須々ヶ丘高校を彷彿とさせます。
それと並んで秀逸なのが、近くにある小さな稲荷の境内です。ソメイヨシノのみならず、エドヒガンの枝垂桜の古木が二本立ち、コヒガンザクラとまだ若い八重紅枝垂が脇を固めています。境内には少数ながらも花見客がおり、地元では知る人ぞ知る穴場なのかもしれません。
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花見の旅in信州 2015Part2 - セーブオン

2015-04-18 12:04:14 | B級グルメ
行きがけの駄賃のつもりが午前いっぱい消費するという、花見の旅らしい展開になってきました。これでは悠長にお昼をいただく時間もありません。少し走ったところにセーブオンが現れたため、今日はこちらで即決します。手早くませるのが第一義のところ、広大な駐車場から八ヶ岳と浅間山を一望できるという僥倖が。まさに一石二鳥です。
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花見の旅in信州 2015Part2 - 揃い踏み

2015-04-18 11:28:09 | 甲信越
南に八ヶ岳、北に浅間山が揃い踏みする中、この名峰が桜と重なる場所を探し求めて、とある牧場にたどり着きました。「家畜改良センター茨城牧場長野支場」なる無愛想な名の施設の一角が「ふれあい広場」の名で開放され、中を貫く道の両側に桜並木が続いて、五分咲きから見頃へ向かおうとしています。内地離れしたうねりのある草地を含め、小岩井の桜を彷彿させる光景です。
少し離れた場所から望めば、山羊小屋の屋根の上から桜並木が顔を出し、その背後に浅間山が鎮座するという見事な眺めが。しかも同じ場所から振り向けば、草地の彼方に桜と八ヶ岳が見えます。名峰と桜の取り合わせはもちろんのこと、切妻のブリキ屋根をかぶった木造の山羊小屋を点景にしてもよく、放し飼いされた山羊が草を食むのどかな雰囲気も秀逸です。当てもなく車を走らせたどり着いた場所とはいえ、これは掘り出し物といってよいでしょう。
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花見の旅in信州 2015Part2 - コスモス街道

2015-04-18 08:50:33 | 甲信越
そのようなわけで、下仁田から254号線で峠を越え、毎度おなじみ佐久のコスモス街道にやってきました。前回訪ねたときに咲いていたコスモスは、当然ながらすっかり刈り取られて影も形もありません。しかし、車窓の移り変わりは印象的でした。高速道を下りたときには完全に散っていた桜が、先へ行けば行くほどまだ見頃といった佇まいになり、峠の手前ではようやく一輪咲いただけという状況だったのです。その峠から少し下って、現在地の桜は三分咲きから五分咲きといったところでしょうか。青森に到達したはずの桜前線が、まだ信州にとどまっていたわけです。
もっとも、四月後半の開花なら特段早くもなければ遅くもありません。逆に、高知の開花は例年よりわずかに遅かったような気がします。北へ行けば行くほど早咲きになるという今季の傾向が、信州の開花にも現れています。
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花見の旅in信州 2015Part2 - 出発

2015-04-18 07:39:19 | 関東
おはようございます。只今上信越道の甘楽PAに着いたところです。一月前ならスキー客で渋滞必至の時間帯ではありましたが、幸いにして本日はおおむね順調に流れています。
ただし、順調とはいっても、土曜の朝の関越道から上信越道にかけては、走っていて楽しい道ではありません。交通量が多い上に上り坂が続くため、追い越し車線にも常に先行車がおり、しかも時折流れが滞って先行車との間隔が詰まります。さらに厄介なのは、佐久を過ぎる頃まで同様の流れが延々続くことです。高遠へ急行するのと違い、今回は一刻を争う状況でもありません。下仁田で高速道を下り、そこから先は一般道でのんびり行こうかと考えています。
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