日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

さくらさく 2015(11)

2015-04-04 02:20:40 | 旅日記
草木も眠る丑三つ時に失礼します。職場で突発的な事態が発生してしまい、只今ようやく引き上げてきました。しかし、結果としてはこれでよかったのかもしれません。雲の向こうに朧月が浮かび、近所の公園の老木に重なるところが見られたからです。
一時晴れるとの予報も空しく、またしても終日分厚い雲に覆われ、前々日に続いて花見は全く成り立ちませんでした。朧月とはいっても、肉眼で辛うじて見分けられる程度に過ぎず、それもほどなくして隠れました。しかし、日がな一日吹いた生暖かい風に耐えて、花はわずかに残っています。しかも今夜は満月まであと一晩の十四夜です。月が満ちる頃には散るだろうと諦めていただけに、ここまで粘り強く踏みとどまってくれるとは思いませんでした。早々と帰っていれば、今頃は眠りについていたでしょう。単なる偶然とは思えないほど、実に劇的な光景です。
明朝も天候に関しては多くを期待できず、なおかつソメイヨシノは見頃を過ぎつつあり、早起きして近所を一周する必然性はありません。ならば、老木が咲かせた最後の花を眺めつつ、朧月が再び現れるのを待つのも一興でしょう。風は止み、気温も暑からず寒からず申し分ありません。しみじみ名残を惜しみたいと思います…
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