日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 - 河岸や

2015-04-25 23:15:52 | 居酒屋
一風呂浴び、車を置いてから呑み屋街にやってきました。米沢でこの時間から呑むとなると、選択肢は自ずと絞られ、今回も「河岸や」を選びました。
実は、夜桜見物を早めに切り上げ、教祖おすすめの「加津」にまず入りたいという考えはあったのです。しかし、例によって時間が押し、十時前に乗り込んだ時には、無情にも看板の明かりが落ちていました。「河岸や」一軒限りなら、時間的には慌てる必要もないため、一風呂浴びてから出直してきた次第です。遅くなっても入れる頼みの綱のような存在という点では、会津若松の「麦とろ」のようなものといえばよいでしょうか。カウンターには先客一名のみと十分な余裕があり、無事着席と相成りました。

そろそろ日付も変わる頃となれば、お客も次第に引けてくるのが常のところ、そうともいえないのがこの店の特徴です。先客が去ったと思う間もなく、一人客が三人続けて現れ、これでカウンターには自分を含む四名となります。そして、ここで思わぬ再会が待っていました。一番後から入ってきた青年のことです。
話ぶりからして、おそらく地元の出身ではないのでしょう。右端にいるお姉さんを相手に、酒のことやら温泉のことなどを語っています。最初は気にも止めてはいなかったものの、自分の中でとある記憶が蘇ってきました。実は、以前ここに来たとき、隣り合わせた青年と意気投合したことがあったのです。名前を聞いて別れたにもかかわらず、酔いのせいで見事に忘れてしまい、そのことが片隅に残っていたのでした。向こうも薄々感じてはいたようで、ほどなくしてまさしくそのときの青年と判明。先代店長が開いた宇都宮の店のことなど、雑多な話題をしばし語らい、看板になったところで席を立ちます。
一期一会のはずが二度まで会うとは、やはり何かの縁なのでしょうか。今度は名前を控えました。またどこかの酒場でお会いしましょう…

河岸や
米沢市中央1-4-15
0238-40-0252
1800PM-100AM
日曜定休

泉川・米鶴・白露垂珠
お通し(スパゲティサラダ)
カツオ刺
三代目青木屋の寒サバ
カニクリームコロッケ
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東北縦断花見の旅 - 平安の湯

2015-04-25 22:44:30 | 温泉
昼は汗ばみ、夜は寒さに震えて、いずれにしても一風呂浴びたい気分になりました。そのようなとき、米沢には渡りに船の温泉があります。以前も訪ねた「平安の湯」です。赤湯によく似た、やや白濁した熱い源泉が掛け流され、料金も300円と良心的。しかも朝6時から夜11時まで入れるのは重宝します。

平安の湯
米沢市中田町268-4
0238-36-0100
600AM-2300PM
入浴料300円
泉質 ナトリウム塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
泉温 49.4度
pH 8.4
掘削動力揚湯
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東北縦断花見の旅 - 上杉神社

2015-04-25 21:35:43 | 東北
そのようなわけで、まずは上杉神社の夜桜を見物します。ゆっくり一周しても一時間はかからない、ある意味ささやかな夜桜ではありますが、個人的には全国屈指というほど気に入っています。正方形に巡らされた直線状の濠が水鏡となって、照明に浮かび上がった桜を映すところが実に夜桜向けなのです。
ただし、ここの夜桜の真骨頂は、投光器が落ちた後の深夜にあります。城内と濠端を照らす橙色の街灯で、城郭全体がぼんやりと浮かび上がり、濠の水鏡とともに何とも幻想的な光景となるからです。この後は酒場で一献傾けますが、最後はもちろん上杉神社をもう一周します。
なお、先ほど夏井と五十歩百歩だと申しましたが、それはさすがに言い過ぎで、明るくなれば遠目にはまだ見頃の桜もありそうに見えます。濠には花筏ができており、これも晴れれば絵になるのではないでしょうか。明日の花見も楽しみにしておきましょう。
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東北縦断花見の旅 - 米沢到着

2015-04-25 20:58:10 | 東北
出発から約420kmを走行して米沢に着きました。まだ分厚く積雪した大峠が印象的でした。一時5度まで下がった気温は現在6.5度です。しかし寒いことには変わりなく、先ほど長袖シャツの下にもう一枚着込みました。夜桜見物をするには、当然上着も要るでしょう。半袖でも汗ばんだ日中と、寒さに震える夜間の落差が東北の花見ならではです。
ちなみに、上杉神社の桜は既に散りかけています。暗い中で一瞥した限りでは、夏井の千本桜と比べても五十歩百歩といったところでしょうか。南東北には深入りせず、明日いっぱいで切り上げて、弘前まで一気に北上した方がよいのかもしれません。
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東北縦断花見の旅 - 手順変更

2015-04-25 20:02:32 | 東北
観音寺川に寄ったのであれば、夜は当然若松かというとさにあらず。雄国パノラマラインのお立ち台から会津盆地を見下ろしています。これから大峠道路を越えて米沢へ向かう予定です。
東北の花見といえば、夏井の千本桜を振り出しにして古木をめぐり、夜は鶴ヶ城の夜桜というのが定跡でした。しかし、例年の半分ほどしか日数がない以上、どこかで手順を変えざるを得ません。おそらく見頃を過ぎたであろう会津盆地の桜はひとまず切り、米沢へ駒を進めることにした次第です。若松には先月泊まっており、今回一泊するなら米沢の方がよかったという事情もあります。
米沢といえば、市街で快適に車中泊ができる稀有な街の一つです。今回は宿を取らず、上杉神社の駐車場で車中泊とします。唯一の懸念材料は寒さで、現在のところ7度、明日の朝は4度まで下がるようです。とはいえ、寝袋二枚に耐寒装備も持参しています。やってやれないことはないでしょう。
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東北縦断花見の旅 - 観音寺川

2015-04-25 18:42:06 | 東北
その後機材を担いで観音寺川のほとりを歩き、夕日に染まる桜と磐梯山をカメラに収めました。既に日は落ち、西の空は茜色から紫色へと変わりつつあります。毎度のことながら、実に情緒的な夕景です。
日中20度近くに達した気温は、着いたときには13.5度でした。日が暮れてさらに下がったのでしょうか。風は全くないものの、長袖シャツ一枚では身体が次第に冷えてきました。日陰にはまだ雪も残っており、当地の寒さが会津の中でも別格なのを物語っています。これなら桜が満開なのも宜なるかなです。
残照は次第に弱まり、下流の方では投光器に照らされた桜が浮かび上がってきました。ここで暗くなるのを見届けてから次へ移動します。
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東北縦断花見の旅 - 国鉄色

2015-04-25 17:48:02 | 東北
猪苗代磐梯高原で高速道を下り、観音寺川へ急行しようとしたところ、川桁駅前の踏切に撮り鉄の集団が。これは何かがあると見て時刻表を調べたところ、あと数分で臨時の快速列車が来るようです。数分ならばとカメラの列に加わったところ、国鉄色の485系6連が通過して行きました。しかも、背後には磐梯山という絵柄です。花見の旅ではあくまで桜が主役、列車は二の次だけに、思いがけない収穫と相成りました。
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東北縦断花見の旅 - 時間との戦い

2015-04-25 16:42:01 | 東北
一区切りついたところで古木めぐりは終了です。いまだ回りきれていない古木は他にも多々あり、日没までにも若干の時間はあるものの、あいにく見頃は過ぎています。これまで訪ねてきた桜と違い、年に一度の挨拶という大義名分もありません。積み残した分はまたしても来季以降の宿題となります。
時間的に中途半端となる可能性は多分にありながらも、この後は磐越道を飛ばして観音寺川に向かいます。近隣であらかた散った桜が、あちらではまだ見頃なのもさることながら、あの河原で眺める桜並木と夕日の取り合わせが最高なのです。ただし、今から出ると日没に間に合うかどうかの瀬戸際になります。日没間際になればなるほど時間との戦いに陥るという、花見の旅らしい展開になってきました。
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東北縦断花見の旅 - 五斗蒔田桜

2015-04-25 16:22:08 | 東北
見頃を過ぎたと知りつつ、挨拶代わりと称して古木を巡ってきましたが、どうやらここが潮時です。自身とりわけ好む「五斗蒔田桜」を訪ねます。
矍鑠としたエドヒガンの一本桜は、鞍のようになった尾根の上で、今日も西日を浴びて佇んでいます。西側からの眺めもさることながら、影絵のようになった姿を反対側から眺めるのがこれまたよいのです。多少見頃を過ぎたとしても、ここだけは立ち寄らずにはいられませんでした。今季も再訪できたことを喜ばしく思います。
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東北縦断花見の旅 - 紅枝垂地蔵桜

2015-04-25 15:58:16 | 東北
近隣に数多ある古木の中でも、三春滝桜に次ぐ不動の人気を誇るのが「紅枝垂地蔵桜」です。主役の地蔵桜が散っても、ここにはもう一つの見所があります。山肌を染める色とりどりのハナモモです。
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東北縦断花見の旅 - 水月観音堂桜

2015-04-25 15:42:31 | 東北
見頃は過ぎたと知りながら、挨拶などと称して結局立ち寄ってしまうのが悲しい性です。続いては水月観音堂桜を訪ねます。
その名の通り、観音様の境内に枝垂桜が三本並んで立っており、お堂に向かって左側の桜がとりわけ立派で、左手前に枝垂桜、右奥に観音堂という左右非対称の絵柄が実に印象的な名所です。案の定、その桜は葉桜同然に変わってはいるものの、それでもなお、複雑な枝ぶりが青空に抜ける様子は絵になっています。
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東北縦断花見の旅 - 妙典桜

2015-04-25 15:18:23 | 東北
続いては、やや枝垂れた立ち姿が特徴の「妙典桜」です。先ほどの地蔵桜から歩ける程度の距離にもかかわらず、桜は散り際を通り越して葉桜同然となっています。経験上、この辺りを境に桜が目に見えて早咲きになるのは分かっており、おそらくこの先は似たり寄ったりの状況でしょう。時間的にも、日没まで消費する可能性は低くなってきたため、磐越道を飛ばして猪苗代の観音寺川と掛け持ちする案も検討します。
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東北縦断花見の旅 - 是哉寺の地蔵桜

2015-04-25 14:58:20 | 東北
ここからは国道をそれ、長閑な田舎道を行きます。最初に現れるのは「是哉寺の地蔵桜」です。
夏井の千本桜から小沢の桜までは、満開、快晴という完璧な条件で一度は鑑賞したことがあります。これに対し、なかなか条件的に恵まれないのがこの地蔵桜です。これは、小高い丘の東側の斜面にあるため、時間が遅くなると日が陰ってしまうという理由によります。早く来れば済む話と分かっていても、ここまで来る間の名所が多すぎて、着いた頃には毎度のごとく日が陰っているというわけです。しかし、近隣の桜が総じて見頃を過ぎた今回は、挨拶程度で手短に済ませてきたため、日の当たる時間に間に合いました。
日差しを浴びる姿を眺めるのは、もしかするとこれが初めてかもしれません。その状況下で眺めると、エドヒガンにしては花が大ぶりだということに気付きます。大きさだけ捉えればソメイヨシノとほぼ同じといってもよいのではないでしょうか。しかし、ややくすんだ色の花びらと、直角的に分かれて行く枝ぶりは、紛うことなきエドヒガンです。
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東北縦断花見の旅 - 小沢の桜

2015-04-25 14:36:36 | 東北
国道沿いに現れる三本目の名木が「小沢の桜」です。斜面からせり出すように佇む一本桜が空に抜け、傍にある小さな地蔵堂、彼方にある火の見櫓に三角形の稜線など、点景でなおさら絵になるこの桜ですが、近隣の一本桜には珍しいソメイヨシノということもあり、残念ながらあらかた散った後でした。今回は文字通り挨拶だけとなります。
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東北縦断花見の旅 - 永泉寺の枝垂桜

2015-04-25 14:10:35 | 東北
続いては、滝桜の子孫とも言われる名木「永泉寺の枝垂桜」を訪ねます。幅も高さもお堂にさほどの引けを取らず、高い場所から地面の高さぎりぎりまで、無数の枝が滝のようにしなだれかかるというのがこの桜の立ち姿です。やはりここでも大分散ってきてはいるものの、それでもなおこれだけあるかと思うほどの花が残っています。その様子を参道から眺めれば、逆光気味の日差しを浴びて花びらが輝き、背後のお堂に重なって、明暗の対比が印象的です。
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